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CYCLINGFAN!!

自転車をこよなく愛し、自分の脚と熱いハートで幾つになっても、可能な限り、どこまでも走り続けます~♪

Y1Rsがようやく3勝目

2025-05-03 11:18:02 | プロ・ツール
 ツール・ド・ロマンディの第3ステージでゴール前1㎞からアタックしたUAEチーム・エミュレーツのジェイ・ヴァインが勝利。注目したのは彼のバイクが今季から投入されたY1Rsだったことでした。

 昨年末に発表されたコルナゴの最新エアロロードのY1Rsでしたが、UAEチーム・エミュレーツが実際にレースで使用したのは2月のツアー・オブ・オマーンでした。ただ、この時はアダムが総合優勝はしたものの、クイーンステージではV4Rsを選択していたのです。

 Y1Rsの本格デビューはUAEツアーで、ポガチャルがステージ2勝を挙げましたが、その後、ミラノ~サンレモ以降のクラシックレースではポガチャルは1度もY1Rsは使用してこなかったのです。チーム内からは硬過ぎて乗り辛いという評価もあり、アルデンヌクラシックではV4Rsの進化系V5Rsを使用し勝利を積み重ねていたのです。

 ただ、ポガチャルがV5Rsに乗ったレースでもアシストの中にはY1Rsを使っている選手もいて、UAEとコルナゴはY1Rsの実戦でのデータを取り続けていたようです。今回のゴール前は4%程の登り勾配があり、この程度の勾配ならY1Rsのエアロ効果が活きるということなのかもしれません。ステージ3位に入ったアルメイダのバイクはV5Rsでしたから、チームの試行錯誤が伺えます。そんなことをしながら今季32勝を挙げているのですから、ちょっとチーム力が違う感じです。

 流石に今日の第4ステージはティオン2000の頂上ゴールなのでバイクはV5Rsでしょう。平均勾配7.7%で登坂距離が20.2㎞もあるクイーンステージで本格的な総合優勝争いが始まるのですから。

 今後UAEがチームとしてこのY1Rsの熟成に係わっていくことは間違いありませんが、ポガチャルがどういう選択をしてくるのかが注目でしょう。アルペシンのファンデルプールはAEROAD CFRに乗り続けていますが、流石に超級山岳の登りで勝敗が決するグランツールでポガチャルがY1Rsを選択することは無いと思っています。平坦区間での牽引役としてアシストがY1Rsを使うことはグランツールでもあると思いますが、ポガチャル自身がY1Rsを使用したのはUAEツアーとミラノ~サンレモだけなのです。

 こうしたバイクの併用は以前は結構見かけたのですが、近年はスペシャライズドやTREK、cannondale等がオールラウンドのエアロロードを投入する時代に入り、登りでバイクを交換するケースが激減しているのです。山岳の個人TTでもTTバイクで最後まで走り切る選手も増えているほどなのです。
 



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怪物ポガチャルのさらなる進化を考える(1)

2025-04-30 12:49:07 | プロ・ツール
 春のモニュメント最終戦リエージュ・バストーニュ・リエージュはポガチャルが35㎞の独走で勝利し、これで今季のモニュメントは4戦して2勝、2位と3位が1度で全てが表彰台という結果で幕を閉じました。

 UAEツアーからシーズンに入り、ステージ2勝で総合優勝。途中のステージでは自ら逃げてボーナスタイムを取りくる余裕を見せていたのが印象的でした。ステージレースはこれだけで、ストラーデビアンケからはワンデーのクラシックを中心に走り、ミラノ~サンレモではチプレッサから積極的に仕掛けたものの、昨年に続きゴールスプリントに持ち込まれファンデルプールとガンナに敗れて3位に終わってしまいました。

 ストラーデビアンケの落車やチプレッサの入り口での位置取りの失敗もありましたが、ミラノ~サンレモでの負けはポガチャルにとっては相当悔しかったはずです。ストラーデビアンケの落車で1度は消えかけたパリ~ルーベへの参戦を決めたのは、この負けの悔しさだったのかもしれません。

