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ノードストリーム爆破:ヨーロッパを破壊するアメリカ

2022-09-29 12:21:44 | WW1&2
数日前、
「これは狂ってる」by タッカー・カールソン


といって、ゼレンスキーとそれをサポートする西側リーダー層が核兵器の使用をカジュアルに言っている事情は狂ってるとしか言いようがないと書いたけど、実際、狂ってた。核でないだけ喜べと言われればそれまでだが、それを除けば影響は広範に及ぶであろうどデカい事件が起きていた。

ロシアからの天然ガスをドイツに、ひいてはヨーロッパに運ぶ巨大なパイプライン「ノードストリーム」の1と2のパイプラインがスウェーデンの南側、デンマーク領ボーンホルム島付近で爆破された。



迅速に欧州各国がどこも、これは偶然の事故じゃなくて破壊工作(サボタージュ)だと言い出した。そりゃそうでしょう。1か所なら事故という主張もなり立つかもしれないけど、3か所で偶発的に事故というのは考えにくい。部品や素材の劣化が指摘されていたとか、予兆があったというのならいざ知らずそんな指摘はないようだ。

ということで、多くの人は、そりゃもう、「あいつらか」とアメリカ、あるいはアングロを疑っている。そして、あっという間に9月の上旬に事故現場付近で忙しく何かしていた米の艦隊の行動がそれだったのかな、という指摘が出てきた。

さらには、ポーランドの元外相のシコルスキー(あるいはアメリカにおける反ロシアの急先鋒の1人アップルバウムの夫)が、アメリカさんありがとうと書いたtwitterが話題になった。

 


そうかと思えば、何週間か前にCIAがノードストリームは脆弱だ、とベルリンの公人に告げていたという話しがドイツで出ているようだ。

CIA warned Germany of pipeline attack – Spiegel


■ やると言ってた人はいた

この事件を受けて多くの人が真っ先に思い出したものの1つは、疑いもなく今年2月上旬、すなわちまだロシアが特別作戦を開始する前のバイデンの発言。

バイデン:もしロシアが侵略した場合、ノードストリーム2はなくなるであろう。我々はこれを終りにする。
記者:パイプラインはドイツのプロジェクトなわけで、具体的にどうできるんでしょう?
バイデン:約束するよ、我々はそれを実現できる。



そして、半年以上たって、多数のウクライナ人をモノみたいに前線に投入して死なせてみたはいいけど、ウクライナ東部、南部の4州は住民投票を行い、予想通り圧倒的多数がロシア連邦への編入を求めるかとの問いに「はい」と言った。ノードストリーム爆破の日は、この投票が確定する日だった。



そういうわけで、何かしないと、というネオコン集団(またはシュトラウスの薫陶を受けたナチみたいな一派とでもいうのか)が大きなことをやったのかもしれないな、とは思う。


■ 狂ってる奴が運転してる

で、このパイプラインはとても大きなパイプライン。今般の行動は大きくて重要な民間施設を破壊したことになる。

始終タッカー・カールソンをもってくるのも心楽しいわけではないのだが、今回もはっきりした正論を言ってる。

Tucker Carlson: This is an atrocity  

事情を説明した後、最後の方で、こういうことをやっていいのなら、他のパイプライン、他の海底ケーブル等々のインフラをターゲットにする人が出てくるかもしれないという前例を作ってることになってる、どうするんだ、と指摘してる。

一線を超えてしまったってことですね。超えてないとするためには、西側諸国内で、当該の行為は良くないと実行犯を処罰することが必要なわけですが、そんなことが望める環境にはない。

前にも書いたけど、「ロシアが悪い」と言い出せばなんでも通るという習慣を付けてしまっていることのツケは、自分たちに帰ってくると思うよ。犯罪者を犯罪者として処罰できないで野放しにしたままであることが自分たちの社会にとって最良だと誰が言えるの?


■ 今年始まったことではない

そんな中、2014年にコンドリサ・ライスが、ヨーロッパはロシアからエネルギーを買うんじゃなくて、北米のエネルギーを買うようにするのよという話しをとても軽やかにペラペラ語ってる動画がtwitterにあがってた。

 


北米のエネルギーを買えばいいって、それはつまりロシアからの安価で大量のエネルギーが強みだったドイツに、控えめにいっても倍以上の値段を出さないと買えない海の向こうのエネルギーを買えと言ってるわけです。

そして、アメリカはそんなに天然ガス、石油が豊富なのかというのもかなり怪しい。シェールガスを見込んでる時代のものだと思う。シェールはしかし、従来型のような安定は見込めない。全然。

つまり、この時点で、「ネオコン」(とは限らないので当面仮称)集団は、ドイツ経済を破壊しようとしているわけですよ。

どうしてこれが同盟国に対する処置なのか、と怒ってる人が多数いますが、いやしかし、8年前から、あるいはシュレーダーがイラク戦争に反対していた頃から、この不和は顕在化していた。

