和納中37年入学

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年取り魚 鮭

2013-12-25 10:33:17 | 日記
暮れも近づいて新潟の北端、村上の親戚から今年も塩引鮭が来ました。


村上藩士青砥武平次(あおとぶへいじ)が回帰する鮭を保護する「種川の制度」を設けて三面川の鮭漁は藩を潤してきたと栞にあります。
歴史に残る世界初の鮭保護事業です。



村上は城下町。塩引の腹を完全に開かず「止め腹」といって一箇所包丁を止めてあるのは「切腹」を連想するのを嫌っての事といわれます。



2012.2月 かの吉永小百合「大人の休日」ポスターでお馴染み「喜っ川」に吊るされた塩引鮭たちを見ました。。
通常魚を干す時はウロコの向きに逆らわず、頭を上に吊るしますが、村上の鮭はしっぽを吊るされています。
「首吊り」を嫌ってのこと、また殿様に対して頭が高いからとも言われていますが城下町のこだわりは鮭にまでやかましいのです。

塩漬け冷凍のいわゆる新巻鮭と違い、村上の塩引鮭は一匹ずつウロコを逆撫でて塩を擦り込み1週間ほど馴染ませたあと、表面の塩を流して塩水に浸けるのが特長とされます。仕上げは1週間~2週間、冬の季節風による寒風干しで低温発酵を促すところに生鮭にはない旨味が生み出されるのでしょう。


塩引き鮭を1年がかりで乾燥発酵させて造る「鮭の酒びたし」と「酒びたしの皮」は噛めば噛むほどの絶品だと思います。





出刃を研いで3枚におろします。
切り口きれいに切りたかったのですが・・なかなか手ごわい塩引です。


 
大晦日の年取りには家族6人揃って鮭を食べて歳暮を祝いますが、普段は4人で食べきれないほどの塩引鮭です。
頭と中骨、ヒレに尻尾は大根と煮込んで粕汁に最高です。2袋あります。


 
大晦日まで冷凍室で保存です。





「北海の鮭あり厨(クリヤ)貧ならず」子規


塩引鮭が吊るされた厨房に、焼いた切り身や鍋料理を想像したろう病床六尺にあっても食べ物にうるさい子規が見えるようです。
頭からしっぽ、骨から内蔵まで一匹まるまる鮭の食文化が城下町村上にあります。
加島屋鮭茶漬けはご飯が進んで困りものですが、余り物の鮭の切り身に焦げ目の付いた皮が入った雑炊はシンプルそのもの。好物の一つです。皮は旨い!




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