 ロンド・ファン・フラーデレンではファンデルプールにリベンジを果たし、二人の対決はパリ~ルーベへと続いて行きました。ここまで1勝1敗で迎えた3戦目のモニュメントでは連覇中のファンデルプールの経験が勝り、オーバースピードでコナーを曲がり切れないというポガチャルのミスも加わり、パリ~ルーベはファンデルプールの完勝という結果でした。ただ、ミラノ~サンレモよりはポガチャルが勝ち易いレースだとも感じた結果でしょう。

 ここで休養に入ったファンデルプールに対し、ポガチャルはアルデンヌ・クラシック3連戦に挑み、2勝と2位が1度という結果を残しているのです。初戦のアムステル・ゴールドレースはおそらくパリ~ルーベの疲労が残っていたのでしょう。向かい風の中で独走を諦め、3人でのゴールスプリントを選びましたが、伏兵のスケルモースに写真判定で敗れてしまうのです。

 続くフレーシュ・ワロンヌでは最後のユイの壁までアタックを我慢して、シッティングのまま後続を10秒引きちぎるという圧倒的な勝利を見せつけます。寒さと雨の中での厳しいレースで、反動も心配されましたが、リエージュ・バストーニュ・リエージュでは35㎞の独走を決め、モニュメント9勝と8勝のファンデルプールを引き離しました。
 



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怪物と神童の2強時代へ突入か?(7)

2025-04-27 13:52:37 | プロ・ツール
 怪物対神童の対決2025はアルデンヌクラシック初戦のアムステル・ゴールドレースでした。結果はゴールスプリントに持ち込まれ、伏兵スケルモースが勝利しポガチャルは2位、レムコは3位という結果に終わっています。昨年末の大怪我から復帰2戦目ということもあったのか、最後のスプリントにもキレがありませんでした。

 続くフレーシュ・ワロンヌでは雨と寒さの影響か9位と振るわなかったレムコに対し、最後のユイの壁でアタックを決めたポガチャルが後続に10秒という差をつけて快勝しています。やはり登りゴールになるとレムコには分が悪そうです。本人は寒さで身体が動かなかったと言っているようですが、先にレインウェアを脱いでいたのはポガチャルの方なので、寒さはポガチャルの方が感じていたはずなのです。

 怪物対神童の対決の第3戦はモニュメント第4戦リエージュ・バストーニュ・リエージュになります。伝統的にクライマーたちの狩場となってきた格式高いこのレースが、2025年4月最後の日曜日、つまり今夜が2人の激闘の舞台となります。この直近4年間、リエージュの栄冠をこの二人が仲良く分け合ってきているのです。2021年と2024年はポガチャルが制し、2022年と2023年はエヴェネプールが勝っている。

 レムコのリエージュ初参戦は2022年で、初参戦でモニュメントを初勝利しているのですから神童と呼ばれているのも頷けます。2020年のイル・ロンバルディアでの大怪我が無ければ、2021年もポガチャルとの対決が観られていたはずなのです。二人のリエージュの初対決は2023年ですが、この年のポガチャルは落車で手首を骨折しリタイヤに終わり、レムコが連覇を達成。

 昨年はオリンピックを考えてか春のクラシックの出場を見送りステージレースを走って来たレムコに対し、ポガチャルはWツールを狙い春のクラシックはリエージュだけに絞って来ていたのです。それだけ、リエージュはポガチャル好みのレースなのでしょう。2022年はUAEツアーとティレーノ・アドレアティコで総合優勝はしていたものの、春のクラシックは不振でドアーズ・ドア・フラーデレンで10位、ロンド・ファン・フラーデレンが4位、フレーシュ・ワロンヌでは12位という結果でリエージュはスキップせざるを得なかったのです。

 2022年のポガチャルの不振の原因は不明ですが、ツールでも初めてヴィンゲゴーに敗れているのです。シーズン最後のイル・ロンバルディアこそ勝っていますが、この年のポガチャルは明らかに不調でした。今のポガチャルからはロンドでの4位やユイの壁での12位というのは想像すら出来ないはずです。

 今季のポガチャルは好調で、シーズン初戦のUAEツアーは余裕の総合優勝。ミラノ~サンレモこそ3位に終わりますが、初参戦のパリ~ルーベでもコースアウトでバイク交換を余儀なくされながら2位は死守。アムステル・ゴールドレースでは伏兵にスプリントで敗れるも、フレーシュ・ワロンヌでは完勝。リエージュも今のレムコでは勝てないと見ています。

