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スタート直後の激しいアタック合戦から始まったステージは、最初の1時間は平均速度が57km/hを越える超ハイペースで流れ、結構大きな逃げ集団を複数作ることになってしまった。その中に総合成績を左右する選手が含まれていたため、有力選手を抱えるチームにとってはとても難しいレースを強いられることになる。そんな状況でもポガチャルを擁するUAEは落ち着いて見えた。先頭から5分以上離されたものの有力選手を含む集団はかなり小さくなり、ポガチャルも13位でフィニッシュしているのだから。
残り126kmからイタリアの若手ミルコ・マエストリ(ポルティ・コメタ)を引き連れて飛び出したアラフィリップ。時折マエストリに声を掛け、山岳ポイントを譲りながら快調に逃げて行った。ここまで若手の活躍が目立っていたが、この日はベテランの日となったようだ。
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今年のジロでも第1ステージのナルバエスは27歳、第2、7、8ステージのポガチャルは25歳、第4ステージのペラヨ・サンチェスは24歳、第9ステージのオラフ・コーイは22歳、第10ステージのヴァランタン・パレパントルは23歳、スプリント2勝を挙げているジョナサン・ミランは2000年生まれの23歳なのだ。
こうした若くて脚力のある選手たちの隙をつく数少ないチャンスを見逃さないのがベテラン選手なのだろう。特にこのステージのアラフィリップは若いマエストリを励ましながら、ポイントも彼に譲ることでモチベーションを高めることに成功している。そんなベテランに引っ張られるように懸命に走り切ったマエストリも9位でゴールしているのだ。
2022年の落車による怪我以降、時折勝利を挙げながらも以前のような成績が残せないでいたアラフィリップ。また昨年の冬には所属チームのGMであるパトリック・ルフェーブル氏との軋轢も報じられるなか、改めてその強さをジロという舞台で証明することが出来たのだ。
余談になるが、前日のミランもこの日のアラフィリップも発売されたばかりの新型SRAM RED AXSを使用しているので、MTBに続いてロードでもSRAMがSHIMANOを脅かす存在になりつつあるのかもしれない。
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明日の第13ステージは平坦コースなので、ミランの勝利をライバルチームがどう封じるのかに注目だ。ポガチャルはアシストのグロースシャルトナーの回復を待つに違いない。彼の勝負は第14ステージの個人TTと翌日の山岳頂上ゴールになるはずだ。