goo blog サービス終了のお知らせ 

小児アレルギー科医の視線

医療・医学関連本の感想やネット情報を書き留めました(本棚2)。

脂を食べると脂肪になるから太る・・・ではない?

2025年03月16日 14時25分27秒 | 糖質制限
脂っこいものをたくさん食べると健康に悪い、
太るし中性脂肪やコレステロールも上がり、
生活習慣病・メタボリックシンドロームの原因になる、
・・・と一般に考えられています。

でもね、以前から私は疑問に思っていました。

それは自分自身が「糖質制限」「炭水化物制限(ロカボ)」に目覚めて、
啓蒙書を何冊か読んだとき、
「脂肪になるのは糖質がメイン」
「脂肪をたくさん食べても直接、カラダの脂肪にならない」
と書いてあったのです。

では脂肪を食べるとどうなるの?
という疑問が残りました。

先日、ダイエット本の紹介記事が目に留まりました。そこにはなんと、
「食べる“脂肪”とカラダの“脂肪”は別物」
と書いてあったのです。さらに、
「血液検査で測定されるコレステロールは、私たちが食べたものではありません。それは、私たちの体内(肝臓)で作られたもの」
とありました。

では、日本の栄養指導は間違っているのでしょうか?
管理栄養士さんから意見を聞きたいですね。


▢ オックスフォード大首席卒 減量専門医が明かす痩せない理由、「脂質と脂肪」のワナ
2025.03.08:Forbes JAPAN 編集部) より一部抜粋(下線は私が引きました);
・・・
 著者はオックスフォード大学医学部を首席卒業後、食欲や体重管理の研究でイギリスを代表する減量専門医のサイラ・ハミード氏。イギリスで深刻化する肥満人口増加を食い止めるべく、「フル・ダイエット」と呼ばれる減量プログラムを考案。参加者たちは平均16キロ減量、糖尿病の改善、血圧低下など、科学的にめざましい効果が実証された。

▶ 「脂質」を摂っても太るわけではない
 減量プログラム開始直後の段階では、参加者から「脂肪を摂ったら太りませんか?」とよく質問されます。私はその度に、答えが「ノー」であることを喜んで説明して、相手を安心させます。
 私たちを太らせるのは糖です肉や魚、オリーブオイル、乳製品、ナッツ類、種子に含まれる天然の脂質を摂っても、太るわけではないのです。
 この誤解の大きな原因になっているのが、食べ物に含まれる「脂肪」(脂質)と、私たちの身体の「脂肪」がどちらも「ファット」(fat)と呼ばれているという言葉の問題です。
 実際には、身体の脂肪(体脂肪)の正式な医学用語は「脂肪組織」(adipose tissue)と言います。
 「脂肪を摂ると太る」という考えから抜け出すため、これからは体脂肪を「脂肪組織」と考えてみてください。
 そうすれば、食べ物の中の「脂質」と身体の中の「脂肪」がまったくの別ものであり、言葉の偶然の一致が何十年にも及ぶ混乱をもたらしていることを理解しやすくなるはずです。

▶ 脂質を摂るとコレステロール値が上がる?
 他に患者からよく尋ねられるのが、「脂肪を食べたらコレステロール値が上がりませんか?」という質問です。脂質を多く摂ると動脈が詰まりやすくなり、心臓発作や脳卒中になるのではないか、と恐れているのです。
 しかし、血液検査で測定されるコレステロールは、私たちが食べたものではありません。それは、私たちの体内(肝臓)で作られたものなのです。
 コレステロールをどれだけ摂ったかは、コレステロール値にほぼ関係ありません。実際、米国政府の食生活指針では、以前はコレステロール摂取量を制限することが推奨されていましたが、現在では撤廃されています。
・・・
 患者たちは、天然の食材に豊富に含まれる健康的な脂質を摂るようになったことで、心臓に良い善玉コレステロールであるHDLコレステロールの値が増加し、中性脂肪(トリグリセリド)の値は低下していました。
 中性脂肪は血液中の脂肪粒子で、心臓発作や脳卒中のリスクが高いメタボリックシンドロームに関連しています。中性脂肪値が下がると、これらの疾患の発症リスクは減ります。
 彼らは台所から低脂肪食品を一掃し、祖父母の世代が食べていたのと同じ美味しい脂質を摂取しているにもかかわらず、コレステロール値は改善しているのです。


<参考>
・『英国の専門医が教える 減量の方程式』(サイラ・ハミード著)


コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。