無量大数 - 10の68乗の世界

個人用ストレージもテラバイトオーダーに到達した昨今、世界に散らばるさまざまなジャンルのトピックを拾います。

鉄道システムにおけるフェイル・セーフ

2007-06-26 11:18:39 | 交通問題

先日の架線切断事故は相当大きな影響が出た。弊ブログ子も足止めを食らったが、不幸中の幸いというか、直感的に選択したバス→新交通→新幹線→山手線という代替経路が「どちらかといえば」スムーズに動いたため、それほど余計な時間がかからなかった。とっさにバスに飛び乗ったのは大正解で、途中の停留所では積み残しばかり、かつこのあとのバスは最大3時間待ちだったというから、第六感・直感というものはやはり大事にしたいものだ。


結果的に運転士によるエアセクション停止というミスが原因であったのだが、果たしてこれは運転士個人の責任に帰結させていいものか。否である。


エアセクションでの事故は過去にも複数回起きており、もはや人的要因を人的な体制で100%防ぐのは無理で、前近代的といえるであろう。そこでシステムの出番となる。


すでに首都圏ではATS-Pという最新型のATSを装備している路線が大半である。よって、この速度照査機能を援用してエアセクションでの停止を未然に防ぐバックアップ機能を装備するのが正解ではないか。エアセクション区間では停止させないでエアセクション外まで徐行して移動させる機能や、万が一停止してしまった場合はすぐに自動でパンタグラフを降下させ、発熱による架線切断を防ぐ非常用回路を装備することなどが求められる。


首都圏エリアのような輸送密度が高く、代替路線も限定される地域ではいかに輸送を「止めない」か、止めるにしても極限まで最小化させるか、に力点を置いた施策と投資が必要だ。国民の共有財産であった旧国鉄の資産を引き継ぎ、単なる一企業ではとどまらないJR。目先に利益を得ることばかりに奔走していてはいけない。インフラの担い手としての彼らにはさらなる努力を望みたい。