建交労長崎県本部

全日本建設交運一般労働組合(略称:建交労)長崎県本部のブログです。
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三島一幸先生を招いての「じん肺・アスベスト学習会」報告!

2016年10月21日 07時32分50秒 | 活動報告

 

27回なくせじん肺全国キャラバン長崎実行委員会の最後の取り組みは、1013日午後6時半から長崎市立図書館多目的ホールで開催した「じん肺・アスベスト学習会」でした。長崎実行委員会の16団体から80人が参加しました。

 同実行委員会の代表世話人の戸田清環境科学部教授が開会あいさつを行いました。戸田氏は「講師の三島先生は、一回り若い自分と同じ申年生まれで同じ月」と講師の紹介を行いました。 

引き続き長崎県労連の大場雅信議長が支援団体を代表して連帯あいさつを行いました。大場議長は「じん肺をはじめとするすべての職業病の根絶は、労働組合の最重要の取り組み」と述べました。 

続いて、中里研哉事務局長が今回のキャラバンについて、「皆さんのご支援で大成功を収めることができた」「わずか40日ほどで6,000筆を超えるじん肺根絶署名が集まった」「特に大半を集約した平和運動センター、長崎地区、佐世保地区労に感謝したい」と報告しました。

 

いよいよ、健友会上戸町病院三島一幸院長(上の写真)の講演に入りました。三島院長は、地元長崎の小学校、中学校、長崎南高、長崎大学医学部を卒業して長崎民医連に就職して医師として仕事をしていると自己紹介、そして、なぜ呼吸器内科を始めるようになったかのエピソードを語りました。その中でじん肺診察に携わっていた元キャラバン実行委員会の代表世話人であった山下兼彦医師(下の写真)や上尾真一医師から影響を受けたと述べられました。

「じん肺・アスベスト関連疾患」と題した講演は、じん肺がなぜ起きるかというお話から、珪肺、石綿肺、溶接工肺など吸引した鉱物によってそれぞれのじん肺名があること、じん肺アスベスト関連疾患であるにも関わらず見落とされてしまう疾患に「間質性肺炎」「COPD」「肺がん」「悪性中皮腫」などがあり、十分注意する必要性を訴えられました。特に「間質性肺炎は『職業上や生活上での粉じんの慢性的な吸入』で起きるのは『じん肺症』と呼ばれます」と分かりやすく説明されました。

原因などがわからない間質性肺炎は「特発性間質性肺炎」と呼ばれるが、じん肺のような原因のはっきりしている間質性肺炎は、じん肺そのものであると繰り返されました。

COPDとじん肺の関係では、「(当時の喫煙習慣が高い時代の背景から)粉じん暴露者のほとんどが喫煙歴があり粉じん暴露との因果関係が認められにくい」「粉じんの種類によっては繊維化が軽度で局所気腫形成を特徴とするものがあるが、結果としてじん肺の粒状影が消失する」と述べられました。

最後に、悪性中皮腫患者さんの症例を報告されました。患者は、最初アスベスト曝露歴の十分な聞き取りができなかったものの検査技師の長年の経験から複数の検査会社へ細胞診の検査を依頼し、ついに悪性中皮腫の確定診断でき、労災認定に結びつきました。

三島先生の分かりやすい講演に参加者も「大変良かった」と感想を述べていました。

事務局長からは、1123日に開催される「過労死シンポジウム」の案内があり、たくさんの参加で成功させようと呼びかけました。

 

 


第27回なくせじん肺キャラバン長崎県要請行動!

