CRASEED Rehablog ニューロリハビリテーションとリハビリ医療の真髄に迫るDr. Domenのブログ

ニューロリハビリテーションの臨床応用を実践するリハビリ科専門医・道免和久の日記【CRASEED Rehablog】

今からでも白紙に戻して抜本的に再検討すべきでは?

2006-03-13 18:34:57 | リハビリ
診療報酬改定の内容が明らかになっても、個々の事例ではわからないことばかり。ついに、厚労省も、個々の事例については聞いて下さい、という対応しかできなくなった、と伝え聞いています。

そもそも、人間がどのようにして障害をもち、その障害がどのように改善あるいは悪化していくか、という基本的な点を理解すれば、『疾患群別』に制度化することは【不可能】であることは明らかです。

リハビリ医療・医学の教科書から勉強し、縦割り臓器別医療へ逆行させる改定が、机上の空論であることを再認識して頂きたいところです。

厚労省の狙いが、無駄なリハビリ医療の中止であるとすれば、それをどうやって切り分け、削減するかという議論をすべきでしょう。

ところが、切り分けるための手術方法がわからないからと、時限爆弾をしかけてオペ室から逃げ出してしまったのが今回の『算定日数の上限』問題です。あまりにも乱暴です。

どんなに健康なあなたも、今日3月13日に脳卒中になったとしますと、5月13日までに回復期リハビリ病棟に移れなければ、回復期リハビリ病棟に入る権利を失い、9月13日には、一切のリハビリ医療を受ける権利を失ってしまうのです。

仮に重度の脳卒中により、本格的なリハビリ室での訓練が発症後6か月から開始になったとすると、日数の上限を超えたというだけの理由で、1日も訓練を受けることなく、寝たきりから回復できないままに人生を終えることでしょう。

それは患者さんの責任でしょうか?
それがあなた自身だったら耐えられますか?
あなたの両親だったり、お子さんだったら、どうしますか?

今からでも白紙に戻して抜本的に再検討すべきです。

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