MOMOSE'S DOOR Day book in New York

NY在住のシンガーソングライターが『自称シンプルライフ』を語ります。ぷぷっと笑ってホロっとなるよなDay book.

高級スーパー生レタス

2005-08-28 10:32:04 | day book in NY 2005~(FC2)
略語好きな日本人の間では
通称グラセンと呼ばれるグランドセントラル駅。
その巨大な地下鉄の構内を歩いていたら、
前方を歩いていた
白人のおばちゃんが肩から下げている
てんこもりの買い物袋から
緑色の物体がゴロンと落ちたのです。

近づいて拾ってみたら生レタスでした。

しかし
おばちゃんは
その事実に気がつかずに
スタスタ歩いて行ってしまうのです。

『すいません~ん、これ、落ちましたよ~~。』

アタクシは急いでそのおばちゃんを呼び止めました。

おばちゃんは振り返り、

『あら~ありがとう~~』

そして、アタクシは

『いえいえ、どういたしまして~』

こう言いつつ立ち去った。めでたし。めでたし。

っと、
普通の筋書きならばこうなるはずなのです。

なのにだ。
その白人のおばちゃんはだ。

アタクシの手にもってるレタスを
まるでものすごく汚いものを見据えるような鋭い
視線をレタスに投げかけ

 『それ、私のじゃないわよ!』

 全面否定.
 しかも、プチ切れ気味。

そして
さっさと人込みに消えて行ってしまったのです。

、、、当然、呆然です。

なぜだ、、。
あの人は
なぜゆえに、このレタスを否定するのだ、、。
何か、、ヤバイのか?
このレタス?
何かはいっているのか?

そして、脳裏に走るこの文字。

 『不審物を拾ったら警察に届けましょう』

このレタスを届けるべきか、、
届けないベキか、、。
しかし、どこからどうみても
新鮮な生レタスにしかみえない。
しかも、よくみると某高級スーパーの値札シール。

 高級レタスだ、、

すると突然
背後からおどろおどろしい声が。

『それ、いらなかったらちょうだいよ~~』

振り返ると
ダンボールのオウチをねぐらにしている風貌の方。
その瞬間。
本能的に口からでた言葉は

 『だめです。これはアタクシのものです』

  完全否定。きっぱり。

そして、高級レタス片手に
取られてなるものかとばかりに
一目散に地下鉄ホームまで突っ走りました。

せっかく買ったレタスを完全拒否したおばちゃんも
ある意味、クレイジーなのでしょうが、
まるでラグビーボールのごとくレタスを小脇に挟んで、
グランドセントラル駅構内を猛ダッシュで駆け抜ける女の方が
端から見ればもっとクレイジーかもしれん、、。

っと、全速力で走る最中
我ながら、ふと思うところもなきにしもあらず。

ですが。

NYはそろそ涼しくなりつつあり、秋の気配。食欲の秋です。
そして、かの有名な童話『アリとキリギリス』のアリは
食料をせっせと蓄える時期でもあります。
しかしながら、

アリの蓄えよりもキリギリスのごとくその日の糧。
喰えるもんなら喰ってやる。
迷うな。自分。

っと、このようにですね、
レタス片手に走りつつも
何かこう腹の底から
フツフツとこみ上げる明日を生きてく為のみなぎるエネルギーを
ヒシと感じたのは確かです。

と、とってつけたように言ってみたところで
所詮アタクシは
底意地の悪さと意地汚さが全面に押し出された女だということです。

ちなみにですが、
あの白人のおばちゃんがレタスを何故拒否をしたか?
という素朴な疑問を感じる方もいるかと思いますが、
先ほど、人づてに聞いた限りでは、
『とことん潔癖性』の方ならそういう行動も不思議ではない。
とのことです。あくまで憶測ですが。

<本日の収穫>

落ちたレタスにて、人の生き様垣間みる。
一瞬のためらいあってはならぬ。弱肉強食>字余り。