一期一会

最近、寝不足のせいか、
地下鉄にのってる最中、とてつもない睡魔に襲われたのです。
通常なら、ここで爆眠モードに有無を得ず突入するはずなのですが、
今日に限って眠れない。
なぜなら。
そんな睡魔もふっとぶような臭いが
どこからともなく漂って来たのです。それも、かなり強烈に。

この臭いは、、、、
この臭いは、、、、、、、

あの痛烈にも鼻から脳天をつきやぶる感じ。
うっかり酢飯を腐らせてしまった時のあの感じ、、。
何ヶ月も放置された金魚鉢の中身のような、、、、。
比喩は色々ありますが、
まさに、これはまちがいなく、

ワキ臭。

ワキ臭のなにものでもなーーーーい。

しかしながら、そう確信したものの、
誰が発信源なのか限定できないのです。
左どなりか？右か？前か、こいつか？
そこの新聞よんでるやつか？
どこだーーーーどこのどいつだーーーーーーー！！
っと、言いたいのは山々なのですが、
ここは臭いも多種多様。
手当り次第に疑いの眼差しを向けるには
おっかないNYの地下鉄。
無邪気な小学生のナリで
『ちょ～～くっせ～～ワキガ～～～～エンガチョー～～』
っと、日本語で言って反応をみてみるか？
一瞬、こんなことも脳裏によぎったのですが、
それも一歩間違えば命取りの選択です。
どうしたもんか、、。
こんなことをふつふつと思いつつも、
いよいよクラクラしてきたその時でした。

右隣りのブラックのご夫人がタオルでワキを拭いたのです。

キ、、、キターーーーーーーーーーーーーーーー！！！

タオルキターーーーーーーーーーーーーーーーー！！！

２チャンネラーなら、まずこうさけぶでしょう。
しかしながら、現実は
そんな叫びなどできるはずもありません。

ですが、
これで犯人は分かったのです。

よし、おまえだな。認めたな。現行犯逮捕だ。
心配するな。カツ丼くわしてやるからな。
田舎の両親ないてるぞ。

っと、ありがちな刑事ドラマのセリフをつぶやきつつ、
清々しい気持ちで席を移動するぞ～～～。
っと、席を立とうとした瞬間。
隣りのご夫人のワキガ使用済みタオルが、
アタクシのバッグの留め金にひっかかってしまったのです。

、、、、、、。


ヒーーーーーーーッ、、。
ご、、、ごめんなさ～～～～いーーー。

とにかく、ボールペン壊した～ごときで訴訟になるアメリカです。
謝らなくては、、。
とにかく謝らなくてはと咄嗟に思い、
必死でひたすら謝り倒したのです。
すると、幸いにも
『あら～～いいのよ～～これ古いから～～』
っと、笑ってゆるしてくれたのです。
しかも、バッグの留め金を気にしてくれたのか、
これはお詫びよと、
アイスクリームのクーポン券を頂いてしまったのです。
いい人です。ワキ臭さえなければ間違いなくいい人です。
ですが、クーポン券を頂いた手前、
そそくさと席を移動する訳にもいかず、
アタクシは、そのご夫人とお互いの飼い犬の話をするはめに。

ですが、よもや話をしている中、
いつのまにやらあれほどの強烈なワキガが
不思議と全く気にならなくなっていたのです。

『マヒ状態』がこんなにありがたいと思ったことは
はじめてかもしれません。
人間の奥底に眠る防衛本能とはこういうものなのでしょうか。
ある意味、貴重な体験をしたような気がします。
ワキガよ、、一期一会をありがとう。


＜PC修理費返済までの道程＞

本日の収穫　　アイスクリームクーポン券　
残高　　　　　２０５ドル　据え置き。

明日はアイスクリームを食べるでし。