CYCLINGFAN!!

自転車をこよなく愛し、自分の脚と熱いハートで幾つになっても、可能な限り、どこまでも走り続けます~♪

ポガチャルのWツール制覇を考える(1)

2024-06-23 15:28:12 | ツール・ド・フランス
 いよいよ来週末からツール・ド・フランスが開幕します。注目はなんといってもパンターニ以来のジロとツールのWツール制覇がかかるポガチャルの走りでしょう。2020年に彗星のように現れた若きタディ・ポガチャルが初めてのツール・ド・フランス参戦でマイヨジョーヌを勝ち取ったのです。翌年も連覇し怪物と呼ばれるようになりました。

 2022年はユンボ・ヴィスマが強力な布陣で、ヨナス・ヴィンケゴーがポガチャルからマイヨジョーヌを奪い取ってしまいます。遅咲きのヴィンケゴーは、ポガチャルが総合優勝したツール・ド・ラヴニールで、区間2勝していたのですが、その後も目立った成績を残していませんでした。ポガチャルが連覇した2021年に総合2位と頭角を現すと、この年のユンボは完全なポガチャル包囲網でマイヨジョーヌを獲得します。

 前年は戦線離脱したトム・デュムランに代わり急遽初出場し、エースのプリモシュ・ログリッジのアシストのひとりでしかなかったのですが、彼の負傷離脱で巡って来た代役エースで総合2位と頭角を現します。4年前まで魚市場で働きながらトレーニングに勤しんでいた1996年生まれの25歳が、2度目のツール参戦で、シャンゼリゼの表彰台のてっぺんに立ったのです。
 2021年には5分以上のタイム差を付けられていたヴィンケゴーが、よもやポガチャルを破ってしまうとは誰も予想していませんでした。誰もがポガチャルの3連覇を確信していたのですから。第6ステージの登りスプリントを征し、ポガチャルがマイヨジョーヌを獲得した時は、これで最後までマイヨジョーヌはポガチャルの物になると思っていました。

 それが、最初の超級山岳ステージ(第11ステージ)でユンボ・ヴィスマが猛攻を仕掛けポガチャルを振り落とすことに成功し、ヴィンゲゴーが自身初のステージ優勝を飾ると共にマイヨジョーヌに袖を通すことになったのです。このステージでヴィンケゴーに3分近い差を付けられたポガチャルはその後標高の高い山岳が苦手だと思われるようになってしまいます。

 ただ、これはガリビエ峠でヴィンケゴーとログリッジの度重なるアタックに反応せざるを得なかったポガチャルに最後のグラノン峠を登る脚が残っていなかったためだと私は考えています。ログリッジは翌年のジロ・デ・イタリアを優勝する選手ですから、二人のエースに一人で立ち向かうのは流石のポガチャルでも無理があったようです。連覇中のポガチャルには過信があったのかもしれません。
 



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シブコ復活の狼煙(9)

2024-06-23 09:51:40 | 渋野日向子
 KPMG全米女子プロ選手権の決勝ラウンドが始まりました。今朝も3時起きです。改めてシブコの2日目のスタッツを調べてみると平均飛距離249ヤード、フェアウェイキープ率8/14で57.1%、パーオン率12/18で66.6%、パット数が28でした。初日に比べ少しティーショットが荒れていたという印象がそのまま数値に出ていました。ただ、久々の28パット(初日は29パット)と強気のパットが戻って来ているようです。ショットとパットがかみ合えば2度目のメジャー優勝も夢ではありません。

 ムービングサタデイを最終組でスタートしたシブコ。フェアウェイからのショートアイアンをショート。アプローチでピンを大きくオーバーさせてしまいボギースタートになってしまいました。明らかに「優勝」の2文字が頭に浮かび、前日の最終ホールはアドレナリンが出ていたのかもと本人も口にしていたようです。
 プロのアスリートはこのアドレナリンが予想以上のパワーを引き出す源になるのですが、ゴルフの場合はボールが飛び過ぎて距離感が大きく変わってしまうため、厄介なのです。特に微妙な距離感が求められるショートアイアンではなおさらです。シブコの場合はゾーンに入り爆発的な強さを見せつけることもあったのですが、そんなシブコの姿は全米女子OPでも見られてはいないです。
 とにかく、考え過ぎない平常心でと願うばかりです。1番ホールのセカンドは少し力をセーブし過ぎていたように見えたので、アドレナリンを警戒していたのかもしれません。アプローチはいつものシブコのミスでしたが、長いパーパットのイメージは良かったと思います。ボギーにはなりましたが、自分の状況が確認できたホールでした。
 続く2番はパー5でバウンスバックが出れば以前のシブコなのですが、サードショットをグリーン奥へ。長いバーディパットが残ります。バーディならずもパットの感覚は悪くなさそうです。上もスコアが伸ばせていない状況なので、前半はじっと我慢のプレーが続きそうです。
 3番パー4ではティショットが左のラフ。ラフが深かったのか、セカンドでアイアンが降り抜けず、グリーンに届かず。アプローチをショートし、ボギー確定。出だし3連続バーディーだった前日とはうってかわって、ボギーを重ね順位を落として行きました。
 代わって上位に浮上してきたのが山下美夢有。1番をバーディでスタートし、その後も安定したプレーを続けます。この選手も最年少で日本の賞金女王になった強いメンタルの持ち主です。現在、ロレックスランキングが22位ですが、ここで2位以上の成績ならトップ15に入りパリオリンピックの2人目の代表が決定するのです。

