CYCLINGFAN!!

自転車をこよなく愛し、自分の脚と熱いハートで幾つになっても、可能な限り、どこまでも走り続けます~♪

TTはエアロ機材の品評会

2024-05-11 14:06:20 | ロードバイク
 第107回ジロ・デ・イタリアの第7ステージは40.6kmの個人タイム・トライアルはタディ・ポガチャルの圧巻の走りに湧きました。近年のロードレースは機材の進化で確実にスピードUPしています。今回のジロでも走行速度が60km/hと表示されることも珍しくなくなりました。勿論、風や勾配等の影響はありますが、ロードバイクといえどこの速度は驚愕です。
 且つてはグランツールでも平均速度が40km/hなら結構ハイペースと言われていたのですが、今は40km/h超えが平均ペースになっているのです。今回のTTは後半に登りがありポガチャルの平均速度は47km/hほどでしたが、前半の平坦路では50km/hは楽に超えていたのです。これは機材の進化の影響です。

 グランツールのTTはまさに最新のエアロ機材の品評会になっているのです。現アワーレコード保持者のガンナはPINALLEROのBOLIDE TTでステージ2位でしたが、最後の登り迄はトップタイムでした。フロントは60Tのシングルだそうです。ポガチャルは60/46Tのダブルでした。通常は54/39Tや56/40TなのですがTTバイクはこの大きさになるのです。

 ポガチャルはCOLNAGOのTT1を使用。ツール・ド・フランス2020でポガチャルが逆転優勝を飾ったTTバイク「K.One」の進化モデルです。「K.One」はリムブレーキモデルだったのに対し、このTT1は完全ディスクブレーキモデルになっています。

 バイク以上に観る者の目を引くのがヘルメットでしょう。ポガチャルはMETのTT用で個人的には好みのデザインです。ガンナはKASKでこれも魅力的に見えますが、ヴィスマのGIROエアロヘルメットはまるでエイリアンのようで、ちょっと被りたい製品ではありません。ただ、ヴィンケゴーが昨年のツールで驚異的な走りを見せたのもこのヘルメットだったので、エアロ効果は非常に高いのでしょう。実際に自分が手に出来る製品ではないかもしれませんが、自転車好きには堪らない貴重な時間でした。
 
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第4世代Supersix EVOと第10世代TCRの比較(4)

2024-04-17 09:18:04 | ロードバイク
 この結果から見ても、エアロロードは軽量のクライムロードに比べ、開発に膨大な費用がかかっているのだと思います。かつてはとにかく軽いバイクが評価されていましたが、今ではとにかく空力重視です。今年のパリ~ルーベを見ましたが、あのパヴェを走るのにエアロロードを使用していたのですから。

 優勝したのはマチュー・ファンデルプールでCANYON AERO CFRでした。2位も同じチームのフィリップセン、3位はTREKのペデルセンでバイクはMadone SLR 9でした。ロードバイクはディスクブレーキ化で太いタイヤが使用できるようになり、益々エアロ化が進みそうです。多少重量があって、登りでタイムロスしても下りや平坦で取り返すことが出来ることが証明されつつあるようです。

 従って、第4世代のSupersix EVOはオールラウンドなエアロ系、TCR ADVANCED 2 KOMは軽量なクライム系なので、一概に価格の差だけでは選べないと思います。山や峠のヒルクライムが好きな人なら、最初からTCR ADVANCED 2 KOMを選ぶべきでしょう。ただ、TCRのジオメトリーは結構レーシーに設計されているので、初心者だと下りに怖さがあるかもしれません。

 私のような高齢ライダーには多少値が張ってもSupersix EVOの方をお勧めします。平坦路を30km/h程度の巡行で満足できる人なら最適な1台だと思います。ホイールベースが長くヘッドアングルが寝ているため、下りの走りには安定感があるのです。レースで使ったり。ヒルクライムを楽しみたいなら、軽い上位モデルが良い事は間違いないのですが、私のような高齢者には上位モデルは硬すぎると感じてしまうので、むしろ最下級のスタンダードモッドの方が身体に優しいと感じています。

