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『受験のシンデレラ』小説版も読みました

2008-04-05 12:38:55 | 本・コミック・かってに配役
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受験のシンデレラ
(小学館文庫 わ 8-1)
和田 秀樹/小学館
先日,映画『受験のシンデレラ』を見て,存分に堪能した旨Upいたしましたが,このほど小説版も読みました。

一言でこの本の印象をいいますと
「スキのない小説」
という感じでした。

映画で見たときの粗さというか浮世離れした描写,
「あれ?どうなってるの?」
「そんなんありか?」という点,
「あの後どうなったんだろう…?」
と割愛されている部分に対して,ことごとく答えが示されてるんです。

真紀と母親の家庭環境,
五十嵐をとりまく人間関係といった
登場人物の過去・背景がしっかり描き込まれていて
彼らのとっぴともいえるいくつかの行動の理由も
しっかり説明されていますし,場面や設定も
若干リアルな形に変更されています。

たとえばあのつぶれかけのブティック,
映画より小説のほうがもっと酷い状況なんですよ。
でも生活としてはちゃんと成立するんですよ。
なんというビジネスモデル!なんという外道な母!

2人の再会シーン,設定変更してるんですが,
五十嵐のうろたえぶりに,和田先生も映画のベースから
足が離れて「やっちゃって大丈夫かな…」という不安ぶり?
が感じられるのは私だけ?


映画と小説の両者を比べてみると,
映画はヒロイン真紀を中心に描いたシンプルできれいな物語,
小説は,和田秀樹先生の分身である五十嵐の目線で描かれた
真紀や読者への熱いメッセージといった感じですね。

完璧を求めたというか,とにかく理屈が合わないのは
納得いかないという感じで,物語に出てくるすべての事柄に
説明がついているんです。

子どもじゃあるまいしなんであの歳・20万円ぽっちで婚約よ?
もう入院患者が亡くなったのに病室に荷物が置いたままってありなん?
五十嵐の遺産はどうなるの?
などなど。
あまりきっちり書き込まれてるんで,
「灘でこんないじめあるの?」とか新たな疑問もわいてしまったりしますがw

とにかく,映画の脚本をベースに書かれたとはいえ,
初小説とは思えない,読みやすくて気持ちの入る作品です。
映画に出てこない場面でも(ある意味映画以上に)情景が
いきいきと浮かんでくる,行き届いた描写の質が
最初から最後まで落ちない,著者の熱が伝わる力作です。

読む人によってはディテールにこだわりすぎて説明くさく
感じるかな(女性とか?)…でも松本清張作品とか
山崎豊子作品とかもこんな感じじゃないですかねぇ。

映画の上映がない地域のかたは
ぜひこちらから読んでもらえればと思いますが
首都圏の方は映画からにするかまず手軽に手に取れる小説からか
(文庫本なので1冊税込540円)という点も気になるところ。

私は,映画を見て,映像の中で描かれていない部分に
イメージを膨らませてから小説を読んだので,
種明かしみたいな感じで楽しめてよかったです。
「原作→映画化」という形じゃないんで結構内容は忠実。
でもクライマックスのシーンは,小説版を読んだ後でも
あの映像の放つ力は十分感じられると思いますよ。

それにしても…
おい!本屋!どこ行っても全然『受験のシンデレラ』
置いてねぇじゃねえか!!
今上映中なんだからちゃんと売れよ!
小学館も,一体何部刷ったんだよ?!全然出回ってねぇぞ!
取次もちゃんと配本してんのか?!
『バ●テリー』とか『チームバ●スタ』の隣あたりに
並べておいてくれよ…。


『人生に無駄はない』なんかが何冊分も平置きされてるのを
見るとがっかりしますわ…。


和田秀樹 初監督作品『受験のシンデレラ』公式サイト
http://www.juken-movie.com/


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病気腎移植問題で思うこと(2007-02-06)

鬼畜。 子ども遺体サイト変態教師(2006-12-03)

紳助会見,和田秀樹先生も同じ見解(04/11/21)

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