 シブコは5番パー4では、左を嫌い右にティーショットを打ち出すも高い木に当たってしまいます。どこまでスコアを落とすことになるのでしょうか。今日は早起きした甲斐は無さそうです。全英女子OPは無欲の勝利だったシブコですが、近年のシブコには欲が見えるようになっています。そしてこの欲がプレッシャーとなるのか結果に繋がらないのです。無欲で1打1打に集中することが求められる時が来ているように思います。
 前週のマイヤーLPGAクラシックでも予選を上位で通過したものの、決勝ラウンドで大きくスコアを落としてしまったのもそのせいでしょう。全米女子OPの時は無我夢中といった感じで、好成績になったのですが、予選を余裕で通過するようになり、「優勝」という2文字が頭に浮かぶようになると、欲のプレッシャーに負けてしまう。優勝から遠ざかっている選手の宿命かもしれません。

 4番もボギーとしたシブコ。出だし4ホールでスコアを1アンダーまで落としてしまいます。ここで開き直れるか。それが出来なければ終戦となるでしょう。5番パー3はその開き直りが出て、見事バウンスバック。続く6番パー5でもフェアウェイからグリーンを狙ったセカンドがショートサイドのバンカーへ。少し距離を残すバディーパットは惜しくも逃すも、以前のシブコならズルズルとスコアを落としていたところでした。

 この日を何とかしのいで、最終日にまくるシーンが見てみたいものです。この日は山下がショットは乱れるものの長いパーパットでしのぎ前半を1バーディ、1ボギーのイーブンで折り返しました。今日は山下の日かもしれません。
 シブコはパットがいまひとつで8番もボギーとしてしまいます。迎えるのが難しい9番と10番です。パーで凌げるか?9番はティーショットが大きくピンをオーバーし、バーディパットも結構オーバーしてしまいます。終戦かと思われたパーパットをなんとか沈め、1アンダーで前半を折り返します。上が伸ばせていないとじはいえ、これ以上スコアを落とすわけにはいきません。
 スコアは落としていますが、攻める気持ちは見せてくれているので、後半で何とか巻き返してほしいものです。この日一番難易度が高い10番パー4をパーで切り抜けると、11番パー5で2オンに成功し、イーグル逃しのバーディ。さあ。ここから乗っていけるのか?山下が11番と14番でバーディを取り5アンダーの2位に浮上しています。
 気持ちも落ち着いて来たのか、安定したプレーでパーを重ねた15番パー4で、セカンドをピンそばに寄せてこの日3つ目のバーディで3アンダーまで戻して来ました。このままパーで我慢し、最終18番パー5でバーディが取れればスタートのスコアに戻せます。上位が7アンダーで止まっているので、今日を堪えられればまだまだチャンスは残るはずです。
 ところが、16番パー4でドライバーが左のラフへ突き抜けてしまいます。初日からかなり伸びた深いラフからのショットをガードバンカーに入れてしまいます。距離のあるパーパットを残してしまいました。ボギーを覚悟していたのですが、今のシブコはこれを沈めてしまうのです。首位を走るエイミー・ヤンが短いパーパットを外し、差はわずか3打なりました。
 続く17番パー4では先に長いバディーパットをエイミーに決められて再び4打差に開いてしまいました。最終ホールはナイスティーショットでしたが、満を持して振り抜いた3Wが右に出て木に当たってしまいます。ピンまで70ヤードをピン左へ。少し長目のバーディパトを残してしまいます。このパットを決めて、明日への勢いにするのか、4打差のまま最終日を迎えることになるのか、ハラハラの長い1日になりました。
 最後はバーディならずの3アンダーの5位タイで終えることになりましたが、前半4つのボギーがありながら、ここで粘ったのは大きいと思います。メジャー大会の3日目を終えて5位タイは立派な成績です。絶好調とはいかないまでも、良いゴルフが出来始めていることは間違いないでしょう。最終日は気負わず、自然体でプレーをして欲しいと思っています。それにしても全米女子プロの最終日に日本の選手がトップ5に二人もいるというのも頼もしい限りです。全米女子OPに続き、日本人選手のワンツーも期待してしまいそうです。
 



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