久々に スポーツクラブで ステップを踏み 使いすぎた膝を労わりながらの帰り道。
駅を降りて団地に向かう途中、段ボール一杯の柚子を売っているおじいさんがいました。
思わず立ち止まって 箱の中を覗き込むと、おじいさんが寄ってきて 話しかけてきました。
「柚子 使うの?」 と。
「えぇ。 この柚子 無農薬というか 低農薬ですか?」 と 尋ねると、
「農薬なんて やっていないよ。 肥料は あげているけどね」 と 変なこときくなって感じで答えてくれました。
「おいくらですか?」 と さらに尋ねると
「3こで100円だよ」
スポーツクラブには クレジットカードと会員証とコイン少々しか 持っていかないことにしているため、
生憎カード入れの中には百円玉一個しか入っていません
時は四時近く、もうすぐ日が暮れます。
「一旦 家に戻ってお財布持ってきますけど、あと30分ほどは ここにいらっしゃる?」と きけば
「いるよ、待っているからね」と言って にっこり笑いました。
急いで 帰り、買い物の準備をして 再び駅方向へ。
おじいさん、私を遠くから見つけて 再びにっこり笑います。
「五百円ほど ください」と言えば、
「柚子 何に使うの? うすーく切って 蜂蜜に漬けておくと おいしいよ」と 袋に選び入れながら 話しかけてきます。
「柚子のママレード作りたいし、柚子風呂にも入りたいし、料理にだって使いたいですよ」 と 私も 思わず正直に答えます。
「ママレードおいしいねぇ。 甘夏で作ったママレードもおいしいよ。柚子味噌作りなさい、 水は使わず 酒を使ってね」 と
おじいさん 柚子味噌の作り方を教えてくれました。
1キロほど離れたところにお住まいとのことでした。
一本の木は 柚子の種から育てて 四十年ほどになる木だとか。
「桃栗三年、柿八年というだろ。柚子がなるのには二十年近くかかったよ
毎日 柚子を薄切りして 砂糖かけて食べているんだ おいしいよ
こっちの大きい柚子は 一本三万五千円もした苗だった。酒飲むの我慢して買ったんだよ」
育てている柚子の木に とても愛情を抱いている様子で 色々とおしゃべりするおじいさんでした。
生産者の顔の見えるものを 食せる時は こころもあったかくなります。
とくに 今回は たっぷり お話聞いたので、 1個使うたびに おじいさんの顔とおしゃべりを思い出しそうです。
それにしても 柚子の苗木 1本3万5千円も するの?
よっぽど 大きく育った苗だったのでしょうね。
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