The War On Germany Just Entered Its Hot Phase

2022 09 27 The Americans Declared War On Europe (Gonzalo Lira)


ロシアのドイツに対するアプローチは、こうなっていることをあんたたちわかっているのか、いいのか、というのを噛んで含めるように語っていたと言える。ノードストリーム2はドイツの提案でロシアは躊躇していたが、ともあれ乗ることにしてロシア側は契約を履行した。しかし、ドイツは自己の利益も契約の相手方当事者の利益も守れなかったと言えるでしょう。

ロシアはEUのガス問題を解決する義務を負っていない by ガスプロム


結果的にヨーロッパ諸国は、ネオコン離れができないどころか、誰にも選ばれていないフォンデルライエンのようなスーパー狂人をトップに据える機構になって、エネルギー政策をとん挫させられ、誰がどう見ても当面回復できそうにない構造に追い込まれている。

いやしかし、これがつまりプロパガンダ作戦の強みなのかなとも思う。冷静に考えれば自明でも、ある特定のナラティブに津波のように襲い掛かられると誰も異論を言えなくなって、自分にとって不利益な行動を取るがずっと先になるまでそれすら気づかない、みたいな。

しかし、この作戦は、「自省できないから自制できない」精神構造の人々を生み出すだけなので、テロリストを作るには良いかもしれないが、まっとうな発展が望めない社会を作り出すことになるのではないのかと懸念される。

「これは狂ってる」by タッカー・カールソン


■ オマケ

何を言いだすのかと思えば、ドイツのショルツ首相は、ドンバス以下4州のウクライナからの分離をドイツは絶対に認めない、住民投票は「sham(偽物)」だとか気張ってるようだ。

 




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6 コメント

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Unknown (ローレライ)
2022-09-29 17:55:28
鉄道爆破の常習者のアングロ式の手口!弟子が関東軍!
返信する
Unknown (sano)
2022-09-29 19:55:57
>>冷静に考えれば自明でも、ある特定のナラティブに津波のように襲い掛かられると誰も異論を言えなくなって、自分にとって不利益な行動を取るがずっと先になるまでそれすら気づかない

日本もこーやって台湾有事に突っ込むわけなのかぁ
何しろ「台湾有事は日本有事」(安倍元総理)だし
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Unknown (かつまた)
2022-09-29 21:33:04
奴らは狂ってるし、ヤケクソになってきて、なんでもやるような状態になってきたかもね。
子分というか使いっ走りで弟子の日の丸くんは、鉄砲玉として突撃させられるんじゃないのかな?
列島の近辺から大陸にミサイルでもぶっ放されて報復を受けないことを祈ります。
返信する
Unknown (一読者)
2022-09-30 01:35:45
つい最近まで「ロシアが売れ残ったガスを燃やしてる」なんてキャッキャしてた連中が「ロシアが売りたくないから破壊工作をしたんだ!」と大騒ぎ。
君たちの設定ではロシアはガスを売りたがってるのか売りたくないのかどっちなの?統一しようよ。
そもそも君たちが先に「経済制裁だ!ロシアからガスはもう買わない!」って言ってたのに今更「さっさと送れ!契約を履行しろ!ガスを武器にするな!」って何様よ?
親露派居住区のど真ん中にあるザポロジスカヤ原発への攻撃もなぜかロシア軍のせいにされてましたけど。
最低限論理的であって欲しいと思います。
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なんと、制裁が下された (kiyo)
2022-09-30 11:38:51
ノルドストリーム爆破、これが地上で起きていたらと思うと背筋が凍ります。こんな愚かなことできるのはネオコンしかいないでしょう。成り行きとして西側は「問題にしない」で済ませるのでしょうが。これは仕掛けた側からすれば、ドイツの退路を塞いで、アメリカ従属を押し付け、ガス供給の希望を断つことによってロシア制裁反対の意見をしぼませる一石三鳥の作戦だったように思います。意図通りになるかどうかは別として。狂った世界だと言ったところで始まりませんが、同じようなことをずっと文明世界はやってきたのだから。
返信する
爆破破壊にもかかわらず世論は静か!?!? (地球戦国)
2022-10-02 22:43:15
エネルギー危機と騒がれていて久しいのです、かろうじて暖房用の燃料もストーブ用の薪も、来年1月ないしは2月分までの量を確保できました。温水シャワーに大感激。でも1週間に1回か2回で我慢する覚悟です。電気料金も高騰する高騰するとメディアが伝えてはいますが、どれほど高騰するのか解らず、その不安に耐えつつ、居間で観るテレビの時間帯は蠟燭の明かりで辛抱しています。パイプライン破壊後、恐る恐るガソリンスタンドへ、高騰しているだろうと思っていたのですが不思議な事に、軽油などは2ユーロ超だったのに、2ユーロを切っていました。良く解りません、不安と同居して辛抱生活、これが我が家の現実です。
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