 ポガチャルの最大の敵は自分自身の体調だと見ています。過酷なパリ~ルーベを走り、寒さと雨のユイの壁を勝ち切った反動が心配です。まあ、この程度の試練はポガチャルにとっては当たり前なのかもしれないのですが…総距離252kmのコースに、全部で11の起伏が散りばめられ、獲得標高は4000mを超えるので、ポガチャルがどこで仕掛け、独走距離はどのくらいになるのかと考えるのが普通でしょう。ただ、2023年には落車でリタイヤしているレースでもあるので、過信は禁物です。今年はストラーデビアンケでも落車があったポガチャルはパリ~ルーベでもオーバースピードでコーナーを曲がり切れないというミスをしているのです。

 ポガチャルの強さの秘訣に怪我が少ないというのがありました。ここまでで大きな怪我をしたのは2023年のリエージュでの落車だけと記憶しています。ただ、学習能力が非常に高いのもポガチャルの強みで、同じ失敗を2度はしないのです。このレースを走り切れば、次は6月のクリテリウム・ドゥフィネまで1か月以上レース間隔が空くスケジュールを組んでいるので、ここは全力を出し尽くす走りを見せてくれるはずです。

 ここまでミラノ~サンレモとパリ~ルーベでファンデルプールに敗れているポガチャルですが、グランツールでは間違いなく1強になると見ています。昨年まではビッグ4と呼ばれていましたが、今年は残る表彰台争いになりそうな気がしています。レムコは大怪我をするまではポガチャルを圧倒していたのですが、2022年の大怪我以降はTTでしかポガチャルに勝てない状況が続いているのです。
 



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ユイの壁で怪物ポガチャル圧勝

2025-04-24 15:54:15 | プロ・ツール
 アルデンヌクラシックの第2戦は第89回フレーシュ・ワロンヌ。最大勾配26%の「ユイの壁」で後続を突き放したのは怪物ポガチャルでした。アムステル・ゴールドレースでは伏兵スケルモースにスプリントで敗れていたのですが、流石にこの勾配の登りゴールでは役者が違いました。

 最初に仕掛けたのはEFエデュケーション・イージーポストのベン・ヒーリーでしたが、それをシッティングままあっさりと抜き去り、あっという間に後続との距離を広げていったポガチャルはやはり怪物でした。調子は決して良いとはいえない状況のようでしたが、このレースはチームがしっかり機能していました。やはりポガチャルがいるレースはアシストもモチベーションが違うのでしょう。

 ポガチャルはチームメイトにしっかりと守られながら、レースをしたのは長袖ジャージを脱いだ残り20㎞ほどだったのかもしれません。エヴェネプール擁するクイックステップは前半から積極的に前々で動きを見せていたのですが、最後の「ユイの壁」ではアシストはゼロ。対するUAEのアシストはヤン・クリステンとマクナルティの2枚も残っていたので、ポガチャルは非常に楽なレースになったはずです。

 一方、9位に沈んだエヴェネプールには流石に「ユイの壁」の勾配は厳しかったのでしょう。アムステル・ゴールドレースで驚きの勝利を手にしたスケルモースは落車でリタイヤに終わっています。2位に浮上したのはアルケアの23歳ケヴィン・ヴォークランでした。昨年も2位でしたから「ユイの壁」は得意なのでしょう。昨年はツール・ド・フランスでも逃げてステージ優勝をしている若手なので、こらからが楽しみな選手です。意地を見せたのがQ36.5のピドコックでした。アムステル・ゴールドレースでは9位と振るわなかったのですが、最後はオリンピック金メダリストの意地かレニー・マルティネスを差し切り表彰台をゲット。
 気温10度に加えて雨の中のレースで、表彰式では震えていたほどなので、リエージュ・バストーニュ・リエージュに向けて、体調管理が不可欠になりそうです。リエージュはポガチャルがどこでアタックし後続にどれだけのタイム差を付けるのかに注目しています。
 
