CYCLINGFAN!!

自転車をこよなく愛し、自分の脚と熱いハートで幾つになっても、可能な限り、どこまでも走り続けます~♪

HMカーボンとは・・?

2013-01-25 04:20:51 | ロードバイクの軽量化

 近年高級車でHMカーボン仕様車が増えています。HMとはハイモジュラスの略称(CANNONDALEではハイモッド)でPAN系の高弾性率タイプ炭素繊維のことです。PAN系炭素繊維はその弾性率により低弾性率炭素繊維(LM:引張弾性率:200GPa以下)、標準弾性率タイプ炭素繊維(HT:引張弾性率:200~280GPa)、中弾性率タイプ炭素繊維(IM:引張弾性率:280~350GPa)、超高弾性率タイプ炭素繊維(UHM:引張弾性率:600GPa以上)の5種類に大きく分類できます。HMカーボンは引張弾性率が350~600GPa、引張強度は2500MPa以上とされています。1 Pa (パスカル) = 1N/m2で1平方メートル当たり1ニュートンの力となります。9.8N=1kgfですので,10N=1kgとして変換すると分り易いかもしれません。尚、Gはギガ、Mはメガとなります。ギガは10の9乗、メガは10の6乗になります。
 分りやすくグラム表示に直すと、UHMはおよそ60t/mm2以上、HMは30t~60t/mm2、IMは20t~30t/mm2、LMは20t/mm2以下となります。これがカタログに○○tカーボンとか60HM、50HM、30HMなどと記載されている数字の意味です。また、PAN系炭素繊維は、一般的に密度1.74-1.95g/cm3の直径5-7ミクロンの長繊維(フィラメント)の集合体で、レギュラートウあるいはスモールトウと呼ばれる1K(1000フィラメント)、3K(3000フィラメント)、6K(6000フィラメント)、12K(12000フィラメント)、24K(24000フィラメント)といった種類があります。1本の炭素繊維糸を形成するフィラメントの数が多いほど炭素繊維糸は太くなって行きます。通常の糸であれば太いほうが丈夫なのですが炭素繊維糸に関してはフィラメント数が少ないものほど引張強度が強いといわれています。Dogma_047

 東レとの関係が密なPINARELLOではDOGMAにTORAYCAの60HMカーボン1KをQUATTROに30HM12Kカーボンを使用し、引張弾性率や炭素繊維糸のフィラメント数が分り易い表記となっていますが、他メーカーでは表記が非常に曖昧なのが実情です。単にHMカーボンと言っても引張弾性率が30t~60t/mm2と結構な幅がありますし、炭素繊維糸を構成するフィラメント数によっても引張強度などが異なってきますので注意が必要かもしれません。

 
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ロードバイク選びのポイント(2)

2013-01-12 08:12:56 | ロードバイクの軽量化

 GIANTやPINARELLOといった主要メーカーのフレーム素材として主に使用されているのが東レのカーボン繊維です。カーボンファイバーの世界シェアNo.1も東レで34%、2位が東邦テナックスで19%、3位が三菱レイヨンの16%と続きますので、何とカーボンファーバーの7割が日本メーカーの製品ということになります。Dogma_60mh1k
 GIANTでは東レのT-700やT-800というカーボン糸を自社でプリブレグ生成していますし、PINARELLOは東レのプリブレグを使用してフレームを作成しています。炭素繊維の特長は、何と言っても軽くて強いこと。比重が1.8前後と鉄の7.8に比べて約1/4、アルミの2.7あるいはガラス繊維の2.5と比べても軽い素材です。その上に強度および弾性率に優れ、引張(ひっぱり)強度を比重で割った比強度が鉄の約10倍、引張(ひっぱり)弾性率を比重で割った比弾性率が鉄の約7倍と優れています。これが、炭素繊維が従来の金属材料に代わる軽量化材料として本命視されている理由です。その上に疲労しない、錆びない、化学的・熱的に安定といった様々な特性を有し、厳しい条件下でも特性が長期的に安定した信頼性の高い材料となっています。
 東レの炭素繊維はボーイング社のジャンボジェットの主翼や胴体にも使用されている高品質製品ですからこの素材が自転車に使用されているというだけで驚きです。東レの高性能炭素繊維はTORAYCA(トレカ)と呼ばれ、ポリアクリロニトリル(PAN)を原料にしています。一口に東レのカーボンと言っても、糸の段階で引張弾性率が23500kgf/mm2のT300から60000kgf/mm2のM60JBまで様々です。GIANTのADVANCEDシリーズに使用されているT700というカーボン糸は引張強度500kgf/mm2、引張弾性率23500kgf/mm2です。ADVANCED SLに使用されているT800になると引張強度600kgf/mm2、引張弾性率30000kgf/mm2になります。
 kgfという単位は重量キログラムで1kgの重さの物体が受ける重力の大きさを表す単位です。1 kgf = 9.80665 N(ニュートン) になります。引張強度や弾性率は平方ミリメートルの加重で表されるため、この単位が用いられているのです。
Tcr_advanced_sl_se_2011  残念ながらGIANTのCOMPOSITEモデルに使用されているT600は東レの製品表には掲載されていませんが、製品番号的にはT300とT700の間の製品であることは間違いないと思います。T300とT700は引張弾性率は同じですが、密度が異なるため引張強度と伸率が異なります。
 ちなみにT800の引張強度はフィラメント数6000(6K)及び12000(12K)のもので560kgf/mm2、24000(24K)のもので600Kgf/mm2となっています。引張弾性率は共に30000kgf/mm2です。T700にはフィラメント数6000(6K)の製品は無く、12000(12K)と24000(24K)は共に引張強度500kgf/mm2、引張弾性率23500kgf/mm2です。

