新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

「日本学術会議」から「学術」取ったら悪名高い「日本会議」

2020年10月25日 11時48分28秒 | 菅義偉

今までの記事や過去の著書を見る限り、まともな仕事をしているらしいが、右派ジャーナリストからは嫌われているらしい、朝日新聞の北野隆一編集委員。
 
見逃していたのだが、先週、彼はこんな記事を書いていた。
 
弁護士ら、首相の任命拒否「正当」 学術会議問題

弁護士有志でつくる「日本弁護士協会再建準備会」が23日、国会内で記者会見し、日本学術会議が推薦した会員候補6人を任命しなかった菅義偉首相の措置を「正当」として支持し、「日本学術会議法は、推薦された者の一部を首相が任命しない措置を排除したとは解されない」と主張する声明を発表した。
 会見には同準備会代表世話人で「新しい歴史教科書をつくる会」会長の高池勝彦弁護士や、声明に賛同する高橋史朗・麗沢大特任教授、田中英道・東北大名誉教授らが参加。声明では日本学術会議について「法の支配が機能せず人権侵害が多数報告されている軍事大国の研究機関と提携関係を結んでいる」と主張。「日本学術会議法を廃止し民間学術団体とする」などの「抜本的改革」を国に提言した。(編集委員・北野隆一)

  
「日本弁護士協会再建準備会」なる組織があることは知らなかったが、難関な司法試験に合格して弁護士になった人は、一般の人たちから見れば「優秀な人」たちかもしれないが、弁護士といってもピンからキリまで世の中には存在する。
 
米国の政治家には多くの弁護士資格を有する議員が多いが、もちろん日本の国会議員の中にも弁護士資格を有する者はいる。
 
その名の通り「弁護士」は依頼人の利益のために仕事をするので、依頼人によってその弁護士の立ち位置が明確になる。
 
刑事裁判に於いて検察側から起訴された被告人が極悪非道な殺人者であろうが必ず弁護人が選任されるのが日本の司法制度である。
 
民事事件の場合、原告・被告の双方に代理人としての弁護士が登場する。
 
労使紛争の場合は訴えられた会社側の弁護人は、「経営法曹」と呼ばれる弁護士であり、労働側には「労弁」と呼ばれる人権派の弁護士が担当することが多い。(もちろん例外もあるが)
 
したがって、依頼人によって「良い弁護士」や「悪い弁護士」が存在するがその境界はグレーであろう。
 
話が大分それてしまったが、先の朝日新聞記事のタイトルの主語が「弁護士」となっており、どのような弁護士なのかは一般の読者にはわかりにくく、ミスリードを引き起こしやすい。
 
ネット上では様々な批判があった記事のタイトルと内容であったが、産経新聞が同じ会見を記事にするとこうなってしまう。
 
『民間学術団体に』弁護士団体が提言」 
日本学術会議のあり方をめぐり、有志の弁護士らでつくる「日本弁護士協会再建準備会」(代表世話人・高池勝彦弁護士)は23日、記者会見を開き、学術会議を民間学術団体として改組することなどを求める声明文を発表した。22日に菅義偉首相や加藤勝信官房長官らに発送したという。
 声明文では、学術会議について「自由な軍事研究を抑制する政治的立場を表明し、一種の学問統制機関として機能している」と指摘。学術会議が中国科学技術協会と協力覚書を交わしていることなどを念頭に「外国の軍備を助長するというべき姿勢すら示している」と断じた。
 さらに、首相が学術会議から推薦された6人の任命を見送った正当性を主張した上で「学術会議の行政機関としての位置づけを廃し、純然たる民間団体として組織すべきだ」と訴えた。

「極右日本会議系の御用弁護士、御用学者」たちということが見事に隠されている。
 
残念ながら「学術」には全く興味がない「日本会議国会議員懇談会」副会長の菅義偉にとっては、日本学術会議から「学術」をとった「日本会議」のほうが居心地が良いのだろう。
 
