MOMOSE'S DOOR Day book in New York

NY在住のシンガーソングライターが『自称シンプルライフ』を語ります。ぷぷっと笑ってホロっとなるよなDay book.

ユーとルームとセサミオイル

2008-10-09 14:57:40 | 食にまつわるお話

夏のいぼじぃ~騒動にウツツを抜かしていたら
あらまっ、外はすっかり秋の気配ばりばりのN Yの今日この頃。
そろそろ栗ごはんの季節じゃないのよ~~と思いつつ、
どこかに栗は落ちていないものかと、
近所の並木道を感慨深く歩いてみたりするものの
当然、栗などあるはずもなく。

>どんぐりは頭上に容赦なく落ちてくるんですけどね..

そこで。

My son ワン) 栗ごはんの栗が少ないんですけれど....

My son ツー) 兄ちゃん..それ3日前のごはんだよ,,,


っと、My sonsにこんな雰囲気ものオリジナル手書きTシャツを
こっそり着せてみたりしつつ、
所詮、momose家の晩飯はコストの高くつく秋の味覚は雰囲気モノでスルー。

そのかわり。

先日、豚肉を大量に仕入れたのをきっかけに
我が家の食卓はギョーザブームが到来しています。



いや...

ブームというよりは、
先日、帰ってきたら、”あら?電気がつかないぞ~~ってな事があり、
その事件をきっかけに、
冷蔵庫にあったキャベツとネギと豚肉だけでどこまで食いつなげるか的
この秋一番の低食費生活への挑戦と言った方がよいかもしれません。

>またお宅ですか... by コンエディソン(NYの電気会社)

っという軽い裏事情はさておき。

このギョーザブーム到来してしばらくたったある日。
朝、ゴミを出しにいくすがら背後から突然、
同じアパートの住人らしき中国人のおばちゃんから声をかけられたのです。

『,◯×△.!!??◯×△.!!?ダン◯×△.!!?????×△.!!?????』

....??????????

中国語でまくしたてているので
何をいっているのかさっぱりわからない。
しかも、ものすごい満面の笑みでまくしたててくるのである。

...なんだかわかりませんが怖いですから...。
......その満面の笑み、怖いですから。はい....。ものすごく...。

とりあえず、私はじりじりとあとずさりした。

しかしそのおばちゃん。おののく私に当然かまいもせず、
今度は片言の英語を交え、更に満面の笑みに満面の笑みを重ね、
後ずさりしている私めがけてジワジワ迫ってくるのである。

『,ユ◯×△.!!??セサ◯×△.!!?.!!??×△.!』
『,ユゥ◯×△ルゥ!!??セサミオィ◯×△.!!??×△.!』
『,ユゥ◯×△.ルームゥ!!??セサミィオイルゥ◯×△.!?????×△.!』

ああ””~~ほんと怖いですから。マジこわいっすから..

っと、半ばへっぴり腰になりつつも根っからの好奇心旺盛な私。
よせばいいものの、片言で聞こえてくる”ユーとルームとセサミオイル”が
どうにもこうにも気になってきたのである。

ユーとルームとセサミオイル。

ゴロがいい。

しかも直訳すると、あなたと部屋とゴマ油。

キャッチーだ。

その昔、大ヒットした部屋とYシャツと私という名曲を彷彿させる
キャッチーなゴロあわせ。

部屋とYシャツと私。
あなたと部屋とゴマ油。

部屋とYシャツと私。
あなたと部屋とゴマ油。

いいじゃない。いいじゃない。つかえるじゃない。

>って何に?...

などと余計な事を脳裏にうかべていると、おばちゃん。
今度は何かをおハシで食べるジェスチャーをしながら
ユーとルームとセサミオイルを激しく連呼するのである。

あなたと部屋とごま油、食べる....
あなたと部屋とごま油、何かを食べている....
あなたと部屋とごま油、何かを箸でつまんで食べている....

...ますますわからんですばい...。

...

...ん?

いや、まてよ。


はっ!!

もしや、このおばちゃん。
我が家のここ数日間に及ぶ連日連夜のおかずの
手作りギョーザの匂いをかぎつけ、
お前、そんなに毎日食う程
ギョーザ好きなのか?的な事をいっているのであろうか?

あなたと部屋とごま油、何かを箸でつまんで食べている.。

そうなのか?そうだと言うのか?

しかし。

英語もままならないおばちゃんは、
こちらがギョーザの事をいってるのか?と何度聞いてもかたくなに
ユーとルームとセサミオイルを連呼するだけなのである。

あかん,,,このままではラチがあかん.

仕方ない..やるか...

私はあの”伝説のジェスチャー”で意思表示をしてみることにした。

そう。

ギョーザといえばあの老舗のネタしかない。

自分の片方の耳を折り曲げ相手に向かって一言。

ギョーザ!



長い沈黙...

え?違うのか?え?違うというのか?


ギョーザ!


ギョーザ!


ギョーザ!


あ””あ””~~一体、私は朝からゴミ袋を片手に何をしているのであろう...
部屋ではMy sonsが腹を減らして朝飯をまっているというのに,..

っと、その時、

おばちゃんはやっとそれだそれだといわんばかりに手を叩いて頷いたのである。


おお~~~!!

日中友好老舗ギャグ交渉『成立』の瞬間だった。

やはりギョーザか。ギョーザのことだったのだな。

私は一仕事終えた気分のごとく誇らしげになっていた。
そして、私はエンターテイナーたる者らしく
そのおばちゃんにゆっくりとお辞儀をしながらこう言い放ったのである。

センキュぅ~~ソォーーーマッチ

すがすがしい秋の朝の出来事だった。


っと、このあたりのオチでざっくりシメたいところなのだが..,
話はまだ終わらない。

このやりとりを見ていた顔見知りの別の中国人がここに登場するのである。
その名も中国人のリンさんだ。
リンさんは私のアパートの住人の為に通う介護シッター。
今日は夜勤あけで今から自宅に帰る途中らしく、
眠たそうに目をこすりながら私にむかって開口一番こう言い放ったのである。

『なにをさっきから大きな声でギョーザギョーザって言ってるあるね』

おお~~リンさん。ちょうどいい。
私は、この謎のおばちゃんの言ってる事を
リンさんに通訳してもらうことにした。

◯×△.!!?◯×△.!!?◯×△.!!?
◯×△.!!?◯×△.!!?

飛び交う中国語。

◯×△.!!?◯×△.!!?
◯×△.!!?

しばらくまっていると、
リンさんが静かにこう言ったのである。


『ギョーザの形をしたイタリアの食べものの方がうまいと言ってるあるよ』



ぬあ~んだ。 ラビオリのことですか。確かにおしいよね...って

ややこしい事きくんじゃねーーーーーーーーーーーーーーー!!

ちなみにリンさん的にも

『確かにギョーザよりラビオリの方がおいしいあるね』

らしい...。


お前ら、本場中国人だろ。ギョーザくえよ!

思いっきり清々しくない秋の朝を感じた瞬間だったことは言うまでもない。
そしてひもじい日本人の私は今日も皮をねりねりギョーザをこしらえるのです。

あっ、今日で連続16日目です。>ギョーザ。ばんざい。

~~~~~
*英語でギョーザはDumplyng(ダンプリング)