天晴れな千秋楽

恩師が亡くなった。
あまりに突然に。
訃報を聞いた瞬間も「え、誰のこと！？」と訳がわからないくらい突然だった。

１９歳の年に声優養成所の講師と生徒として出逢った。
卒業した後も養成所卒業生で結成された劇団に呼んでいただき、その後ひょんなことから劇団すごろくに呼んでいただき、事務所に所属も出来、私が今までずっと芝居をやってこられた礎もきっかけも繋がりも全て貴方の存在あってこそです。

養成所時代も劇団時代も稽古は厳しかった。
しょっちゅう怒鳴られた。
生意気に反発もした。
で、また怒られた。
そんな中でたまに認めていただけた時は何倍も嬉しかった。

出逢ってから、ほぼ３０年。
ここ数年はなかなかお目にかかる事もなかったけれど、こんなに早く、こんなに呆気なく逝ってしまうなんて、きっと誰も思わなかった。

式場には溢れんばかりの多くの仲間や教え子達が見送りに駆けつけた。
その場に居てもまだ実感が無くて、私は多分泣かないだろうと思っていたけど、先輩や後輩の懐かしい顔触れを見ると堪えられなかった。
世代を超えた同窓会のようで、恩師がこれだけの人との縁を結んでくれたんだ。
皆で恩師を偲んで泣き笑い。

今はただ心からの感謝しかありません。
大山さん、お疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。
真っ青に晴れ渡った空の下、天晴れな千秋楽でした。

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