いわゆる南京虐殺問題とユネスコの問題も気になるなぁとは思うけど、この揉め方が何か奇妙すぎて手出しできないというかしたくない。この問題と慰安婦の問題って、政治的には大枠で日本の過去の瑕疵でした、というストッパーをつけて、その内側であれこれ実数とか成り行きとかを検討するという形になってりゃこうまで揉めない問題だったのではないのかと思う。
それにしても世界遺産にいわゆる負の遺産を入れようという発想は一体だれが考え出したんだろう? ものすごく不遜な話だと思う。過去の悲劇を観光資産にしようとするその態度が嫌だ。
その意味で
ロシア、日本の記憶遺産登録の撤回を要求 シベリア抑留資料で 日本は「パンドラの箱を開けた」と非難
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151015-00000570-san-eurp
南京を政治利用だと言って批判するならシベリアだってそうだろうということなわけで、これは正当な見識だと思った。
しかし、では、「パンドラの箱を開けた」という意味はなんだろうと思ってちょっとドキドキしてみたりする。
これってつまり、もうこうなったら歴史認識を巡って日本ともめるのも辞さず、ってこと?
つまり、いわゆるシベリア出兵問題と大東亜戦争終結時に何があったのか、といった点にフォーカスをあてようという意味だったりするだろうか・・・と。
なんせプーチン大統領は第二次世界大戦終結の式典をチタで迎えていたので、重ねて考えるとそういうことなのではなかろうか。
ここで書いた通り。自分でいうのもなんですが、流れの予想はあたってた感じですね。
プーチン、チタでWWII終結記念式典
■ アメリカさんも年を取り
思うに、どうして70周年という半端といえば半端な年をメモリアル的に迎えようとしたのかというと、何か大きな構造変化の故だったということなんでしょう、多分。
それはつまり、まぁそのアメリカ覇権を打ち立てる際に使われたお金の流れの管理の仕組みともう一つ、アメリカという特殊な国が存在し、その国が世界中の面倒を見るかのような思想の統制、この続行に赤信号がともったってことじゃないんですかね。だから、いろいろ修正を試みる人もいれば、反対する人もいる、みたいな。スノーデンの登場もこの文脈にいれれば、過去のやばい部分のあぶり出しという役割でぴったりではなかろうか。
日本にいると全然気づかれていないような感じだけど、中東方面におけるアメリカのプレゼンスの低下の著しさは、ちょっと想像を絶するものがある。もはやアメリカを特殊に優れた、みんなが仰ぐべき国とか思ってる人はあのへんにはいない。
でもって、それがダイレクトにアメリカ国内に跳ね返ってる。各地の紛争に関していえば、非常に多くのアメリカ人たちはもはや主流メディアがわーわー言って作ってくるストーリーを信じてない。政権は嘘つきで、各種有名どころのジャーナリズムも政権のケツをなめてるただの嘘つき、ってな調子が大っぴらになっている。
そしてその現れがつまり、大統領選挙候補でリードしているのが、サンダースとトランプという現象でしょう。
二人とも「規定路線」みたいなところから隔絶されていた人だったというのは、嘘で塗り固められた「規定路線」に対するアメリカ国民の叛旗なんだろうと思う。
サンダースさんよりトランプ氏の方に勢いがあるのは、サンダース議員も古参の民主党議員だからどちらかといえば世界政府志向だからなんじゃないかと思う。シリアの反政府民兵に武器を支援しろと言っていた。だから、トランプさんの方がよりディープステートというか奥ノ院というかというあたりとの政治的な関係が薄い。
■ 反戦反乱を起こすアメリカ人
パット・ブキャナンが、昨日アップした記事がまさしくそこを捉えていた。
The Antiwar Insurgency
http://www.theamericanconservative.com/buchanan/the-antiwar-insurgency/
Antiwarは反戦、insurgencyは反乱、暴動みたいな感じ。アメリカ人たちが反戦を求めて反乱起こしてるという見立て。
こうなるのも無理はないのは、大統領候補者の討論の中で、上の2人とあと何人か以外が、途方もない「アメリカは強いぞ」論をはってるわけね。戦闘機飛ばしてロシア機を撃てとかほんとに言うわけですよ。
つまり、戦争に対するリアリティーが皆無。ただただ威勢のいいことを言っていて、誰も、では例えば米軍がシリアに地上軍を送ったら、あるいはロシア機を撃墜したら、どうやってその戦いを終わらせられるのかを語ってない。前にも書いたけど、アサドを倒せはいいとして、ではその後どうなるのか、どういう準備をしているのかを責任をもって語る人が結局この数年誰もいなかったというのが凄いといえば凄い。
こういう状況であるにもかかわらず主流メディアもまたなんだか威勢のいいことを言う論客であふれている。
そこで、アメリカ人たちがもううんざりだ!になっているとうことですね。
ブキャナンは反戦と書いてるけど、私は反・介入主義じゃないかと思ったりもする。他国で紛争を起こし続けるこの体制に対する強烈なアンチ感情があるということ。
■ 予定調和しなかったらどうするの
まとまらないけど、日本にとって大変なのは、この先どういう大統領が出てくるか、つまりアメリカという国がどんな感じになるのか不分明なことでしょうね。
でね。日本の中では識者を中心に、大統領選挙は最初のうちはダメなやつが出てきて話を盛り上げるけど、最後には本命がくるんだ、みたいな予定調和を信じて疑ってない人が結構多いように思う。
しかし、それって今回該当しなかったらどうするの?
ロシアとの関係の話もそうで、日本の中では日本で語られている歴史認識はすべて正しく、中国、ロシアはすべて嘘を言っているというのが基本線といっていい。しかし、実際には日本の歴史認識にもいろいろ穴がある。これを閉ざしておけたのも、もってアメリカ様の下だったからというところがあったりもするでしょう。で、この仕組みが壊れてきたらどうなるんだろう。
私の考えは、長期的に考えたら、できるだけ正直に対応していくこと、できるだけ多くの人の幸福に寄与する考えを持とうと、少なくともその姿勢を堅持していくことが国というかこの民族集団の将来にとって良いことだろう、とかまぁ何度も書いてますがそう思ってます。
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私も結構賛成。でもってアメリカ保守派はそれを恐れているので、日本に対して遠巻きなんですよ、多分。
こんなニュースでました。
ロシア治安当局が「オウム真理教」を摘発
http://www.sankei.com/world/news/151021/wor1510210083-n1.html
化学兵器を製造可能な集団が日本に存在し、ロシアに浸透しているというのはやっぱりそういうことなんでしょうかねー。
やっぱりなにかこう、そーいうことなんだろうか感が一層強くなります。