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冤罪系事件(富山・御殿場)明暗

2007-08-23 20:18:01 | 政治・事件
明暗といっても,もともと無実だったのが
真犯人が出現しなけりゃどうなってたかわからない状況まで追い込まれ
ようやく「求刑:無罪」という形で裁判(地裁再審)が結審して
顔出し・実名報道解禁まで至ったというだけでひとつも「明」じゃない,
闇から薄明かりの光を取り戻したってだけの話なんですけどね。

検察側が男性の無罪求める=富山再審第3回公判-地裁高岡支部
2007年8月22日(水)18:42 (時事通信- goo ニュース)
女性暴行事件で富山県警に誤認逮捕され、実刑判決を受け服役後、無実と判明した柳原浩さん(40)の再審第3回公判が22日午後、富山地裁高岡支部(藤田敏裁判長)で開かれた。検察側は論告で、「提出した証拠から被告人の無罪は明らか」と述べ、無罪を求めた。公判は結審し、判決期日は10月10日に指定された。
 柳原さんは最終陳述で、最高検が今月、今回の冤罪(えんざい)事件などの検証結果と再発防止策を公表したことを受けて、「最高検は口だけでなく、実行に移してもらいたい」と述べた。
 弁護側は最終弁論で「捜査機関は有力な証拠が存在しない半面、被告人にアリバイがある可能性が高いことを認識しながら無辜(むこ)の被告人を犯人に仕立て上げた」と指摘。その上で、「自白にほぼ全面的に依存してなされた原判決は破棄を免れない」と無罪を主張した。 

検察は再発防止策実行を 富山の冤罪事件で、柳原さん(共同通信) - goo ニュース
富山の冤罪男性、検察が「無罪」求刑 10月判決(朝日新聞)

「暗」のほうは…すさまじく暗ですね…。

静岡の強姦未遂、元少年4人に2審も実刑 少女証言認める
2007年8月23日(木)03:21
 静岡県御殿場市で平成13年、当時15歳の少女を集団で乱暴しようとしたとして、強姦未遂罪に問われた22~23歳の元少年4被告の控訴審判決公判が22日、東京高裁で開かれた。中川武隆裁判長は、4被告とも懲役2年の実刑とした1審静岡地裁沼津支部判決を破棄、4被告に懲役1年6月の実刑を言い渡した。4被告とも無罪を主張しており、即日上告した。

 事件は、検察側が当初、13年9月16日の犯行として起訴したが、被害者の少女が1審公判中に「本当の犯行日は1週間前」と証言を翻し、変更するという異例の展開をたどった。4被告は捜査段階で変更前の犯行日で罪を自白し、公判では否認している。
 このため、少女の証言と、捜査段階の4被告の自白の信用性が争点となった。
 中川裁判長は「被害にあった日を除きほぼ一貫しており、内容も具体的で自然」と述べ、少女の証言の信用性を認めた。捜査段階の4被告の自白については「犯行日以外は十分に信用でき、相互に補強しあう」と判断。4被告とも有罪とした。
 その上で、中川裁判長は、少女の被害申告に問題があったなどとして減刑した。

 判決によると、4被告は13年9月9日夜、他の元少年6人と共謀し、静岡県御殿場市の公園で少女に乱暴しようとした。

少女の証言に問題があるから一審から6ヶ月減刑ですってよ。

この再審判決に絡んで,昨日は
御殿場事件の高橋祥子裁判長は即刻法曹界を去れ!(2005-12-20)
に多数のアクセスをいただきました(gooブログ46位)。
私の記事タイトルこそ裁判官糾弾ですが,
やはり検察・警察・裁判所の捜査(操作)・審理に
構造的な問題が潜んでいることが明らかになりました…。

テレビでは今朝の日テレしか見てないんですけど,
被告の実名顔出しインタビューを放映して,学者や元警察サイドの
見解で捜査のずさんさを指摘するなど,被告側に立った報道の
ように見えながら,アナウンサーが読み上げる記事の中では
すべて「強姦未遂事件」と,事件が存在したことは認めている形に
なっていたのに非常に違和感を感じました。
冤罪ベースの見方で報道するなら「強姦未遂があったとされる裁判」などといった
言い方でないと矛盾するのでは?それとも他に真犯人がいると?
ふつうアナウンス原稿とビデオ編集する人は同じか相互チェックする
でしょうに…マスコミの人って,全国ネットのテレビ局でも
皆こんなにバカなんですか?

日テレって,被告(容疑者の)の顔出し証言では
自動車の当て逃げ事件で被害者が車載カメラの映像をネットにUpして
2ちゃんで祭りになり,職場への電話攻勢などで被害を受けたという
男性が「ネット社会の犠牲者」という立場で「ニュースZERO」に
登場し,その後,やはり犯人でしたと逮捕されるという
赤っ恥報道の前歴を残したばかりなんで,
被告にとってはマジで験が悪いのかも。


この御殿場事件に関しては,私は
有罪判決どころか公判の維持・成立自体ありえないという視点から
被告の無罪を主張しているわけです。
例えば,『ザ・スクープ』が検証したみたいに,当日大雨の中,公園のど真ん中で
集団で1人の少女を襲ったことになり,かなり起こりにくい状況,
しかも未遂で終わっている,
当然濡れたり破れたりするはずの服が証拠として存在しない,
という点を考えただけでも,検察側がきちんと立証する責任があり,
それをいい加減に扱っては(「気象庁のデータはそうかもしれないが,
この公園で雨が全く降らなかったということもあり得る」という具合に)
事件の存在自体を認める判決は出せないはずなのですが。

