大工風の道

仮設住宅ってわけでもないけれど、
ま、しばらくここで様子みようっと。

かねかし

2006年10月04日 | 文化
借りた金を返しに彼女を訪ねた。
その場所で、彼女は待っていてくれた。

俺が相談したとき、彼女は快く金を貸してくれた。
そんな親しい仲じゃないし、彼女も俺の身の上をどれだけ知っているというのだ。
決して馬鹿な女じゃあないだろう。でも、もし返せなかったら、どうするつもりだ。
「信じた私がいけなかった…」と泣くつもりだったのか?

しかし、男として当然のことだ。借りたものは返す。
そんな身勝手な男じゃない。

でも俺の仕事、こんなだから…。

あえて余分なことは話さないほうが、それがせめてもの思いやりってもんだ。
とにかく返したんだから。
「おまえんところも大変だろう。もうすぐ親方からも見はなされて、自分で生きていかないといけないんだよな」。
心の中でつぶやく。

「こんど俺が困ったとき、また無理言えるのか??」

つくり笑顔か?
彼女は、それでも笑っている。
やめてくれ、辛くなるじゃないか…。



簡易保険担保の一時しのぎの運転資金を返し、民営化秒読みの郵便局の駐車場からそそくさと立ち去った。
あほな妄想をしながら…。

あ、そうだトリのムネ肉とハチミツ買って帰ろ!