ワクチン打ったら終わりになる、みたいなことを叫んでいた政府であったはずだが、河野タローは9月以降の調達は行わないとか言い出してる模様。
多分、イギリスが既にロックダウンなどの緊急事態体制を止めることにしたので、西側諸国もみんな、まぁウィルスってこんなもの、といった話にしちゃう気なんじゃないだろうか。
最初からそうなわけですが。
そんな日本の報道の中で、ドイツもので妙なものを見た。
洪水被災地を訪れ談笑 ドイツ首相候補、批判浴び謝罪
被災地で談笑していたことを問題視されている、と書くと、大したことがないのに何をそんなことを、みたいに思う人がいると思うけど、事実起こったことは、「談笑」というより、ほとんど、腹をよじって笑ってる、といったもの。
しかも、シュタインマイヤー大統領が真面目に人々の悲劇を共有しようと語っているそのすぐ後ろで、CDUの議員が雁首揃えて、あははは笑ってる姿が、丸見えになってしまったわけです。
aha. pic.twitter.com/XA6rC3uXII
— toto (@josefheynckes) July 17, 2021
ドイツはメルケルによる、シュレーダーつぶしというか、無理くり親米に戻します路線というかのおかげで、政界が無茶苦茶になっちゃったので、人材難は著しいといったところでしょうか。フランスも同様。
それはそれとして、ドイツの主要政治家が、今般の洪水を気候変動のせいなのだと言い切っている中、
いやしかし、欧州の気象関係機関のEuropean Flood Awareness System が警報を出していたのに、それが現地ドイツの自治体当局にちゃんと伝わってなかった、効果的なアクションが取られてなかったことが問題だろうという指摘が出てきた。
Germany knew the floods were coming, but the warnings didn’t work
実際問題、寝ていたら急に水位が上昇したとかいう発言も見たので、そこらへんの人たちは既に前日にどこかに移動しているべき人だったってことなんだろうか。
いうまでもなく、こっちの方がずっと問題で、そして、何がどう影響するのか定かでない「気候変動」のせいにするよりも、ずっとずっと、一般国民の生活にとって足しになる。
であるからこそ、なおさら、メルケルもCDUも、これは「気候変動」と決め打ちしてメディアの路線を作ってるとしたら(まぁそうなわけだが)、実に悪質。
だがしかし、この本筋をそのまま受け取ることもまた危険なんじゃないのか、と思うのは、この話を広めているのが天下の「不実のアルビオン」ことイギリスのメディアだから。
イギリスのメディアは、現状ネオコンと一心同体なので、いろいろ言ってもドイツの利益には敏感で頑固なCDUよりも、グリーンあたりを押したいであろうと思われる。前にも書いたけど、グリーンは環境という衣を着た単なるネオコン。もちろん、かかっているのはウクライナ問題であり、つまるところロシア問題。
そういうアングロの横やり体質を見越した上で、ドイツが対応できるのが望ましいわけですが、どうなることか。
■ 6月16日の意味
で、なにかこう、筋の通ったことがない世の中になってると思うけど、しばらくこんな感じでぐだぐだ行く中で、後でみれば、ああそうだったのか、になるのかしらと思う。
そこで、主流メディアが何一つまともなことを書けなかった、先月のバイデン・プーチン会談は実際には大きな意味を持っているだろう、ってのが現在のふわふわおかしい状況の1つの核心なんじゃないか、など思ってみる。
バイデン・プーチン会談まとめ
この会談は、Voltaire Networkというフランス系の雑誌というかサイトを持っている、Thierry Meyssanによれば、ようやくアメリカがシリアの敗戦を認めたという意味だという。その敗戦を、戦勝国(シリア、ロシア、イラン)が敗戦国(西側全体+α)に指図するベルリン式じゃなくて、首脳会談してまとめるヤルタ式でやってるんだろ、と言ってる。
ティエリーの考えがすべて正しいという気はないんだけど、私は、今般のバイデン・プーチン会談は、きっかけは春先のウクライナでのNATO勢の大失敗だが根幹は地中海東岸問題だろう、と思ってるので、概ね見てるところ一緒なのかしら、など思ってみたりしてる。
黒海・東地中海で、ざっくり言って、西側はロシアを屈服させられなかった。これを覆そうとしたら、自分も大戦争の犠牲を払わないとならないし、払って見合うようなものが得られる保証もない。これが確定したってことじゃないかと思うわけですよ。で、今日確定したんじゃなくて実はもうアレッポが陥落した2016年から基本は変わってない。
そこからここまでは、抵抗の5年間で、今般バイデン・プーチンが大人数引き連れて会談したってことは、今後、それなりにあちこちで方針転換が起こってくるんだろう、と考えるべきでしょう。もちろん、抵抗もまだある。
仕切りとして、シリアを亡き者にしようとしていた側にはそれなりにペナルティーがあるし、ウクライナのナチ賛美のキエフ政権を庇ってる人たちにはまったく将来性ない、ぐらいは言えるでしょう。
そこで日本のことを考えてみるに、日本は中東大動乱にあわせて軍を出そうとしていたんだろうと思う。2016年頃にさんざん書いた通り。
だけど、それがダメになって、今度はインド含めて、インド太平洋がどうしたこうしたと言っている。それはそれで、やたらに船を作るアホみたいな軍拡路線に行く道なわけだけど、だがしかし、ここで、リアルな軍事革命とでもいうべき事態がかぶってる。それは、空母とかカモだろう、という時代のこと。
ということで、いろいろ変化してるんだろうと思うけど、そうは見えない、語られないのは、現在失われているものの1つが、正気で考える言論空間だからかもしれない。
考えられないから、ふわふわした適当なスローガンに乗せられる。みたいな感じかしら。
今後の注目点としては、この気狂い路線がどうなるのか、でしょうか。ここに変化があれば、多少、この親アングロの勢力にも変化が及んでいる、ってことではなかろうか。
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