フリンを切ったことでそうでなくても行く末が見えないトランプ政権がさらにダメージを喰らうのだろうかというところなのだが、しかし、よく考えてみれば、世界の超大国であるらしい合衆国の大統領は一体誰に脅されているというのだろうか?
そんな中、かつて民主党の大統領選候補者でもあったデニス・クシニッチが、FOXニュースで重要なことを指摘していた。
Dennis Kucinich Says Intel Community Making 'Unprecedented' Effort to Upend Trump: 'Wake Up!'
クシニッチは、インテリジェンスコミュニティーが情報を使って安全保障担当補佐官のマイケル・フリンを辞任に追い込み、大統領をひっくり返そうとしている、これは危険なことだと繰り返し繰り返し言っている。アメリカ人は目を覚ませ、というウォーニングまで投げてた。
繰り返し繰り返し言うのは、キャスターたちが、てんでお話にならない質問を繰り返すから。それを全部払いのけながら、クシニッチは、情報機関コミュニティーが政治の意志を飛び越えていることをやんわり指摘しているのだが、キャスターたちがそうは受け止めているようないないような、という感じ。
これは、去年、このへんで書いたことと同一の基調だし、実際今問題になっているのもそこでしょうね。
アレッポで外国軍将校拘束という噂&情報操作と認識論
ジャーナリズムの政治化とジハード支配
一言でいって、情報機関が独自の意志を持っているという状況。実際には軍もここに入っているので、情報機関と軍が、政治と独立に動いている、ここが現在の問題の核心でしょうね。
これがなんで問題かというと、政治機構の中に入っていれば国家の統制が効くわけだけど(原理的には)、はみ出ていると効かない。金を止め、首にすればいいんだ、という形で終わらせられない。
で、アメリカ人はこのヤバさにピンと来ていない人がどうやら大勢いる気がする。
私たちはこれについては先輩ですね(笑)。これは、巨大な関東軍だと思ってみていればすぐわかるというものでしょう。
関東軍の問題は、日本国政府という政治部分を飛び越えているのみならず、彼らが忠誠を誓っていると表面上は言う天皇さえ無視して独断で軍を動かしているところでしょう。その上、大量の金と脅しで国内のジャーナリズムを抱き込んで偽情報をまき散らすことに加担させていた。
で、資金源は大方は日本国の財政からなんだろうけど、だけど今日誰でも知ってる通り麻薬を売りさばいていたり、財閥が関与していたわけだから、それだけではない黒い金っつーもんがあったわけですね。さらには、朝鮮銀行を通じて独自に軍票も撒いてるから、実のところ、原理的には無尽蔵かもしれないところがあった(勝ち続けられれば、いつまででも軍票を撒いていられるから)。
でまぁ、日本は独自には彼らを止められなかったわけだけど、アメさんはどうなんですかね。見守るしかないですが。
しかしこれは関東軍に限ったことではない。考えてみれば、薩長もそれに近い。薩長は幕府と独立に勝手にイギリス他と戦争して、その付けは幕府に払わせるという途方もないことをしていた。で、最後に薩長が幕府を倒して、勝手に日本国を牛耳った。
さらに、もっとドでかいものとしては、東インド会社というのがある。あれはイギリス政府とは独立の存在で、独立に各地に展開して独自に植民地活動をして、独自にインドの行政機構を監督していた。アヘン戦争もこの人たち。
と考えてくると、ステルス帝国はこの構造が好きなんでしょうね。
ということは、この構造が崩れる形式としては、最近の言い方でいう1857年の「インド大反乱」、昔の言い方でいうセポイの反乱などどうだろう。
インドの反乱は東インド会社に雇われていた傭兵の反乱から始まったというのが通説だと思う。だからセポイの反乱と長いこと言われて来た。ということは、シリアで雇ってる傭兵たちが少しづつ減っている、少なくとも、ロシアのプーチンに、シリアを混乱させているのは「野党」などというものではなくて傭兵だ、と世界中の人にデカい声で言われてしまって、気がつけばみんなそれはそうなんだ、と受け止めてしまっている状況というのはステルス帝国的には、静かに叛乱されているも同然だと考えるべきなのかも。
ISISは誰が作ったと思ってんだよ、そもそもまず傭兵だぜ、とプーチンが初めてオフィシャルに語ったこの動画、気が付けば1100万ビューを超えていた。
Putin Tells Everyone Exactly Who Created ISIS
■ そもそもアメリカが傭兵
アップし終わってから気がついた。今さら何を言っているんだ、私は、でしたね。
そもそもアメリカそのものが、少なくとも20世紀に入ってからのアメリカは、いわゆる国際金融資本とか言われるごく小さなコミュニティーの傭兵のようなもの。アメリカという一国の国の国防とはまったく関係なく、世界展開して世界中に手を入れて、もうもう胸まで血の海につかったような国。
だってこんなだもの。
介入だらけの人生だったUS
で、だからこそ、俺らはそんなことする気はないという人々に反抗されてこうなる。
ステルス帝国 vs 民兵
ということで、ステルス帝国から見たら現在、傭兵一番手に反乱されている、みたいな感じ。
で、そのアメリカの変革をやめさせようとしているのがEU+日本。現在のフェーズはここでしょうね。つまり、こっちの方が古い傭兵ってことのようにも見えるし、王様連合の直轄領が多いのでこうなるとも言えるんだろうか。
こんなだし。
ロマノフ家のプリンスからガーター勲章まで
ということは、この連合に入っていないところか潜在的には組み得るということかも。
東インド会社 巨大商業資本の盛衰 (講談社現代新書) | |
浅田 實 | |
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オランダ東インド会社 (講談社学術文庫) | |
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それぞれどういう意味なのか、勉強不足で把握が不十分なままなのですが、どちらにしろ、「民兵」は利用されただけで、純粋な「民兵」という訳でもなさそうです。
確かに日本を軍事的に守っているのは米軍ですし、これを急に変更することは不可能でしょうが、冷戦体制の時代に戻るのもどうかと思います。当時と状況が大分変化しました。アメリカもイギリスも政権も変わりましたし。
アメリカ人他の知識人ってな人たちももナチばっかりおっかけてないで関東軍おっかけた方が実りあると思うんだけど、意外にこのへんは手薄ですね。参入しようかしらと思うんだけど、でも待ちたい。やっぱ民兵がどこまで続くのか見たいんだもの(完全に趣味)。