クロアチアの風  ~茶猫の旅カフェ~

アドリア海の国クロアチアと旧ユーゴの風景をお届けします。旅行情報、写真をお楽しみ下さい。番外編では世界の猫も登場!

映画「最愛の大地」

2014-08-18 03:59:49 | ボスニア・ヘルツェゴヴィナ

ボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争をテーマにした映画。
昨年の公開時に見逃してしまいましたが、先日アマゾンで購入しました。

ボスニア紛争時に敵味方にわかれてしまったカップル、セルビア系のボスニア人の男性ダニエルと、モスリム系ボスニア人のアイラに焦点をあてながら、紛争の悲惨さを伝えます。アンジェリーナ・ジョリー長編初監督作品で脚本も担当、渾身の作品にしあがっています。

正直いって最初は期待していませんでしたが、描写や結末などがハリウッド的でなく、作りはヨーロッパ映画のよう。戦時下での主人公の心理描写が淡々と描かれており、、戦場での緊張感も表現されています。長年、国連の難民高等弁務官事務所の親善大使を努め、社会問題にも目を向けてきた女性ならではの視点から撮られており、ついこの間、ボスニア・ヘルツェゴヴィナでおこった戦争が人々にもたらす影を描写する作品としておすすめできます。ぜひご覧ください。

アップルストアではレンタルもできます。

http://saiainodaichi.ayapro.ne.jp/



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4 コメント

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勝者も敗者も見分けがつかない… (Irene)
2014-08-28 20:09:24
おひさしぶりで~す♪
ここ数日、東京は秋みたいな涼しさ!
ちゃねこさんは、今、どこにいらっしゃるのかしら?

ご紹介の映画、有名な女優さんが監督してるせいか、映像も静かで(フェルメールみたい?)、きれいそうですね。
ちょっと、興味が湧きました♪

旧ユーゴも、ウクライナも、パレスチナも、紛争が起こっている所は、ある意味、みんな<東西の境界>ですネ。
Ireneは最近、タッソの『エルサレム解放』(岩波文庫)を読みました。
イタリア・バロックの大詩人が十字軍をテーマにした叙事詩ですが、今の感覚だと、ちょっとメルヘンチックなメロドラマも多い感じかも?
でも、戦い合う双方について、
「かくして勝者と敗者とは
 つくづくと眺めても容易には見分けがつかぬだろう」
といって、戦争には宗教や敵味方の別なく、ただただ混乱と苦しみがあるのみ…と語るのは、宗教戦争が盛んだった当時では、かなり新しい(危険な?)見方だったのかも?
で、ここにも、敵味方のカップルがたくさん出てきます。これは、その部分の詩に、同時代のモンティヴェルディが曲を付けた「タンクレーディとクロリンダノ戦い」。
https://www.youtube.com/watch?v=GExPKXc8Xjc&list=PLtgU7Mn1hx1a7WmA8VWnvDYxHlK4TPEOI&index=2

これも、「愛する大地」に通じるテーマかもしれませんネ。
では、またアップ、楽しみにしてま~す♪





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なぜ人は戦いを繰り返すのでしょう? (ちゃねこ)
2014-08-29 07:22:42
IRENEさん、お久しぶりです。

この映画の英語のタイトルは「THE LAND OF BLOOD AND HONEY」つまり「血と蜜の大地」
旧約聖書ではイスラエル人にとっての約束の地カナンを『乳と蜜の大地」と表現していますから、この映画では、ことによるとイスラエルでの紛争も視野に入れ、あえて旧約聖書の表現に重ねあわせるようなタイトルをつけたとも考えられます。

『狭間の地」という宿命の中で、もがきながら戦いに巻き込まれ、かけがえのないものを失って行く人々‥

「戦争に勝者も敗者も見分けがつかない」とするタッソの考えは、IRENEさんがおっしゃっている通り、宗教戦争の時代では、かなり斬新な見方だったのでしょうが、まさに現代にも通じる真理ではないでしょうか。
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「愛と戦いの大地」 (Irene)
2014-08-29 12:32:40
ちゃねこさん、さっそくお返事、ありがとうございました♪

「THE LAND OF BLOOD AND HONEY」…
なーるほど!
これだったら、内容にぴったり!!

聖書になじみがない一般の日本人ならピンと来ないかもしれないけど、欧米人ならすぐにわかるはずですネ。
日本人にわかるように訳すなら「愛と戦いの大地」がいいかな? 「最愛の大地」だと、テーマの半分の半分しか伝わらないから…。

タッソ風味だと、「解放された故郷」(直訳だと「解放されたエルサレム」だから)って感じかな…?

地中海歴女Irene(←これって「平和」の意味!)の独り言でした…。
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Unknown (ちゃねこ)
2014-09-01 07:16:24
IRENEさま
お返事が遅くなってすみません。
映画のタイトルは、かなり意訳しているものや、商業的観点からつけられるものも多いですね。
特にこの手の映画は、翻訳者の内容への理解、歴史認識などが問われるわけですね。
訳文って,本当にむずかしい‥‥
‥…茶猫の独り言でした‥‥
ところで Ireneさんって、平和っていう意味なんですね? 知らなかった!
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