うむ,期待どおり!見応えのある映画でした。
原作コミック,読んでました!でも,連載終了から10年も経ってるだけに,ストーリー全然覚えていません!しかし,禿でヒゲ面,ぎょろ目のおっさんが主人公なのに,すごくかっこよく,弱い者が強者を撃退する物語の面白さにいつもワクワクしながら読んでいた記憶は残っています。
そのため,今回の試写会が当たったときも,この原作に惚れたジェイコブ・チャン監督率いるスタッフが超豪華キャストで制作するとあって絶対面白いものになるだろうと非情に楽しみにしておりました。TVCMの予告もなかなかキャッチーな戦闘アクションでしたし(かつ,本編のストーリー上はほんの一部でしかないところが素晴らしい。瞬間的に切り取って目を引くようなシーンよりもじっくり経過を眺めさせて引きつける場面がほとんどのウエイトを占めているんですね)。
で,期待にたがわず素晴らしい映画でした。
■あらすじ■紀元前4世紀,中国は戦国時代にあった。趙(ちょう)と燕(えん)の国境にある人口4千の梁(りょう)城。燕侵攻に動き出した趙10万の大軍に襲われる危機が迫っていた。名将の誉れ高い巷淹中率いる趙軍に対する唯一の頼みの綱として,墨家に救援を求めていたが,間に合いそうもなく,梁王は降伏を決断。降伏の使者を発した直後,入れ違いに現れたのは粗末な身なりをした男・革離。彼は城に迫った趙の先遣隊を前にしても動じず,射程距離を伸ばす細工を施した矢1本で先遣隊を撤収させた。革離は,降伏して生き延びても未来はないと梁の人々を説得,1か月守りきれば趙は撤退するはずだと梁王に訴える…
あんまりストーリーについて書いても
これから映画を見る方に役立ちそうもありませんので,
人物中心に簡単にコメントをば…
■おもな登場人物■
革離[かくり](アンディ・ラウ)
…証拠の品もなしに1人で梁に現れた墨家の男(墨家は救援部隊を
送ることをしないと決めたため独断でやって来た)。
兵を率いた経験も籠城の経験もないというが,梁軍の指揮権を与えられ
巧みな戦術と卓越した指導力,そして人並み外れた潔癖さで
梁の軍隊,そして住民たちを1つに束ね趙の大軍に立ち向かう。
巷淹中[こうえんちゅう]将軍(アン・ソンギ<韓>)
…沈着冷静・百戦錬磨の誇り高き趙軍10万人の総司令官。
敵であっても大軍に負けない戦いを演じる革離に敬意を示す。
梁[りょう]王(ワン・チーウェン<中>)
…強い者の前ではとことん弱い,統治力も軍事能力もないヘタレ王。
しかしパワーバランスの見極めと,自分の地位を守るための判断力,
それを迷いなく実行に移せる非情なまでの決断力にかけては敏。
逸悦(ファン・ビンビン<中>)
…女性にして近衛師団の将。頼もしい上に義や情に厚く無欲な革離に惚れ
高貴な身分の象徴である近衛団の立場もお構いなしに家畜の糞を集める
などの任務を率先して買ってでる。
梁適(チェ・シウォン<韓>)
…梁の若君。兵法も武術も優秀で,それだけにプライドが甚だしく高く,
当初は革離の采配に反発もしたが,次第に敵味方や身分の分け隔てなく
人の命を大切にする革離の考えに共感を覚えるようになる。
子団(ウー・チーロン<台>)
…若き弓の名手。革離によって弓隊の長に抜擢される。
牛将軍
…梁王の忠実な幹部。己のメンツにこだわることなく,
革離の実力や人柄も認めていたのだが…。
高賀用
…趙軍先遣隊隊長。
逃亡民たち
…戦を恐れて梁を脱出するが趙軍に捕らえられ,
妻や子を人質に獲られた上で革離を暗殺すべく梁に送り返される。
奴隷
…趙のトンネル作戦で兵より先に梁に侵入させられる。
梁民になぶり殺しにされそうになるが革離に命を救われる。
で,こういった人々が織りなすドラマ,
一言で言って,カッコ苦い。
これはどういうことかというと,
まずアンディ版の革離は原作のようなオッサンじゃないんで
渋いまではいかないけど,人間的魅力も十二分に演じられていて
文句なしにかっこいい。
若君や子団といったイケメンに美人すぎる逸悦も素敵で
すごく惹きつけられます。
※今回の試写会も例によってオバサン~シルバーレディが半分強で,
題材が古代中国の戦争物だけにじいさんが2割・学生くらいの若い女性1割・
その他1割といった構成でしたが,若い女性にも結構おすすめかも。
作中,かなり色々と局面が動きますが,ストーリーはわかりやすく
予備知識など特になくても大丈夫です。
革離の奇策や的確な指示のもと,
小さな梁城の人々が一致団結して大軍を撃退するド派手な戦闘シーンも
編隊の動きや1人1人の戦闘がリアルで圧巻,
カタルシス満点・見応え120%です。
※まぁ熱気球部隊が出てきたり(モンゴルフィエ兄弟より
2千年早ぇよ!民明書房かよ!)とか,奴隷,ちょ…黒人…とか,
逸悦ちゃんの出てくるところだけ異様にアイドル映画してたりとか
突っ込もうと思えばツッコミ所満載ですが。
しかし,その後に残るものは…苦いんですよ。
強い者が勝つとは限らない
まじめで優秀な者,よく働いて結果を残した者が報われるとは限らない
戦争に勝っても幸せになれるわけではない
味方だけでなく敵である趙の兵も同じ人間。
殺せば勝ち,敵を殺せば殺すほどいいという考えではいけない