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ポガチャル伏兵に敗れる

2025-04-21 10:03:28 | プロ・ツール
 アルデンヌクラシックの初戦第59回アムステルゴールドレースが行われ、アルデンヌクラシック全制覇を狙っていたポガチャルが初戦で敗れることになりました。それもスプリント力で劣るマティアス・スケルモースにゴールスプリントで敗れたのです。衝撃でした…

 確かにミラノ~サンレモでもゴールスプリントで3着に敗れているのですが、相手はマチュー・ファンデルプールとフィリッポ・ガンナでしたから、あれはゴールスプリントに持ち込まれた時点でポガチャルに勝ち目の無いレースでした。ただ、今回は相手がレムコ・エヴェネプールとスケルモース。誰もがポガチャルが勝つと思ったはずです。それが、最後の最後でスケルモースに写真判定という僅差で敗れてしまったのです。

 残り47.6kmのフルペルベルクの丘でアラフィリップのアタックに反応して飛び出したポガチャルでしたが、いつものように独走に入るかと思いきや、後続とのタイム差を広げることが出来ませんでした。いつものポガチャルならあっという間に1分以上のタイム差を築いてしまうのですが、この日はアタックにキレがありませんでした。

 スケルモースが単独で追い、それにレムコが追いつきます。2対1で残り20㎞を14秒差では分が悪いと判断し、ポガチャルは二人を待ちます。この段階では3人のゴールスプリントなら自分が勝てるという自信がポガチャルにはあったと思います。レムコは長い距離のスピードは驚異的ですがスプリントが強い訳ではありませんし、ましてやスケルモースはパンチャー系のGCライダーでむしろスプリントは苦手な選手なのですから。
 ただ、結果はスプリント力の無いスケルモースにスプリントで敗れたのですから、ポガチャルのショックは大きかったはずです。確かに相手はレムコと判断しレムコを振り切って油断したこともあるのかもしれませんが、ポガチャルは決して踏み止めてはいないです。単純にゴール前の出力不足ではなく、ポガチャルがスプリント勝負の経験不足によるところが大きいと見ています。それと、ショートクランクはスプリントに不向きということも影響していると考えています。

 そのことも考慮してポガチャルはフロント55Tというチェーンリングを使用しています。通常の54Tを使っていてスプリントも強いマチューのクランク長は172.5㎜なのです。勿論、身長差もあるので一概に比較は出来ませんが、この7.25㎜の差は決して小さいものではないのです。単純な出力勝負ならクランク長が長い方が有利なのは明白なのですから。

 ただ、このポガチャルの敗因はパリ~ルーベにあると私は考えています。あのマチューがアルデンヌは走らないと決めたほど過酷なレースだったということだと思います。ポガチャルにもあのレースの疲労が少なからず残っていたはずなのです。これがパリ~ルーベという特殊なレースがもたらす代償なのでしょう。昨年、パリ~ルーベを連覇したマチューはこのレースは22位という結果に終わっているのですから。勿論、アルデンヌクラシックはマチューが得意とするレースではありませんが、リエージュ・バストーニュ・リエージュでは3位と好走を見せているのです。

 ポガチャルもパリ~ルーベから中1週というスケジュールは初めての経験ですから、ポガチャルは来年以降の新たな課題が見つかったと前向きに捉えているはずです。昨年はWツールという偉業達成の後、オリンピックを欠場し、レース間隔が大きく空いてしまったグランプリ・シクリスト・ケベックで7位に敗れた時にも心配したのですが、続くモントリオールではしっかりと勝ち切り、あの世界選手権での独走劇を見せてくれたのです。

 23日のフレーシュ・ワロンヌ、そして今週末のリエージュ・バストーニュ・リエージュと連戦になりますが、ポガチャルの最大の目標はモニュメントのリエージュ・バストーニュ・リエージュのはずなので、あせらずに調整に努めて欲しいと願っています。公開されているSTRAVAの数値では255.77㎞、獲得標高3,274mを時速43.9㎞/hですが、今回は明らかにポガチャルの出力不足が原因です。それが疲労によるものなのか、先を見据えて力をセーブしていたのかは不明です。ただ、STRAVAのタイトルが”2nd (炎と2本の指の絵文字)close but no cigar. On to next”とあるので、気持ちの切り替えは出来ていると思います。
 



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