リハビリテーション専門医として、訪問専門診療所の分野を開拓された布谷芳久先生が、2008年7月31日に急逝されました。49歳の若さでした。布谷先生は、慶應医学部リハビリ科の同窓でもあり、米国の国際学会に一緒に参加したり、頭部外傷データベースの仕事で私的なファイルメーカーのファイルをご提供頂いたり、深いつながりがありました。個人的にも、いわゆる馬が合う友人として、全くストレスなく気軽に電話で近況を話したりしていました。それだけに、この訃報には大変驚き、悲しく思っています。
私が兵庫医大に来てまもない平成14年に、以下のような会を開催しました。
http://www.bekkoame.ne.jp/~domen/news.html
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日本リハビリテーション医学会近畿地方会第12回学術集会
(CRC:Clinical Rehabilitation Conference)
日 時:平成14年4月13日(土)14:00~
会 場:兵庫医科大学 9号館 9-2講義室
主催責任者:道免 和久
プログラム:特別講演『訪問専門リハ診療所における地域医療の実践』
東京都港区 狸穴診療所 布谷芳久
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在宅医療自体がまだまだ認知度が低い時代に、いち早くリハビリ科の医師の仕事として、在宅訪問診療を開始された先生の話は、当時大変新鮮で、エネルギッシュに思いました。狸穴診療所という大都会の直中でありながら、独居老人など問題を抱える街で、医療として大成功を納めたと思います。これからさらに発展を、と願っていただけに、大変残念です。
あのときの講演の最後に言っておられた『在宅訪問診療はリハ医が担うべきだ』という言葉は、ずっと印象に残っています。以来、兵庫医大のポリクリのときに狸穴診療所の成功例を学生さんにお話ししていますが、皆さん目から鱗がとれたような反応を示します。
布谷先生の目のつけどころの鋭さを学び、今後も発展させなければならないと思っています。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。