歩くたんぽぽ

たんぽぽは根っこの太いたくましい花なんです。

俺たちは不用意に暮らしてる

2021年03月11日 | 日記
3.11から10年がたった今日、ラジオは朝から震災の話をしている。

いやがおうでも考える。

当時北関東の大学に通っていて、数日後には私たちの学年の卒業式があった。

私にとっての当時はなんていうことない。

流通が混乱していて食べ物やガソリンが手に入りにくく少し不便だったことと、

テレビがニュースばかりで不安な気持ちになったことをよく覚えている。

それから福島第一原発のメルトダウンに恐れおののいたことと。

卒業して社会構造の変容を横目にのうのうと暮らしてきた。

なんの当事者でもなく積極的にコミットするでもなく、未だ3.11との距離を測りかねている。

今日ラジオを聞いていて思ったのは、

この腹に沈澱しているしこりのようなものは罪悪感に近いのかもしれないということ。

何もしていないこと、悲しむこと、語ることに対する後ろめたさのような。

わからない。

ただ罪悪感を持っている人が少なからずいると聞いて、都合よく共感しただけかもしれない。



GAGLE(ガグル)の『I feel, I will』を聞いて思う。

あの時すでに成人していた私が未来に負う責任は何が何でも生き抜くことなんじゃなかと。

最初の歌詞は先月の2月13日に起きた福島県沖地震の様子を語っている。



ーーーーー

月命日を迎えても お互いに話題に上ることがなくなった
不思議に思う 恥ずかしいほどに湧かない実感が
いやがおうにも 長い年月 思わせるんだ
外に出るのを控えるライフ いつまでかな
そんな最中アラートが鳴る あの日の続き
響く十数秒 呼び起こす記憶のキー 錆びても反応
急な揺れとともに なだれ込んだバレンタインを
子供達は体感した 怖さで眠れず顔は腫れぼったい
大人たちは皆 万が一に追われ 電話の応対

「大丈夫大丈夫」
自分を納得させようとしたけど 体はとうに勘づいて
一瞬の間で 背中に流し込んだ 寒気をゾッと

連絡取り合う マンション 声かけあう
深夜なのに渋滞しちゃう道路
消防 サイレン 頭上ヘリが飛ぶ
停電 知らせるニュース
モニターに駅前の街並みがブレる
帰宅できず 夜は寒く人は戸惑う

混乱してる いつか来ること
わかっているのに 不安と幻想の境目
俺たちは不用意に暮らしてる

ーーーーー

ガツーンとやられた。

私たちは不安と幻想の境目で不用意に暮らしている。

なりふり構わず生きる努力をしろ。

不安に向き合え。



2月13日の地震は東京に住む私ですらどきっとした。

この曲を聴いて10年前から東北に住む人にとっての震度6強の現実を垣間見た気がした。

ガグルは地震を「地球のビート」と言い表す。

地震大国で生きていくということは、地震とともに生きていくということ。

悪意のない災害という自然現象だ。



前々から首都直下型地震や南海トラフ地震が起こるといわれている。

確実に来るらしい。

でもきっと多くの人が何一つ準備していない。

不安と幻想の境目で不用意に暮らしている。

もうそれじゃあだめだ、私たちは何が何でも生き抜かなければならない。

何から始めればいいのかわからないけれど、ちょっと真面目に学ぼうと思う。

それが何になるのかわからない。

無駄に終わればその方がいい。

図太く生きるということに向き合おう。
コメント
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