飯干晃一の「仁義なき戦い」は美能幸三の文章が面白く、特にヤクザ同士の会話が秀逸である。そんな文章は普通の人に書けるとは思えない。美能はありとあらゆる日本や海外の小説やノンフィクションを読みふけって、それを身に付けたのであろう。飯干晃一は美能幸三がインテリだと知っていたはずだが、全くそれには触れていない。ヤクザを解説する知識人の立場を守るのに邪魔だったからだろう。
美能幸三は狂暴な知能犯でもある。彼が人を刺す時には太ももを狙う。腹だと命にかかわる場合があるが、太ももならまず死なない。一度刺したら相手がくしやっと縮んだので、ついでだからもう片方も刺したなんて平気で述べている。
恐ろしいインテリヤクザである。
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