喘息治療に用いる吸入ステロイド薬にはたくさん種類があります。
しかし統一規格はなく、各製薬会社が「自分の所の吸入器(デバイス)がベストです!」と開発競争が盛んです。
それが混乱の原因にもなっています。
各デバイスで吸入方法が微妙に異なり、指導・実施に迷いが生じがち。
当院では小児適応のあるDPIのフルタイド、アドエアとpMDIのキュバールを採用しています。
表を見ると、各デバイスの吸い方は、
(DPI:フルタイド、アドエア)→ 強く深く「スッ〜と」
(pMDI:キュバール)→ ゆっくり
となっています。
この二つ、具体的には違うのでしょうか?
薬の側からみると、粒子径はDPI>pMDIであり、DPIは流速が速くないと肺の奥の方まで到達しませんので「強く深く」という表現になっているのですね。
この二つを同じように指導できないものだろうか?
と以前から考えてきた結果、現在は
「大きく深く吸いましょう」
と指導するようになりました。
なお、子どもにpMDIを使用する場合は、吸入補助器具(スペーサー)を用いるのがふつうです。大人で指導される「オープンマウス法」「クローズマウス法」ではほとんど吸入できないとされています。
これらのことを扱った記事を紹介します。
大林先生は吸入指導の本も書いている有名な方です。
■ 吸入は「強く吸う?」それとも「はやく吸う?」
大林 浩幸(東濃中央クリニック)(日経メディカル:2016/11/29)
吸入指導をしていて常日頃から感じているのですが、吸入の仕方や息止めなどの吸入手技操作に対する表現、あるいは通気口やマウスピースなどのデバイスのパーツ部分の表記がメーカーごとに異なっていることに不便を感じています(表1、表2、表3参照)。
ドライパウダー型吸入薬のデバイスを別のドライパウダー型に変更した時に、患者さんに「強く深く」を「はやく深く」の吸い方にするには、どのように変えれば良いのかと聞かれ、答えに詰まったこともありました。
また、薬剤師の先生方への講習会やロールプレーイングの際に、デバイスの部分の呼称が薬剤師ごとにバラバラであることがしばしばあります。おそらく患者さんに様々な伝わり方をしているのではないかと考えさせられます。
表現が異なると、意味合いが正しく伝わらないことがあり、ピットホールが生じる要因の素地になります。吸入デバイスをよく知り、用語や表記が意味するところを理解することが、患者さんの疑問に答えられる第一歩です。
<参考>
□ キュバール吸入方法の説明会(当院ブログ)
しかし統一規格はなく、各製薬会社が「自分の所の吸入器(デバイス)がベストです!」と開発競争が盛んです。
それが混乱の原因にもなっています。
各デバイスで吸入方法が微妙に異なり、指導・実施に迷いが生じがち。
当院では小児適応のあるDPIのフルタイド、アドエアとpMDIのキュバールを採用しています。
表を見ると、各デバイスの吸い方は、
(DPI:フルタイド、アドエア)→ 強く深く「スッ〜と」
(pMDI:キュバール)→ ゆっくり
となっています。
この二つ、具体的には違うのでしょうか?
薬の側からみると、粒子径はDPI>pMDIであり、DPIは流速が速くないと肺の奥の方まで到達しませんので「強く深く」という表現になっているのですね。
この二つを同じように指導できないものだろうか?
と以前から考えてきた結果、現在は
「大きく深く吸いましょう」
と指導するようになりました。
なお、子どもにpMDIを使用する場合は、吸入補助器具(スペーサー)を用いるのがふつうです。大人で指導される「オープンマウス法」「クローズマウス法」ではほとんど吸入できないとされています。
これらのことを扱った記事を紹介します。
大林先生は吸入指導の本も書いている有名な方です。
■ 吸入は「強く吸う?」それとも「はやく吸う?」
大林 浩幸(東濃中央クリニック)(日経メディカル:2016/11/29)
吸入指導をしていて常日頃から感じているのですが、吸入の仕方や息止めなどの吸入手技操作に対する表現、あるいは通気口やマウスピースなどのデバイスのパーツ部分の表記がメーカーごとに異なっていることに不便を感じています(表1、表2、表3参照)。
DPI(ドライパウダー式吸入デバイス)別の表記一覧
pMDI(加圧噴霧式定量吸入デバイス)別の表記一覧
SMI(ソフトミスト式吸入デバイス)別の表記一覧
ドライパウダー型吸入薬のデバイスを別のドライパウダー型に変更した時に、患者さんに「強く深く」を「はやく深く」の吸い方にするには、どのように変えれば良いのかと聞かれ、答えに詰まったこともありました。
また、薬剤師の先生方への講習会やロールプレーイングの際に、デバイスの部分の呼称が薬剤師ごとにバラバラであることがしばしばあります。おそらく患者さんに様々な伝わり方をしているのではないかと考えさせられます。
表現が異なると、意味合いが正しく伝わらないことがあり、ピットホールが生じる要因の素地になります。吸入デバイスをよく知り、用語や表記が意味するところを理解することが、患者さんの疑問に答えられる第一歩です。
<参考>
□ キュバール吸入方法の説明会(当院ブログ)