MOMOSE'S DOOR Day book in New York

NY在住のシンガーソングライターが『自称シンプルライフ』を語ります。ぷぷっと笑ってホロっとなるよなDay book.

catfish

2006-02-17 12:36:58 | 食にまつわるお話

『無知ゆえに、言葉から勝手にイメージするほか手段はない』

これはですね。
その昔、アタクシが初めて英語圏の街、
このNYに足を踏み入れた際、
英語がさっぱりできないくせにも拘らず、
分厚い辞書を持ち歩くのもなんだかと.
無謀にも、行き着く場所、行き着く場所にて、
まったく見た事もない『単語』にぶつかった際、
上記のスローガンをひっさげ
その判らない単語を”イメージ”のみで捉え、
その場のノリと運任せ&度胸一発と言わんばかりに、
訳の判らないものをたくさん飲食していたわけです。

その訳の判らないものの中のひとつに。

catfishのなんとか風味揚げ...

という食べ物があったのです。
確か、これは、
チャイナタウンのどこかの中華料理屋で食べた
1品だったような気がするのですが
当初、メニューの中にこの文字を見た際、

cat=ネコ  fish=魚

この文字から想像する限り、
ネコが追いかけるほどウマイ魚の唐揚げか何かなんだろう。

っと、勝手に思い込み、
この"cat fish"のなんとやら..を頼んだ訳です。
しかし、でて来た品は、
どういう訳か、魚ではなく鶏の唐揚げだったのです。

へ?魚じゃないの?

っと、妙にひっかかりながらも食べるのですが、
味も、なんの変哲もないどこにでもあるような唐揚げなのです。

そして、アタクシは、
ふ~ん... cat fish ってのは、
NYではきっと鶏の唐揚げの事を言うんだな.
なるほど。
きっと、ネコが魚を追いかける状況を 
鶏と同様例えてあるんだ。
ふ~ん....なるほど。なるほどねえ~

っと、
このようにですね、catfishがなんなのかを
辞書で調べることもなく、
勝手に解釈をして納得してしまったわけです。

それから月日が流れ。

本日。スーパーに買い出しにいったわけです。

そして、いつもどおりにあちこちのコーナーを
さまよいつつ値踏みをしておりましたら
このような店内放送が流れたのです。

『本日は catfishが、
夕方からタイムセールで2ポンドパック、1ドルで~す』

不思議なものですが、
年々、ど忘れ、物忘れが激しくなって行く中、
変なものを食べたという記憶というのは、
残っているものなのか、
このcatfishというキーワードに
首尾よく反応したアタクシの脳内細胞。

あの時の記憶が蘇ってきたのです。

なに?cat fish?  
っつか、鶏が2ポンド1ドルってか!

即買いだ。チキンだーーーー。
今日はカラアゲダーーーーーー。

言わずとしれず、記憶が読みがえった瞬間から
脳内はもうこの時点で別経路で放出された
アドレナリンのおかげでカラアゲモード一色。
そして、トリコーナーにまっしぐら。 

しかし。

ごったがえしてるはずの鶏コーナにはひとっこ一人居らず。
しかも、どこをみてもタイムセールの値札のパックがなーい!!

どこだ。どこにあるんだ、。
catfishはどこにあんだよーーーーーーーー!!

すると。
はるか右遠方置くの生鮮魚コーナーに黒山の人だかり。

.......

ここで、ある疑念が沸き上がってきたのです。

まさか..catfishは魚なのか?
そうなのか。そうだというのか?

それから、10分後。

生鮮魚コーナーの片隅で、
おどろおどろしく泳ぎ回るひげの生えた魚ちゃん達の水槽に
ペタンと張ってあった本日のタイムセール品の名前をみた
まさにその時。
アタクシは恐るべし真実を知ってしまったのです。

catfishが『ナマズ』だったという事を。

アタクシの記憶が正しければ、
ナマズというのは、昔から地震探知機になると言われてる魚です。

日本は地震の国です。
その地震を察知する魚を...

喰うのか!
ニューヨーカーは喰うというのか!
しかも、カラアゲのなんとか風味にして。
っつか、NYは地震がないからナマズを喰うのか!
そうなのか!
ええ~~??そうなのかーーー??

っと、新たな疑問を抱くまえにですね。
この何十年も、
ナマズを鶏のカラアゲと勘違いしたまま放置してしていた

”無知”をですね...

なんとかした方がいいのではないかと思う節は
重々自分でも痛感しておりますので、
どうかその点は責めないでください...。

ちなみに。
アメリマンcatfishことナマズとはこれ。

タコくってるぞ~~おおお~~

で、この切り身を買いましたよ。
しかも、カラっと揚げて食べてみましたよ。
中濃ソースをかけて。キャベツも添えて。ワシワシと。



ですが。

すっかり食べきったあと。
何やら胃の奥からこみ上げるすっぱいものを感じながら

もしかして、真実を知らない方が良かったのかもしれない...
...そんな気がいたします...

そして。

唐揚げと間違える程の調理法で
アタクシの味覚をまんまとだましきった
当初のあの中華店を無性に探したくなる衝動にかられる
今日この頃です。

どうやったら、このナマズが鶏の唐揚げ風味になるんだ...

この街の謎がまたひとつ増えたのです。


<本日の反省>

聞くは一時の恥、
聞かぬは一生の恥になるところでございました>ナマズごときで。