 
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CFRPとは・・・?

2013-01-11 07:14:41 | ロードバイクの軽量化

 現在自転車の主な素材はアルミ、カーボン、スチールの3つでしょう。一部チタンやマグネシウム合金の素材もありますがまだまだ少数派です。チタンに関してはDURA-ACEなどのコンポーネントやハブなどにも利用され始めています。ただ、自転車のフレームやフォークに限れば低価格モデルではアルミが、中高級モデルではカーボンが採用されているのが実情でしょう。
 スチールやアルミは金属ですが、カーボンは合成樹脂です。合成樹脂の代表がプラスチックですが、カーボンはスチールやアルミのような金属ではなくプラスチックと同じ合成樹脂に分類されます。自転車のみならず自動車や航空機などにも多く使用されているカーボンは正式にはCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics:炭素繊維強化プラスチック)と呼ばれています。
 繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics、FRP)は、ガラス繊維などの繊維をプラスチックの中に入れて強度を向上させた複合材料のことです。プラスチックは軽量ですが、弾性率が低く構造用材料としては適していません。そこで、ガラス繊維のように弾性率の高い材料との複合材料として、軽量で強度の高い、つまり比強度の大きな材料として用いられています。強化材にガラス繊維の替わりに炭素繊維を用いたものがCFRP(炭素繊維強化プラスチック)です。
 CFRPは炭素繊維を熱硬化樹脂に浸し、加熱して固めて作られます。一般的にカーボンと言われているのものの原型は炭素繊維です。炭素繊維は、文字通り炭素からなる繊維です。炭素の含有量は標準弾性率の炭素繊維で90%以上、高弾性率の炭素繊維ではほぼ100%が炭素となります。炭素以外の主な元素は窒素です。素繊維は、ポリアクリロニトリル(PAN)繊維あるいはピッチ繊維といった有機繊維を不活性雰囲気中で蒸し焼きにし、炭素以外の元素を脱離させて作ります。市販されている炭素繊維の90%以上は、PAN繊維を原料とするPAN系炭素繊維ですが、これは性能とコスト、使い易さなどのバランスがピッチ系炭素繊維に比べて優れているためです。Kokuen_l_3

 物質の重さは,密度(g/cm3)によって表されます。密度は物質を構成する原子の重さ(原子量)とその原子がどのように配列しているか(結晶系)などによって決まります。例えば、私たちの近くにある金属では、アルミニウムの原子量が27.0、鉄が55.8、金が197.0です。一方、炭素の原子量は12.0と金属原子の原子量と比べ、1/2~1/10以下です。また、結晶系によっても密度が変わります、同じ炭素原子から出来ていても、ダイヤモンドの密度が3.52g/cm3、黒鉛の密度が2.25g/gm3と密度が異なります。これは炭素原子の配列の仕方により炭素原子間に隙間が異なるためで、ダイヤモンドに比べ黒鉛結晶の隙間が大きいためです。炭素繊維は黒鉛結晶が配列することによりで来ているため,金属と比べて軽いこと分ると思います。
 また、炭素繊維は、前述の黒鉛結晶が配列することにより出来ています。黒鉛は、ベンゼン環が縮合した六角網平面が積み重なった構造をしています。積み重なり方向の結合は、分子間力という非常に弱い力なので簡単に剥がれてしまいます。一方、六角網平面内での炭素原子は、3方向の炭素原子と互いに強固な共有結合で繋がれているため、網平面方向の引っ張り強度が非常に強いことがおわかりいただけると思います。(ダイヤモンドが硬いのは全ての炭素原子が共有結合のみで結びついているためです。)以上より、炭素繊維が軽いのは黒鉛結晶の隙間が大きいためであり、炭素繊維が強いのは、黒鉛結晶の有する網平面方向の強度が反映されたためです。

 

 

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ロードバイクの軽量化効果(3)

2012-05-10 07:19:07 | ロードバイクの軽量化

 登りを楽に走る為の軽量化でしたが、平坦路でも巡航速度が上がることが分りました。これは先に記したようにリア17Tが基本ギアになったことが大きな要因だと考えています。ホイールはTCR2の時に購入したもので、WH-6700GもスプロケットはULTEGRAではなく105の12-25Tをそのまま使っています。Cs5700

