今でもTTバイクのDHバーのようなエアロに特化したハンドルバーがあります。これはこの理論に則った設計になっているのですが、あくまでも短時間のTTやトライアスロンのバイクにのみ使用せざるを得ないというのが実情です。つまり、ロードバイクのように何時間も乗り続けることが求められるケースには使われて来ませんでした。
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そこで、ロードレースの選手たちが考え始めたのが、ハンドル幅を狭くすることと、ブラケットを内側に傾けることでした。こうすることで腕の位置がDHポジションに近づくからです。ブラケット位置が通常の場合でも、ブラケットを横から握るのではなく、ブラケットの突起部に掌を被せるように置き、手首をブラケットに沿って置く。この時、脇が空かないように注意すれば、自然とエアロポジションに近付けることが可能になるのです。
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ロードレース界ではUCIがハンドル幅やブラケット位置の規制が入り、今ではフレアハンドルという、ドロップ部分が外に「ハ」の字に開いたものが普及しつつあります。フレアハンドルはフレアの角度にもよりますが、ENVEなどはドロップハンドルの外側とブラケット部の差が50mmもある製品を発売しています。
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ハンドル幅は狭い方がより空気抵抗を少なくするポジションが取れるのが利点ですが、バイクコントロールが難しくなるという欠点も併存します。そこで、フレアハンドルの出番になる訳です。元々、フレアハンドルはグラベルロードやシクロクロスバイク用に開発されたものです。荒れた路面で下ハンを持ってもバイクコントロールがし易いのが特徴です。一方で下ハンを持つと脇が空き、空気抵抗が増してしまうので、ロードバイクでは敬遠されて来たのですが、ハンドル幅とブラケット位置が規制されたことで、エアロ形状のフレアハンドルが見直されることになっているのです。
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こうした傾向はメーカーも把握していて、シマノの新しいSTIレバーはブラケットが10%内向きに設計されています。旧モデルでも10%程度なら内に傾けても問題がないそうなので、一度ショップに相談してみるといいでしょう。
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私は第3世代のSupersix EVOにはSAVEステムとSAVEハンドルバーを使用していて、コンポも機械式105なので、ハンドル幅は400mmでブラケット位置も真直ぐですが、実際にブラケットの突起部を掌で包み込むように握り、手首をブラケットに沿うように置くことでもギア1枚分くらいのエアロ効果が実感出来ました。
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一方で、私のグラベルロードのTopstoneはフレアハンドルにGRXの組み合わせですが、同じことをしてもあまりエアロ効果は感じられないのです。そもそもハンドルがアップライトでスピードもあまり出ないギア構成なので、そもそもエアロ効果を感じ取り憎いこともあるのですが…一度、ハンドル位置をフラットにしてもう一度試してみようと思っています。