大事小事―米島勉日記

日常起きる小さな出来事は,ひょっとして大きな出来事の前兆かも知れません。小さな出来事に目を配ることが大切と思います。

地球温暖化―NHK教育テレビのねつ造

2007年06月06日 19時29分13秒 | Weblog
 見たところ20㎝ほどの地球儀が中心に吊り下げられた,直径50㎝程度の透明なプラスチックのボールが2個,天井から吊り下げてあります。2つのボールの間は50㎝ほど離れており,少し上にホワイトボールのような電球が吊り下げてあります。つまり,電球の光は等分に2つのボールの中の地球儀表面を照らすようになっています。電球は,ただの白熱球のようで,赤外線ランプとか遠赤外線パネルのようには見えません。
 2つのボールの1つに,炭酸ガス(二酸化炭素)と説明しながらエアゾル缶からガスを注入しました。量は明らかにされていません。ノズルからわずかに煙が出ていました。全くの目分量のようで,見たところ1,2秒注入したようです。これで準備終了です。
 上に吊り下げたランプを点灯して数分後(ナレーターはストップウォッチを見せて,4分50秒程度と云っていたようです),二酸化炭素を注入したとするボールの中の地球儀の温度は,二酸化炭素を注入しなかった地球儀よりも2℃(たしか,2.4℃程度とのナレーション)上昇した,とディジタル温度計を示しながら説明していました。要するに,二酸化炭素の地球温暖化に対する影響の恐ろしさを示した,と主張するのです。
 これが,数週間前にNHK教育テレビで放映された,中学あるいは高校生向けの環境問題の番組でした。
 この「実験」には大きな疑問があります。まず,上に取り付けたランプがただのランプなのか赤外線ランプなのか,ということです。長年赤外線乾燥技術に取り組んできた経験からして,ただのホワイトボールのように見えました。つぎに,炭酸ガスと称して注入したエアゾルガスが本当に炭酸ガスで,量はどれくらいだったのかが全く説明されなかったことです。もっともこれは実験結果にあまり影響しないはずです。さらに,温度計は中の地球儀の表面に貼り付けたのか,離して取り付けたのか,です。これは大きな問題です。
 上記の疑問が解明されなくとも,この実験は明らかに不自然です。現在問題とされている地球温暖化ガスとしての二酸化炭素の効果は,文字通り温室効果であって,太陽から地球に降り注いだ熱線が地球表面で反射されて上空に放射されたときに,ちょうど温室のように熱線を閉じこめてしまうことです。ここにあげた実験のように,地球外部から照射される熱線が直接地球表面を暖める現象ではありません。つまり,この「実験装置」は地球温暖化のモデルとはなり得ません。さらに,もしこの実験のような現象が本当に起こったとしたら,地表の動植物はたちまちのうちに枯死,あるしは焼け死んでしまうでしょう。放射熱は物体表面温度を指数的に上昇させてしまうからです。それにしても,4分程度の照射で2℃以上の上昇など,遠赤外線パネルを表面から20センチ離して黒色の物体表面に照射しない限り再現できないくらいの現象です。輻射熱の測定では,温度センサー先端の色さえも結果に影響します。データのねつ造としか考えられません。
 NHKがなんと弁解するか知れませんが,教育上のデモンストレーションだとの弁解は通用しません。全く見当違いのねつ造「ショウ」だからです。
 教育テレビという,それほど一般の人の視聴率が高くないチャンネルで,人知れずこんな無責任で恣意的な映像が放映されているのです。
 純真な児童生徒に,こんな虚像を見せて誤った知識を与えるべきではありません。全く違う分野ですが,「女性国際戦犯法廷」などという荒唐無稽な番組を放映して,安倍総理,中川政調会長を巻き込んだ騒ぎを引き起こしたのもNHK教育テレビです。普通の人があまり見ないチャンネルで,想像もできないことが起こっています。NHKには,なにか隠された意図があるのかも知れません。NHK教育テレビを監視していく必要があります。