中村正直の「頑張れプロ野球」

ベテラン野球記者の本音ブログです。

虎今季初勝利、まずはめでたし

2008-02-23 18:49:30 | Weblog
 岡田阪神が“今季の連敗”を「3」で止めた。安芸で行われたオリックスとのオープン戦初戦を快勝。沖縄での練習試合で3連敗を喫していたから、どうなることやらと思っていたが、最初の試合でスッと勝った。相手が若手主体だったからとか、先発・金子に2安打無得点に抑えられたとか、そんなことはどうでもいいのだ。「最初の試合に勝った」という事実が大切。昨年は、このオリックスに安芸、高知で連敗し、結局一度もオープン戦で勝てないまま、公式戦に突入。その公式戦でも1つ勝つのがやっとで、苦手にしてしまった。その意味でも、一発目のオリックスに勝つ―のは、3年ぶりV奪回への絶対条件であった。と、勝手に思っている。

 赤星が打って、新井も打って、今岡も打った。これに桜井が絡んでいれば打線はめでたし、となるのだが、そううまくはいかない。全体的な「波」とすれば、開幕直前に大きなうねりが来ればそれでよし。3月の半ばまでは、どんなに打てなくても心配することはない。主力打者がケガさえしなければいいのだ。中日・森野のような状態になることだけが、一番怖いのである。

 そんなこんなのオープン戦初戦。勝ったのはめでたいのだけど、やっぱり一つくらいは文句を言っておかねばなるまい。この試合でマウンドに上がった投手の中で、一番注目していたのが、岩田、ではなく、4番手で投げた鶴だった。プロ3年目の本格派右腕。熱心な阪神ファンならご存じだろう。去年の秋季キャンプで、2日目かそこらで「ろっこつの疲労骨折」でリタイヤした、あの子だ。ルーキーイヤーからとにかく故障が多く、2軍でも試合に登板できていない。それが、この試合で投げるというから、ちょぴり期待して見た。結果は、1回を2安打2四球2失点だったのだが、そんな数字は別にいい。入団当時評判だった「キレのいい真っ直ぐ」さえ見せてくれれば…。だが、見せてくれなかった。
 
 緊張もしたのだろう。それは分かる。でもなあ、甲子園の大観衆の前で快刀乱麻の投球をする投手なら、何か光るものを見せるはずだ。残念ながら、このおっさん記者には見えなかった。他の人には見えたかもしれないから、あまり多くを書かないことにする。次の登板に期待しようか。

 あした(24日)の先発は正田らしい。オリックスの主力打者も出るみたいだから、目を見開いて見ることにする。「連勝」を見届け、大阪へ戻ろう。