CRASEED Rehablog ニューロリハビリテーションとリハビリ医療の真髄に迫るDr. Domenのブログ

ニューロリハビリテーションの臨床応用を実践するリハビリ科専門医・道免和久の日記【CRASEED Rehablog】

史上最低の診療報酬改定

2006-03-12 17:54:56 | リハビリ
受け皿なしの切り捨て政策という内容もさることながら、医療機関への情報開示、準備期間が必要にもかかわらず年度末になっても不明点ばかりであることなど、スケジュールの上でも史上最低の診療報酬改訂だと思います。

3月中旬になってもわからないことばかり。施設基準の変更によっては、年度最終の1週間で、リハビリ室の壁を抜く工事をしようか、と待機している病院もあるのです。介護保険との連携も不明。支援費制度との関係等も不明。

厚生労働省が「今は答えられない。ペンディング。」と言っている無責任さによって、そのまま何千人もの患者さんに対して、医療機関が同じことを言わざるを得ない状況になることを、厚労省はおわかりでしょうか?

4月からの大混乱が予想されます。大混乱で困るのが医療機関だけなら良いのですが、患者さんに最も影響することが問題です。

病院は国から情報をもらえない、情報がなければ準備ができない、準備不足で患者さんには迷惑がかかるどころか、大変不安に陥れてしまう・・・そういうことを、今回の厚生労働省の不始末が招いていることを自覚すべきでしょう。

数多くの患者さんが、外来で国に対して不満を訴えています。本当に不安なのです。

リハビリの資源は、以前に比べて充実していますが、この数年のことです。それに、まだまだ(相当)地域差があります。全国一律に線引きできない問題ばかりです。

削り易いところから、医療費を削る、苦情が分散するように微妙に疾患毎に対応を変えて、厚生労働省に不満が集まらないようにする、政治力のある特定の団体は保護する、そういう改訂に思えてなりません。

逆説的に言えば、医療費を削る、という目的だけのために、厚生労働省へのクレームが届きにくい良心の固まりのようなナイーブなリハビリ関連団体や、弱い立場ながら患者団体が育っていない障害者が関連する医療部門から手をつけた、『素晴らしい医療改革』と言えるかもしれません。官僚冥利に尽きることと思います。


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