最近だと石炭産業がそうだろうか。無論、資源コストが極限まで高くなった場合にはまた話がちがうのだが。
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産業革命により生まれた蒸気機関が、その誕生の地であるイギリスを超えて全世界に影響を及ぼしたように、デジタル革命の前に日本もアメリカもないと思っている。蒸気機関によって馬車事業が苦境に立ったように、デジタル革命で苦境に立つ既存事業もあるだろう。
しかし、ここでどんなに馬車事業を保護しても、それを守りきれないことを歴史は示している。むしろ馬車事業を守ろうとすることで、鉄道網の整備が遅れ、他の産業まで競争力を失う。別に馬車事業の人が悪いことをしたわけではないし、責任があるわけでもない。が、それこそが「革命」ということの本質ではないか。重要なことは、馬車事業を守ることではなく、馬車業者をいかに鉄道業者に転換していくかだが、すべての馬車事業者が鉄道事業者として成功できるわけではない。その痛みを許容できなければ、ますますこの国が苦しいことになるのではないかと懸念している。