 CS-5700の12-25Tのギア構成は12・13・14・15・16・17・19・21・23・25の10速で、19Tを基本ギアにするとアップもダウンも1段飛びの変速になりますが、17Tを基本ギアにするとギアを落とすときは1段飛びで軽くなり、ギアをかける時は1段ずつの変速となる為、変速そのものも楽になります。基本走行ギアが2段違うと同じケイデンスなら巡航速度で2km/hほど違うようです。
 今朝、石狩灯台までの27kmの走行時間が1時間5分を記録しました。確かTCR2の時は1時間7分が最短だったと記憶しています。サイクルコンピュータの平均速度も25km/hを越えていました。信号毎のストップ・アンド・ゴーを繰り返しますので、サイクルコンピュータの25km/hは走行時はほぼ30km/h程度で走っていることになります。今日の最高速度は40.14km/hで最大心拍数は156bpmでした。
 流石にギアをかけているので平均ケイデンス69rpmとなかなか上がりませんが、ケイデンス80rpm程度で30km/hは楽に越えますので、今のところはあまり気にしてはいません。トレーニングである程度重たいギアを経験することで、ロングライド時にはギアを軽くすれば楽に走ることができると考えています。
Wh7900c35_01
 脚力のない者としてはバイクが軽くなることで加速も楽になります。ただ、車体が軽い分加速後の速度維持が難しくなるようです。速度維持にはWH-6700GよりR-501-30の方が向いているようです。平坦をより速く走るなら多少重量があってもやはりディープリム・ホイールに歩があるようです。ロングライド志向で、ある程度の登りも考えるとどうしても軽量ホイールを考えてしまうのですが、ヒルクライムなどを考えなければWH-7900-C35という選択肢もあるのかなぁと考え始めているところです。価格的にもMAVICのR-SYSとほぼ同じなので、迷いが生じています。
 フレームがアルミということで、乗り心地を考えればカーボンスポークのR-SYSになるのでしょう。ただ、前後共に円形のカーボンスポークを採用しているR-SYSでは平坦路での速さは期待薄です。レース指向がある訳ではないので、速度を気にすることはないのですが・・・

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ロードバイクの軽量化効果(2)

2012-05-05 07:12:20 | ロードバイクの軽量化

 苦手な登りを克服することを最大の目的にCAAD10のフレーム組みをし、ペダルレス完成車重量を7359gまで絞り込みました。平坦路での軽量化効果は先に記したとおりですが、5月に入りようやく登りでの試走ができました。気温や路面状況が悪いことをいい訳になかなかチャレンジする気になれず、ぐずぐずと渋っている間に5月を迎え、気温も20度を越えるとあっては、これ以上先延ばしにする理由もみつかりません・・・Caad10_125

 本当は厚田までの往復100kmを考えていたのですが、前日も強い向かい風に石狩大橋の手前で挫折してしまいました。今日こそはと思いながら、床の中でぐずぐずしている内に遠出をするタイミングを逸してしまい、今日は花見と割り切って五天山から円山公園という小一時間ほどのルートに変更。
 自宅から五天山までは7kmほどで160mほどを登ることになりますが、昨年TCR2で何度か登った時よりは多少は楽に感じました。さすがに頂上付近では15km/hほどの速度にまで落ちましたが、最大心拍数は161bpm止まりでした。TCR2の時は五天山の登って下るだけでしたが、今回は続けて北一条から藻岩山麓道への登りまでをこなすことができました。標高差は五天山ほどではありませんが、勾配は北一条通りから藻岩山麓道の方がはるかにキツイものがありますので、小一時間とはいえこの2箇所の坂を同時に克服できたのはやはり軽量化効果かなぁと感じているところです。
 6月に参加を予定している富良野アースライドは後半の登りがかなりキツイらしいので、ある程度の距離を走ってからの登りのトレーニングは不可欠で、今月中には厚田往復を是非実現したいと考えているところです。とはいえ、今の私には登りのトレーニングは不可欠なので、週1回はある程度登りを走らなければいけないと思っています。
Caad10_138
 5月に入り一機に気温が上がったせいか、場所によっては桜が7部咲きのところもありましたが、円山公園の桜はまだ5部咲きといった状況です。ただ、このままの気温が続けばゴールデンウイークが見頃になりそうな気配でした。昨年は真駒内公園へのお花見ツーリングでしたので、今年はモエレ公園へ是非行ってみたいと考えているところですが、週末まで雨が残りそうなので、最終日の6日の日曜日までに行けるかどうかは微妙な状況です。 <script src="http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/paste?id=932325b63de561ccf4563ccf4d4614b3&amp;width=240&amp;height=320&amp;mapstyle=map&amp;graph=true&amp;maponly=false" type="text/javascript" encoding="UTF-8"></script>

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