明日から臨時国会が開かれ、菅義偉が首相として最初の(最後になるのかは不明)所信表明演説を行う予定であり、その準備に余念がないとメディアは伝えていた。
 
所信表明なので、コロナ禍の日本が今後どのように立ち直り多くの国民に明るい希望を抱かせてくれるのか、「自称苦労人」の国家観を披露してもらいたいものである。
 
(社説)学術会議問題 自身の戒め忘れた首相」(朝日新聞) 
 
首相は大臣に窓口になってもらうと言い、その井上信治・科学技術担当相は「首相の方で考えていただく」と逃げる。
 日本学術会議が推薦した会員候補6人の任命を菅首相が拒否した問題で、理由を明らかにするよう求める学術会議側に対し、政権は不誠実かつ無責任な態度に終始している。
 従来の国会答弁に反することをしながら説明をせず、論点を学術会議のあり方にすり替え、たらい回しで相手の疲弊を待つ。それが「国民の感覚」重視を唱える政権のやり方なのか。
 首相が最近出版した「政治家の覚悟」の中に、「『伝家の宝刀』人事権」という章がある。総務相時代にNHK改革を進めるため、消極的とみられた担当課長を更迭した逸話を披露しながら、こう書いている。
 「人事権はむやみに行使するものではありません」「更迭された当人は別にしても、まわりから支持が得られ、納得されるものでなくては、反発を招き、官僚の信頼を失うことになります」「まちがっても恣意(しい)的に利用してはなりません」
 この間(かん)の首相の振る舞いは、この戒めの明らかな逆をゆく。しかも今回は、省庁の役人とは違い、学問の自由を保障する憲法のもと、政治からの独立・中立が求められる組織の人事だ。慎重さや丁寧さがより求められるケースではないか。
 首相の本意は人事権をめぐる別の記述にあるようだ。組織を統率し、己の意のままに動かすために、手にしている大きな権限を行使するという考えだ。
 6人は前内閣に批判的な発言をしたことがある。総合的、俯瞰(ふかん)的、バランスといった聞こえのいい言葉の裏に、異論を唱える者を許さず、研究者とその集団を政権に従順なものにしようという思惑が透けて見える。
 だがそんな力ずくの手法は、まさに「反発を招き、信頼を失う」。問題発覚後の内閣支持率の下落はその表れだ。
 批判をかわそうと、政権やその支援者は学術会議の側に問題があるとの言説を流してきた。税金を使いながらまともに活動していない、税投入は日本だけだ、中国の国家事業に積極的に協力している――などだ。
 虚偽や歪曲(わいきょく)があると指摘されると、訂正したりトーンを弱めたりしたが、ネット上には、誤った情報をもとに会議を批判し、学者をことさらにおとしめる投稿が相次ぐ。フェイクニュースをばらまき、人々を誤導・混乱させた罪は大きい。
 あすから臨時国会が始まる。著書で、説明責任を果たすことの大切さにも繰り返し言及している首相が、数々の疑問にどう答えるか、注目したい。

そして、短期間だが予算委員会が始まれば、避けては通れない諸問題が発生しており、改めて以下に簡単に列挙しておくので、逃げずにじっくりと国民に分かりやすい答弁を準備しておいてほしい、とオジサンは思う。
 

1. 日本学術会議の新会員6名を任命拒否。
2. 拒否の理由説明も拒否。
3. 内閣記者会との出来レース「グループインタビュー」に批判続出。
4. 記者会見もせずに、ベトナムとインドネシアへ初の外遊。
5. 中曽根康弘元首相の葬儀に国費、弔旗掲揚を大学や裁判所へ要請。
6. 側近らから悪質なデマ噴出、ファクトチェックでデマと認定。
7. 杉田和博官房副長官の“暗躍”ぶりに注目集まる。
8. Go Toトラベル、「トラブル」続きで対応を変更。
9. 「成長戦略会議」に竹中平蔵氏らを招聘、新自由主義へさらに傾斜。
10. 東京オリンピック・パラリンピックに前のめりの姿勢

 

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