2016年10月21日 06時06分29秒 | トンネルじん肺

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長崎実行委員会による長崎県要請は、1013日に取り組まれ、実行委員会側から横山巖代表世話人以下30名が参加しました。

要請の冒頭、中里事務局長が、今年度の要請行動の中で、長崎市では石綿含有住居の石綿除去の為に1千万円を上限とした補助金制度が開始されたことなど、前進面が見られることを述べました。

しかし、要請に対する県の回答は、発注者責任も知らぬ顔とばかりの内容が続き、じん肺根絶を求める首長賛同署名についても「国に要請する立場にない」と一蹴ときたもので、参加者のフラストレーションも頂点に。中里事務局長と村里事務局次長から「じん肺根絶に対する知事の姿勢を問うている」「県の担当者として、じん肺患者数が全国でも23番目に多いということをどう考えているのか」と追及がありました。

しかし、それでも、「各企業がしっかり対策をして以降のじん肺患者は減っているのでは?」と根拠も示さない県の回答に終わり、参加者一同暗澹たる思いになりました。トンネルじん肺の根絶についても、県は8時間労働による積算・発注をしていると言うのみで、実際の労働がどうなっているかの把握はできていませんでした。

そうした県に対して、村里事務局次長が、かつての造船現場の同僚が、石綿被害によって発症から短期間でなくなるなど、写真も示しながらじん肺の苦しさを説明しました。横山代表世話人(じん肺弁護団)が、じん肺・石綿被害については「労災ではない」と造船工業会が言い放ったエピソードも紹介しながら、「企業任せにするのは危険だ。行政として積極的な行動が求められている」と締めくくりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


なくせじん肺キャラバン「じん肺・アスベスト学習会」のご案内

2016年10月12日 16時27分10秒 | 行事案内

第27回なくせじん肺キャラバン長崎実行委員会の主催で、下記の通りじん肺・アスベスト学習会が開催されます。

どなたでも参加できます。多くの皆さんのご参加をお待ちしています。

 

日時:10月13日(木)18時30分~20時15分

会場:長崎市立図書館多目的ホール

演題:じん肺・アスベスト関連疾患

講師:三島一幸医師(社会医療法人健友会上戸町病院院長)


じん肺キャラバン要請行動!

2016年10月03日 13時50分51秒 | トンネルじん肺

長崎労働局に実行委員会の36人が要請!】

長崎労働局への要請行動は、9月29日10時から行い、実行委員会内の各団体から36人が参加しました。長崎労働局は、労働基準部の監督課、健康安全課、労災補償課が対応しました。

全国統一要請書については、「本省に伝えます」という回答がほとんどでしたが、当局からは「私たちの提言」が貴重な意見であり役立っている旨の発言もありました。長崎労働局内で不支給が連発している間質性肺炎をじん肺そのものとして扱うこと、という事項については、「裁判で係争中である」として当局は回答を拒否しました。

長崎はトンネル建設ラッシュ!

現在、長崎県内では新幹線の新規建設と高速道路の四車線化に係わって、トンネル工事ラッシュとなっています。ここ数年、実行委員会としては、36協定を盾にした恒常的な10時間労働に対する指導と是正を強く要請してきました。当局からは、トンネル工事現場については臨検やパトロールによって36協定の順守状況も調査していることと、現場に入る際の留意通達において、一日2時間の恒常的な時間外労働があれば縮減するよう指導している旨の回答がありました。実行委員会からも、「粉じんはなくすことはできないが、粉じん暴露を減らすことはできる。8時間労働を徹底すること」と、改めて要請しました。

じん肺管理区分随時申請は7割が管理1決定!

じん肺と石綿の健康管理・労災認定の状況についてと、アスベスト作業場に対する指導、石綿関連(建設)の労災認定事業場の公表について、長崎実行委員会独自の要請を行いました。

じん肺の平成27年度中の認定状況については、事業場申請は93件中90件が管理2以上となっているのに対し、随時申請分は65件中45件が管理1(実に約70%)となっていました。石綿関連の労災認定状況は、平成27年度中の新規認定36件の内、長崎労基署管轄が26件、佐世保労基署管轄が8件となっており、造船を基幹産業としている労基署管轄で殆どを占めています。実行委員会からは、造船現場のパトロール強化を要請しました。

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【長崎市長要請】

9月29日午後1時から長崎市役所要請を行い、キャラバン実行委員会の各団体から代表34人が参加しました。市側からは「まちづくり部」「市民健康部」から各担当者が出席しました。