一方で,
・なぜ被告らが容疑者として特定されたのか
 疑われた理由
およびそれに関連して
・被告たちと少女との関係(それによっては,「犯行」の動機・理由
 や「事件」経緯の不自然さの説明になり得る)

について,突っ込んで具体的に知っておかないと,
この「事件」について強く語る資格はないとも思っており
前エントリーみたいな一方的な書き方は,今回は控えます。

むちゃくちゃすぎて,私としても「ああこういう筋書き・理由付けで
事件は存在したということにしたわけね」という理由が欲しいんですよね。
なぜこんな物的証拠なし証言オンリーのずさんな起訴が認定されたのか
司法への不信は当然として,ただ底知れない不可解さだけが残る
今の状況が気持ち悪すぎて…

一方で,「被告らがやったのは間違いない・実刑ザマーミロ」という
見方の人間も存在するんですよね…。

某傍聴ブログでは私の知らない捜査初期の経緯も把握していて
有罪の結論で犯行のシナリオもきっちり示しているようなんですが
突っ込んで読みたくないんですよね…。
そのブログの持つ空気というか,管理人のスタンスが極端で,
傍聴して目にした犯罪被告人の言動をあげつらい人間性を貶める記述で
びっしり埋め尽くされていて,あまり長時間開いてると毒に当てられて
しまいそうで深く立ち入れないんですよね。

御殿場事件に関してはブログ内関連記事のリンクも示してないし
検索でもうまくヒットしないから,調べようと思ったら膨大な
毒だらけのエントリーの中を探さないといけない。
それを読み込んでコメント欄に意見を書き込んでおられる人も
ちゃんといるんですけど,
訪問者のコメントに対する管理人の回答を読むとまた気持ちが悪く…

被害者の証言がこの程度変わるのは全く問題ないとか
有罪で争っていない共犯者がいるのが有罪の証拠だとか
狂言呼ばわりされる少女の心の傷に比べれば,被告が
無実を求めて争う精神的・物的負担など屁みたいなものだとか
刑事の証言は,嘘をついても何の得にもならないのだから確実な証拠だとか

賛同する人にも反論者にも一方的に自分の主張を繰り返すばかりで,
反論されると二言目には自分は情報を持っているから
テレビに踊らされているだけの冤罪論者より正しいとか
(法的に怪しい発言…完全に「疑わしきは罰せず」の逆をいく主張や
相手の発言を犯罪行為だと罵るコメント…の根拠を問われると)自分で調べろとか。
もう説明は済んでいる・これで判らないバカには何を書いても無駄だとか
敵に回して議論をしたらこちらも悪意に侵食されて
荒んだ心になってしまいそうな言葉の嵐。
訪問者として相手を立てた口調でコメントすると居丈高に振る舞い
都合の悪い質問や指摘についてはそのものを否定して無視するんで
一度強く本音(社交辞令を真に受けて調子に乗るな)を書いたところ
削除(コメント不承認)されましたw

■悪を憎む気持ちは誰もが持っていて当たり前なわけで
何が善(必要とされること)で何が悪(否定されるべきこと)なのか
簡単に考えすぎなんじゃないのかな…。
社会的に注目されている事件にもかかわらず,
司法に対する信頼とかお構いなしに実刑の有罪判決まで持ち込む人たちって,
教養課程の法律学の段階で単位を落とすレベルの判断と思うのですが
司法研修で何を教わってるんでしょうか?
裁判員制度が始まればどうにかなるという話ではなく,
今の法曹界,非常に根深い構造的な問題を抱えているように思います。


3人の死刑を執行 長勢法相命令、計10人に(共同通信) - goo ニュース 2007年8月23日(木)
 ※法律上は死刑囚が100人前後もいるのが異常事態で,粛々と執行を勧めるのが
  法相としての正しい務めなのですけど,一方であからさまな誤審・冤罪が
  あるという現実は…恐ろしい話です。

無罪の元被告らが国賠提訴へ 鹿児島の公選法違反事件(共同通信) - goo ニュース 2007年8月23日(木)

小指と切断場面DVD、自民党本部に…靖国不参拝に抗議(読売新聞) - goo ニュース 2007年8月23日(木)
 ※「抗議文を作ったものの、それだけでは相手にされないと思った」
  エセ右翼…?というより,バカウヨクか。

長野智子blog 8/23「御殿場事件・判決の矛盾」

こんなにある20世紀の冤罪事件(FUKUSHI's Web Page)

■関連記事
袴田事件の裁判官・狂った裁判官・裁判官のお言葉集(2007-06-26)

チューリップおばさんと岡田監督に一言言っておく(2007-05-10)

検察はふつうに冤罪やってます(2007-02-23)

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なんなんだ日本の刑事司法は?!東住吉火災裁判(2006-05-15)

御殿場事件の高橋祥子裁判長は即刻法曹界を去れ!(2005-12-20)
 ※実は一審判決の時点で既に円満定年退官されていたようです。

ザ・スクープSPECIAL『御殿場事件』第3弾ほか(2008-03-09)

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