大谷翔平は全国の子供たちにグローブを送ったことに注目が集まったが、ポガチャルのプレゼントは受け取ったばかりの自分のボトルだった。今年のジロ第20ステージは1級山岳モンテ・グラッパを二度登る難関ステージだった。2度目のモンテ・グラッパを単独で登り切ったポガチャルは、長い下りの先のゴールを単独で目指す。ラスト21kmの登り返しでアスタナのジャンパーを着た少年がポガチャルに駆け寄った。ヨーロッパらしい愛らしいシーンだ。
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登坂の途中で身体に触れた大人にはこぶしを掲げて抗議したポガチャルだが、この少年には、丁度チームスタッフから受け取ったばかりのボトルをそっと手渡したのだ。このボトルは受け取った少年にとっては野球のグローブ以上の価値があるものになったはずだ。こうして、ロードレースは子供たちの夢となって行くのだろう。日本では大谷翔平に憧れてプロ野球選手を目指すように、ヨーロッパではポガチャルに憧れてロードレーサーを目指す子供たちが増えることだろう。こうしたファンサービスが自然と出来るところにも真の王者の風格が見え隠れするのだ。
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真の王者とは威風堂々と君臨するものではなく、民心を掌握し、民の為に善政を敷く王のことだ。真の王者はは決して独裁者であってはならない。民に愛されない王は真の王とは呼べないのだ。且つてランス・アームストロングという王者がいたが、玉座を追われただけでなく、その歴史まで剥奪されてしまうのだ。