CYCLINGFAN!!

自転車をこよなく愛し、自分の脚と熱いハートで幾つになっても、可能な限り、どこまでも走り続けます~♪

CDA値に見るフレアハンドル効果(4)

2024-10-05 11:17:34 | ロードバイク
 トラック競技と違いロードレースでは単純なパワーだけでは勝てないことを意味します。これはロードバイクのエアロ化に伴い、CDA値を小さくすることで、パワー不足を補いながら、長時間ハイスピードを維持できる状況に変わって来ているからです。
 その為にロードレース界ではハンドル幅を狭くしたり、ブラケット位置を内向きに傾けるのが流行りになりました。それを受けてUCIはハンドル幅やブラケットの位置について規制を始めます。それを受けて、今度はフレアハンドルが注目されることになるのです。今年はノーマルハンドルを使用している選手の方が少なかったのではないでしょうか?

 ドロップ部分がハの字に開くフレアハンドルは下ハンを持った時に肘が開き、空力としてはマイナスにもなるのですが、ブラケット位置が内向きに設置できる為、ブラケットポジションがTTバイクのDHポジションに近くなり、エアロ効果が高まるのです。自分でも試していますが、フレアハンドルの内向きのブラケットを握り込むようにすると自然と頭の位置が低くなり、前衛投影面積が小さくなるのが良く分かります。このフォームを取ることでギア1~2枚分楽に走ることが可能になりました。エヴェネプールがTTではガンナと同じ大きさのチェーンリングが使えているのは、彼のエアロポジションンのCDA 値の小ささによるものが大きいと思っています。

 ロードバイクのエアロ化を考える時、真っ先にディープリムホイールを考えてしまいますが、CDA値を考えるなら先に前衛投影面積に大きく関わるハンドルバーがより重要になると考えています。クロスバイク等のフラットバーハンドルとロードバイクのドロップハンドルで大きく空気抵抗が違うのは誰もが知っていることなのですが、意外と知られていないのが、同じドロップハンドルでもブラケットの位置を変えることでエアロ効果が高まるということです。そして、ブラケット位置をより内向きに設置できるフレアハンドルは今後ロードバイクでも多く採用されて行くはずです。

 ディープリムホイールは高速巡行で高いエアロ効果を発揮するパーツで、低中速域でのエアロ効果はほとんど無いように感じています。ロードバイクのエアロ化を考える場合、ディープリムホイールよりエアロフレアハンドルの方が対費用効果が高いのは間違いありません。特に私のようなホビーライダーには、低中速域でも空気抵抗が軽減できるエアロフレアハンドルは非常に価値のある存在だと痛感しているところです。
 



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第4世代のSupersix EVOの完成形(1)

2024-09-13 11:22:37 | ロードバイク
 第4世代のSupersix EVOの購入からまもなく1年が経過しようとしています。私のSupersix EVOはStd-Modの機械式105搭載の最下級モデルでしたので、色々と改良の余地がありました。初めから上級モデルを買ってしまうとこの楽しみが減ってしまうのです。

 第4世代のSupersix EVOからはカーボングレードにLAB71という最上級モデルが加わり。最上級モデルは180万円という高額になってしまいました。Hi-Modでも100万円前後の価格帯でしたから、予算的にはどうしてもStd-Modになってしまいます。
 ただ、私のようなホビーライダーにとってLAB71やHi-Modは硬すぎると感じているので、むしろStd-Modが最適だと思っているのです。フレームに関してはカーボン素材以外は全く同じ設計なので、上位モデルに近づけるためにはホイールやハンドルバーの交換が必要でした。

 コンポーネントに関しては電動という選択肢もありましたが、価格が15万円もの差があり、機械式にしています。SHIMANOの上位コンポーネントは電動化が進み、機械式があるのは105以下のグレードに限られますから、これまでのように気軽にコンポを換えることは難しい状況になっているのです。その差額で45mmのカーボンホイールHollowgramR45を購入しました。ここまでは昨年のことです。

 今年に入り、ハンドルバーをエアロフレアのVisionのMETRON AEROに交換しました。個人的には脚力の無いホビーライダーにとってはディープリムホイールよりエアロポジションが取り易いエアロフレアハンドル効果の方が大きい気がしています。これはディープリムホイールのエアロ効果は高速域でより発揮されるのに対し、エアロポジションによる空気抵抗の削減は20km/h程度の低速域でも充分に受けられるからだと考えています。
 