 このように新しいロードバイクを比較する場合、単に重量や価格だけでなく、アセンブルされているパーツや乗る人の好みや用途に応じた方法が必要になるのです。第4世代のSupersix EVOをGIANTの製品と比較する場合はPROPELということになります。最下級グレードでの比較では2万円ほどSupersix EVOの方が安いといえるのです。
 
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第4世代Supersix EVOと第10世代TCRの比較(2)

2024-04-15 09:07:10 | ロードバイク
 それではGIANTのTCR ADVANCED 2 KOMはどうでしょう。コンポーネントはSupersix EVO同様機械式105のフルセットです。違うのはチェーンがKMCだということくらいです。以下、Supersix EVOと同じように見てみましょう。

 ・シマノ 105 機械式:130,106円
 ・GIANT P-R2 DISC WheelSet 24H:20,000円
 ・GIANT GAVIA COURSE 1 700x25C:12,000円
 ・GIANT CONTACT:4,950円
 ・GIANT CONTACT AEROLIGHT:4,950円
 ・GIANT APPROACH:6,600円
 ・フレームセット 151,394円
 なんとフレームセットの価格が151,394円とアルミフレーム並みになっているのです。最上位グレードTCR ADVANCED SL FRAME SETは495,000円、TCR ADVANCED PRO FRAME SETの価格が308,000円でcannondaleのSupersix EVOに比べて低く抑えられているとはいえ、TCR ADVANCED 2 KOMはTCR ADVANCED PRO FRAME SETと素材は同じで、フロントフォークのみAdvanced-Gradeというだけでここまで価格を抑えられるのかという驚きを隠せません。

 かつてTCR COMPOSITEというアルミロード並みの価格でカーボンロードを作り上げたGIANTならではの秘密があるのでしょうが、ここでSupersix EVOとTCRのレースでの位置づけの違いも考えてみたいと思います。
 
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第4世代Supersix EVOと第10世代TCRの比較(1)

2024-04-14 09:19:36 | ロードバイク
 昨年春に発売されたcannondaleのSupersix EVO第4世代と今年発売となったGIANTの第10世代TCR、共に最下級グレードの価格は30万円代とアルミロードからの買い替えモデルとしては魅力的なカーボンロードです。
 機械式105搭載の最下級モデルSupersix EVO4は399,000円、TCR ADVANCED 2 KOMは330,000円です。この7万円近くの差は大きいと思いますが、ここは個々のパーツ等も比較してみないと、TCRの方が安くて良いと本当に思えるのかを見て行きたいと思います。

 というのも、私が初のロードバイクを選んだ時の苦い経験があるからです。当時GIANTのTCR2とcannondaleのCAAD10 105の価格差がやはり7万円ほどあったのです。アルミフレームに機械式105搭載で一見同じように見え、格差でTCR2を選ぶことになるのですが、実際に乗ってみるとブレーキキャリパーがテクトロだったり、クランクセットがFSA OMEGAだったりと、GIANTが価格を抑える為にパーツのレベルを落としていたことが、実際の走りに影響することを実感したからでした。

 クランクセットはCAAD10もFSAでしたが、これはcannondaleのBBがBB30という規格を採用していたため、シマノのクランクを使用するには専用のアダプターが必要としたからでした。勿論、上のクラスでもFSAのクランクセットが使用されていたのです。ただ、この同じFSAのクランクでもTCR2にはOMEGA MEGAEXO 、CAAD10はGOSSAMER PROと明らかにグレードの違いがあったのです。そして、最も気になったのがブレーキキャリパーでした。

 勿論、カタログにはきちんと表記されていたのですが、初心者にはその違いが分かるはずもなく、翌年、CAAD10をフレームで組むことになり、安物買いの銭失いを地で行く結果になったのです。
 先日、IT技術者のロードバイク日記で「39万円のCannondale SuperSix EVO 4は隠れお得バイクなのでは・・・」という記事を見つけ、熟読させていただきました。この記事では第4世代のSupersix EVO4(機械式105最下級モデル)の機材毎の価格を分析し、新型Supersix EVOのスタンダードモッドのフレーム価格を20万円弱と推定しているのです。内訳は以下の通りだそうです。(IT技術者のロードバイク日記より引用)