少しずつ回答が前進していると実感

長崎市には、民間建築物のアスベスト対策、市立病院での肺がんや間質性肺炎患者への職歴調査の徹底などを申し入れ、文書で回答をしました。昨年市は、1000㎡未満の民間建築物アスベスト未対策39件から、書面で実施を求め、その後1件を完了させたと回答しました。さらに今年度は2件の調査を予定している」「熊本地震でも民間建築物のアスベスト飛散が問題になった。ハザードマップ作成した。いざという時には活用できるように準備している」と回答しました。「医療機関に対し肺がんや間質性肺炎患者の職歴問診を徹底してほしい」という要請に「市立病院機構では指導を徹底してきたが、今後は長崎市医師会にも要請を行う」と回答しました。

長崎市の回答は、少しずつ前進していると実感しました。

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 【長崎県医会要請】

9月29日午後4時から県医師会要請に、中里事務局長をはじめ5名が参加しました。医師会側からは長谷川宏常任理事(開業医)と木下郁夫常任理事(長崎原爆病院医師)が出席しました。

長谷川理事は「8月27日産業医の研修で、じん肺・アスベストの学習などが行われている」「行政からの文書が出れば、会員に配布をしている」「インフルエンザ予防接種は、基礎疾患のあるじん肺患者は当然優先的に受けられる」、じん肺患者に発症した間質性肺炎問題は、「呼吸器学会から直接学会員になされるもので、医師会としては対応していない」と回答しました。

長崎民医連の山口喜久雄事務局長は「全日本民医連の調査で、原発性肺がん患者の893例を調査した結果、13%にアスベストの影響があった」と述べました。三菱長船じん肺・アスベスト根絶の会の藤原春光会長は「造船現場ではじん肺アスベスト被災者が多く、自分も管理2の合併症で療養を受けている。いつ重症になるか不安。病院によっては、じん肺を間違って他の病気と診断するところもあるので是非周知してほしい」と要望しました。


じん肺キャラバン長崎出陣行動!

2016年10月03日 13時38分51秒 | 活動報告

じん肺キャラバン長崎出陣行動!

9月29日午前7時30分から三菱長崎造船所本館前の岩瀬道で、第27回なくせじん肺キャラバン長崎実行委員会の出陣行動が行われました。早朝から60人の人たちが結集しました。長崎民医労の藤田書記長の司会で始まり、先ず、代表世話人の横山巖弁護士があいさつ。そして、地域支援組織代表で、加世田書記長が連帯あいさつを行いました。加世田書記長は「じん肺を始めとする労災職業病闘争の強化」を訴えました。

 引き続き三菱長船じん肺第1陣訴訟の太田哲郎元原告団長からのメッセージが、三菱長船じん肺・アスベストの会の藤原春光会長によって読み上げられました。そして第2陣の初柴俊夫元原告団長が激励あいさつを行いました。

原告団の代表が決意表明

各原告団からあいさつがおこなわれ、先ず、三菱長船じん肺第3陣訴訟原告団の尾崎豊団長が、決意表明。尾崎さんは「三菱で働いて残ったのは、じん肺などで苦しむ身体だけ」「会社は責任をとって欲しい」「解決までみなさんのご支援を」と呼びかけました。続いて、トンネルじん肺根絶原告団の松田哲朗団長が「会社は、下請けをいじめてはならない」「力を合わせるのが我々労働者の武器。造船も炭鉱も力を合わせ、団結して頑張ろう」と呼びかけました。西日本石炭じん肺請求団の山口等団長は、9月26日の日鉄田川訴訟の勝利と日鉄が上告をしたことに怒りを表明しました。

三菱長船に要請書を手渡す

そして、三菱長船分会の尾上憲也書記長、尾崎団長、実行委員会の中里研哉事務局長の3名が、三菱長崎造船所長宛に要請書を手渡しました。今回は、二人の担当がキャラバン出陣式の場に出て来て、長船分会とキャラバン長崎実行委員会連名の要請書を受け取りました。今までは、実行委員会とは関係がないので受け取りを拒否していましたが、今回は出勤時間のトラブルを避けるために受け取りだけはするとのことでした。