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トラック専用バイクを考える(1)

2024-08-14 14:39:36 | ロードバイク
 パリオリンピックが閉幕し、自転車のトラック競技ではオランダのハリー・ラブレイセンが金メダルを独占しました。世界選手権を5連覇中のラブレイセンの強さは圧巻でした。日本新を記録した日本の小原佑太はスプリントで6位、ケイリンでは不運に泣いた太田海也は7位という結果でした。

 メダルの期待が高く、オリジナルバイクV-Izu TCM-2で臨んだものの、不可解な判定もありメダルには手が届きませんでした。このスペシャルなバイクは市販もされているようですが、価格は1,800万円を越えるというのですから驚きです。プロ仕様のロードバイクの10倍近い価格なのですから。

 イタリアもPinalleroの新型バイクを投入していましたが、男子はメダルなしという結果に終わっています。日本は東京オリンピックでは国内主要メーカーブリジストンのバイクを使用していたのですが、パリでは東レ・カーボンマジック株式会社(TCM)にメーカーが変更されているのです。

 一方、オランダはずっとKOGAのバイクを使用し続けています。ただ、チェーンはパリ五輪から日本の大同工業のDIDチェーンを使用する契約を結んだようです。今回はラブレイセンを脅かす存在となっていたオーストラリアのマシュー・リチャードソンはカナダのARGON18のバイクでした。こちらのトラックバイクはフレームセットで60万円前後で、ロードバイクとほとんど変わらない価格なのです。勿論、専用パーツ等で組んでいるので完成車の価格は不明ですが、決して1,800万円にはならないはずです。
 ロードバイクの価格はほとんどが開発費なのですが、販売台数が限られたトラックバイクを新たに開発しようとすると、こうなってしまうのでしょう。残念だったのはこれだけ多額を投じてもメダルがひとつも獲得できなかったことです。これは、今後の強化費に影響しなければ良いのですが…バイクの費用だけで数億、メダル5個のフェンシングの強化費は3億円程度だといわれているのです。選手の数がほとんど変わらないのにこのコスパの差は大きいと思います。
 



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オリンピック女子ロードを征したのはSupersix EVO

2024-08-09 15:49:44 | ロードバイク
 パリオリンピックの男子ロードレースはベルギーのレムコ・エヴェネプールの2冠で盛り上がっていましたが、女子のロードレースで金メダルを獲得したのはアメリカのクリステン・フォークナーでした。クリステンはEF-オートリー-キャノンデールの所属選手でバイクは第4世代のSupersix EVOです。

 優勝候補のコペッキーとフォスを残り3kmで置き去りにしたスピードは流石でした。彼女はトラック種目のチームパシュートでもアメリカ代表として金メダルを手にしていつのです。男子はエヴェネプールの独壇場で今年50周年を迎える老舗スペシャライズドのS-WORKS ターマックSL8ばかりが目立っていたのですが、cannondaleも負けていませんでした。
 新型AEROD CFRで臨んだファンデルプールは良いところなしでした。今回のようなアップダウンが多いコースでは純粋なエアロロードは不向きだったのでしょうか?ツール・ド・フランスの山岳賞に続きオリンピックの女子ロードレースの金メダルはcannondale大好き人間にはたまらない結果です。最下級モデルとはいえ、フレーム形状は全く同じバイクに乗る者としては尚更です。

 31歳にして初めてつかんだ五輪出場で金メダルを獲得したクリステンは、その経歴がユニークです。2016年にハーバード大学を卒業後、ニューヨークのベンチャー企業の投資部門で勤務していたエリート女子なのです。それまではボート競技で有望視された選手だったようですが、自転車競技に転向。2020年にプロライダーとして活動を始めた当時は、まだシリコンバレーのベンチャー企業の投資部門でフルタイム勤務していたというのです。
 こんなエリートコースを捨ててまでプロのロードレーサーの道を選んだクリステンは2022年にはジロ・デ・イタリア ドンネでステージ2勝。今季もブエルタ・エスパーニャ・フェメニーナでステージ1勝を挙げ、国内選手権では女王にも輝いているのです。多分、現役引退後は元の部門に戻るのかもしれませんが、日本で東京大学を卒業し大手の銀行に勤務した人が、ロードレースの選手になることはおそらく無いでしょう。
 そもそもこの国では勉強の出来る人と運動能力が高い人は別と考えるようですが、欧米ではどうやら違うようです。甲子園を沸かせた佐々木麟太郎選手がプロ野球ではなくアメリカのスタンフォード大学進学を選んで注目されていましたが、そもそも欧米ではそれが当たり前なのかもしれません。
 そもそも勉強だけ、スポーツだけという考え方が昭和なのかもしれません。レスリング女子68kg級で銅メダルを獲得した尾崎野乃香選手は慶応大学の学生です。レスリングの強豪校ではなくあえて慶応大学を選んでの今なので、「文武両道」というのは最早昭和の間隔なのかもしれません。こうした新人類たちがこの国の未来を明るいものにしてくれることに期待しています。
 