・シマノ 105 機械式:130,106円
・DT Swiss R460 db:20,000円
・Vittoria Zaffiro Pro Slick:7,260円
・Vision Trimax Compact:10,120円
・Cannondale C1 Conceal, Alloy:17,000円
・Prologo Nago RS STN:4,741円
・Cannondale Wheel Sensor:8,800円
・フレームセット 217,973円
 上位モデルのHi-MODのフレームセットが62万円、CAAD13のディスクブレーキ用のフレームセットが165.000円なのを考えると、この価格は破格なものに見えてしまうのは私だけではないでしょう。
 
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エアロロードが石畳を駆け抜ける時代

2024-04-03 12:18:21 | ロードバイク
 UCIのプロロードレスはモニュメントの初戦となる3月のミラノ-サンレモ(Milan-Sanremo)で幕を開けます。UCIのロードレースにはツール・ド・フランスに代表されるような複数日にわたって行われる「ステージレース」と一日で競技を終了する「ワンデイレース」がありますが、クラシックレースの最高峰とされるモニュメントと呼ばれるレースは「ワンデイレース」だけなのです。
 UCIのモニュメントとは、ミラノ〜サンレモ (Milan-Sanremo)、ロンド・ファン・フラーンデレン (Ronde van Vlaanderen)、パリ〜ルーベ (Paris - Roubaix)、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ (Liège - Bastogne - Liège)、イル・ロンバルディア (Il Lombardia) の五つで、クラシックの中でも、とりわけ古い歴史があり、記念碑的なレースのことをいいます。
 そのモニュメントの2つが終わり、いよいよ今週はパリ〜ルーベ (Paris- Roubaix)が開幕します。先週のロンド・ファン・フラーンデレン (Ronde van Vlaanderen)は過酷なコースに悪天候も重なり、とてもタフなレースになりました。特に印象に残ったのは残り45km地点に登場する最大勾配22%の激坂コッペンベルグでした。雨で濡れた急勾配にバイクを降りる選手が続出したのです。

 そんな中この雨で濡れた急勾配の石畳を先頭で駆け上って来たのはマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)でした。シクロクロスの世界チャンピオンでもあるファンデルプールならではの走りだったのですが、私を驚かせたのは彼のバイクでした。

 先日、10年という長期契約を結んだCANYON(キャニオン)のエアロロードCFRだったからです。これまでパリ-ルーベを初めとするパベ(石畳)を駆け抜けるレースでは、SpecializedのRoubaixやTREKのDomane、cannondaleのSynapseといったエンデュランス系のバイクを駆ることが多かったのですが、今ではエアロロードが使われるのが当たり前になっているようです。

 これは、ロードバイクのディスクブレーキ化が進み、タイヤクリアランスを大きく取ることが可能になった結果だと思います。リムブレーキの時代はタイヤ幅が限られていたため、振動吸収性やバイクの安定性を考えたフレーム設計が必要でしたが、今ではチューブレスホイールに幅広のタイヤをエアロロードに装着することで、年々レースの平均速度が上がって来ているのです。
 ファンデルプールはCANYONのCFRにSHIMSNOのDURA-ACEチューブレスホイールにVITTORIAのCORSA PROで270.8kmの過酷なレースを6:05:17というタイムで制したのです。タイヤ幅はおそらく28Cか30Cで空気圧は不明。来週のパリ-ルーベでは32Cという太いタイヤの選択になると思います。

 昨年のパリ-ルーベではワウト・ファン・アールトがCERVELOのエンデュランス系CALEDONIAを、ペテル・サガンがSpecializedのRoubaixを使用していましたが、優勝したのはCANYONのCFRを駆ったファンデルプールでした。近年のハイスピードレースではエアロロードがものをいう時代に入っているようです。太いタイヤを低圧で走る場合、石畳や未舗装路ではグリップが良く走り易いのですが、舗装路だとスピードが落ちてしまうのですが、エアロロードではその減速率が低いのかもしれません。
 
 


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