という革離の思想が徐々に周りの人々に影響を与えていくのですが,
それですばらしい世の中がつくられていくかといえば
やってくる現実は,あまりにも苦い。
ふたこと目には「兼愛」を唱え,私利私欲を離れてすべての人間の幸せを
願うべきだという革離が「愛」に目覚めるのかという点も,
観客にとっては1つの興味をひくポイントになるのですが,
その結末についても,あまりにも切なく苦い。
CGに頼らず圧倒的人数を動員して撮影された戦闘シーンも
生の迫力もさることながら,兵の1人1人が故郷もあれば家族もいる
人間だという息づかいを感じさせるという点で大きな意味があったと思います。
終盤になって,敵将ながらあまりにも正々堂々・尊敬すべき人間性を
見せるカリスマ・巷将軍や,彼と運命をともにしようとする趙の将軍,
巷将軍の命だからと傷ついた彼を無理やり連れて退却する趙の兵たち,と,
敵サイドがすごく人間味のある描かれ方をされているのが
ハリウッドのアメリカヨイ国エライ国的作品とはまるで次元の違う,
味というか深みをもたせていると思います。
というわけで,要するに,超オススメ。
いろんな側面があるんで,私1人が評価するにしてもいくらでも違った
見方ができてしまう以上,点数とか星の数で表すのはよーせんのですが,
『墨攻』については私の満足度という点で,5点満点で星5つ!
映画『墨攻』公式サイト
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墨攻 (1)森 秀樹(画), 酒見 賢一(作)/小学館 |
そのため,今回の試写会が当たったときも,この原作に惚れたジェイコブ・チャン監督率いるスタッフが超豪華キャストで制作するとあって絶対面白いものになるだろうと非情に楽しみにしておりました。TVCMの予告もなかなかキャッチーな戦闘アクションでしたし(かつ,本編のストーリー上はほんの一部でしかないところが素晴らしい。瞬間的に切り取って目を引くようなシーンよりもじっくり経過を眺めさせて引きつける場面がほとんどのウエイトを占めているんですね)。
で,期待にたがわず素晴らしい映画でした。
■あらすじ■紀元前4世紀,中国は戦国時代にあった。趙(ちょう)と燕(えん)の国境にある人口4千の梁(りょう)城。燕侵攻に動き出した趙10万の大軍に襲われる危機が迫っていた。名将の誉れ高い巷淹中率いる趙軍に対する唯一の頼みの綱として,墨家に救援を求めていたが,間に合いそうもなく,梁王は降伏を決断。降伏の使者を発した直後,入れ違いに現れたのは粗末な身なりをした男・革離。彼は城に迫った趙の先遣隊を前にしても動じず,射程距離を伸ばす細工を施した矢1本で先遣隊を撤収させた。革離は,降伏して生き延びても未来はないと梁の人々を説得,1か月守りきれば趙は撤退するはずだと梁王に訴える…
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兵を率いた経験も籠城の経験もないというが,梁軍の指揮権を与えられ
巧みな戦術と卓越した指導力,そして人並み外れた潔癖さで
梁の軍隊,そして住民たちを1つに束ね趙の大軍に立ち向かう。
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敵であっても大軍に負けない戦いを演じる革離に敬意を示す。
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しかしパワーバランスの見極めと,自分の地位を守るための判断力,
それを迷いなく実行に移せる非情なまでの決断力にかけては敏。
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…梁の若君。兵法も武術も優秀で,それだけにプライドが甚だしく高く,
当初は革離の采配に反発もしたが,次第に敵味方や身分の分け隔てなく
人の命を大切にする革離の考えに共感を覚えるようになる。
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…若き弓の名手。革離によって弓隊の長に抜擢される。
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…戦を恐れて梁を脱出するが趙軍に捕らえられ,
妻や子を人質に獲られた上で革離を暗殺すべく梁に送り返される。
奴隷
…趙のトンネル作戦で兵より先に梁に侵入させられる。
梁民になぶり殺しにされそうになるが革離に命を救われる。
で,こういった人々が織りなすドラマ,
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やってくる現実は,あまりにも苦い。
ふたこと目には「兼愛」を唱え,私利私欲を離れてすべての人間の幸せを
願うべきだという革離が「愛」に目覚めるのかという点も,
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その結末についても,あまりにも切なく苦い。
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