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Supersix EVOの山岳賞の意味(4)

2024-08-02 11:34:20 | ロードバイク
 今年CANYONは新型AEROAD CFRを発表しています。目立った変更点はないようでしたが、蓋を開けたらエアロ性能が図抜けたバイクに変貌していたのです。TOUR誌では純粋にフレーム単体の空力性能が2W向上したという記事が掲載されています。たった2Wと感じるかもしれませんが、既に空力性能が高止まりしているエアロ系ロードバイクにおいて、フレーム単体で2Wもの改善をしたことは大きな意味を持つことになります。

 単純に観てみるとダウンチューブが約40mm強と薄くなっています。旧型のCFRは43mm強でしたので、3~4mmも薄くなっているのです。第4世代のSupersix EVOもダウンチューブがかなり薄くなっていますが、それでも47mm以上はあるのです。ダウンチューブはパワーを受け止める重要な部位なので、ここを薄くすることはリスクも伴います。おそらくトップチューブ側の剛性を高くしたのでしょうが、そのバランスがどうなのかが気になるところです。

 確かに平地では勝負にならないかもしれないSupersix EVO LAB71ですが、登りでの性能はこちらが上だと個人的には思っています。おそらく軽さと剛性のバランスが良いので、登りでの反応が良いオールラウンドなバイクといえるでしょう。実際に私も旧Supersix EVO(第3世代)と45mmのディープリムを履かせた第4世代のSupersix EVOで同じ距離の登りでパワーとタイムを比較してみましたが、重量が遥かに重いスタンダードモッドにもかかわらず、登りのパワーが少なくタイムを短縮することが出来たのです。

 バイクの重量はリムブレーキモデルの第3世代の方が軽いのですが、重量があるにもかかわらず、少ない力で速く登れる結果になりました。確かに勾配の急な区間で速度が15km/hを切ってしまうとエアロ効果はほとんど得られないのですが、緩斜面で速度域が上がるとエアロ効果が効いてくるようです。脚の無いホビーライダーでこれなら、より軽量なLAB71でプロの一流選手が使えばツール・ド・フランスの山岳賞が取れたという実績は大きいと思っています。

 クリテリウムなどのレースで勝ちを狙うのならCANYON AEROAD CFRなのでしょうが、ヒルクライムや登りの多いレースならSupersix EVOも負けてはいないはずだと思っています。速度が上がれば上がるほどCFRが有利ですが、ホビーライダーの脚力だとむしろ乗り心地の良いSupersix EVOのスタンダードモッドの方が向いていると思います。
 下りではフロント50T、リア11Tではギアが足りず、クランクセットをミッドコンパクト(52/36T)に交換することも考え始めています。過去にCAAD12ではミッドコンパクトの52/36Tに泣かされ、コンパクトに替えているのですが、第4世代のSupersix EVOの機械式105の12速はリアが11-34Tか11-36Tというワイドレシオなので、フロントが52/36Tでもエアロ効果を考えれば使いこなせるかもしれないという感じなのです。
 ここでひとつ訂正しておかなければいけないことが出て来てしまいました。現在EFエデュケーション・イージーポストが使用しているSupersix EVOはLAB71ではなくHi-Modだそうです。当然、カラパスのバイクもHi-Modです。6.8kgという重量規制の関係でプロツアーではより軽量なLAB71を使うメリットが少ないという判断なのかもしれません。初代のSupersix EVOの時もシートポストに鉛を入れて重量調整をしていたという経緯もあるのです。
 



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