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スポーツの秋

2006-11-11 02:29:23 | スポーツ・水球
水球に参加するようになったのも、去年のこの時期でした。だけど、ジミーとの関係がギクシャクするようになってからご無沙汰。しかも、8月9月に僕がメキシコ旅行に行っている間に、水球チームは、僕の近所のプールから遠くの郊外にできた新設プールに引っ越していた。それに伴って、練習日時も、これまでの火曜日、木曜日から、水曜日、日曜日に変更・・・。

日曜だったら、小1時間、電車に揺られて水球練習に参加できないこともないけど、往復2時間。水球練習でクタクタに疲れてからまた電車に揺られるということを考えると、参加の意欲がことごとく萎えてしまった。これまで、自宅から徒歩5分の距離にあるプールで練習していたことを考えると特に。

だけど、毎週、定期的にゲイの集まりがなくなったのは寂しい。そこでこの土曜日に参加してきたのがゲイのジョギング・グループ。しかも、僕の自宅から徒歩10分くらいの近所から出発している。(自分のアパート選びの目に狂いはなかった!)週に4回くらい練習しているけど、一番人が集まるのは土曜日の朝というのを聞いて、まずは土曜日の練習に参加してみた。

第一印象は、40代以上が多いということ。40人くらい集まった人の構成はというと、

男女比= 39:1

人種構成
アジア人=2人(僕も入れて)
黒人=2人
白人=残り全員

年齢構成
35才~39才=4割
40才~49才=4割
50才~60才代=2割

皆さん、結構お年をめしているのでびっくり・・・。多分、僕が最年少ではないかと思う。1、2人、20代風な白人男性がいたかもしれないけど、断然、中年白人男性が主流を占めている集団。水球チームも比較的年齢が行ってる人が多かったけど、それでもジミーを含め、40代までというのがせいぜい。やっぱり、水球みたいに運動量の激しいスポーツは50代以上の老体には身に応えるんだろうなぁ。

それにしても、20代の若者がジョギング・グループに少ない理由はいったい何?

この質問を、その晩、ジェームスと夕食を食べているときにしてみた。そのとき二人で考え付いた理由は、

・20代は金曜夜遅くまでクラブやバーで遊ぶから、
 土曜日朝のジョギングには参加したくない

・これまで20代でジョギングに参加した人は、
 このグループが40代以上に占拠されているのを見て
 練習に戻ってこなくなった

どちらも有力な理由に思える。

だけど、まずは最初の練習日。第一印象が大切と肝に銘じて、とにかく笑顔で年齢が上の人にも(わけ隔てなく)自己紹介をした。そして練習がスタート。赤信号も無視して全員が一斉に走り始めた。僕も遅れまいと、集団の後ろのほうからスタート。

すると、練習前に挨拶したおじ様方から声をかけられ、なんか一緒に走ろうみたいな雰囲気だったので、"Hi"とだけ応えて、僕は自分のペースで走り始めた。他の人たちは、みんなそれぞれだべり友達がいるみたいで、グループで走っている。

「そうか・・・走ることが第一目的じゃなくて、こうやって社交的にお話しながら友好を深めることが第一目的なんだ・・・」と改めて気がついた。だけど新参者の僕にはそんな知人がいるわけではなく、かといってゆっくりペースの50代、60代のおじ様・おじい様たちとつるむのも気乗りしなかったので、とにかくマイペースで走り続けた。

しばらくすると、アジア人のKeiが僕の横にやってきた。Keiとは、練習前の数分間で一応挨拶は交わしていた。Keiは、36歳前後くらいで180センチくらいの長身。ゲイの水泳チームにも参加しているらしく、立派な体つきをしている。上半身裸でジョギングしていることからも十分伺えた。

「Hi。調子はどう?」

「大丈夫、なんとか」と僕。

「君は、イッセイ、それともニッセイ?」

「え?」と聞き返す。

「日系一世か二世か」

「あー、僕はね、日本から来てるんだ。それって一世になる?」

「えー、そうなんだ。それだと一世にもならないね。僕は二世。父親がオハイオ州で大学教授をしていて、僕はオハイオで生まれ育ったんだ」

これを聞いて、ピーンと来るものが。僕のLAの知人Judsonが、「日本人と言えば、オハイオ州で生まれ育ったっていう人を知ってる」と話していた。Keiの経歴が、Judsonが話していた人とばっちり合った。それに、ゲイの日本人でオハイオで生まれ育った、なんてそうそういるもんじゃない。

そこで、僕はKeiに対して「Judsonって知ってるでしょ?」と聞いてみた。「Judsonって知ってる?」じゃなく、「知ってるでしょ?」って聞いたところが、いかに僕が確信に満ちていたかっていうことをにじませていた。

僕の隣で走っていたKeiは、

「えー、君もJudsonと寝たんだ」の返事。

なんか、途中のやりとりが2、3段階抜けているけど、とにかく1往復のやり取りで話が済んでしまった。ま、とにかくそういうことです。世の中はまことに狭いものですなぁ~。晩秋の紅葉の中をジョギングしながら感慨に耽る僕。

その後、僕は1.5マイルの折り返し地点で、来た道を戻るのでUターン。Keiは5マイルコースなのでそこでお別れ。また一人で走り始めた僕の横に、おじ様が一人やってきた。

「いつも走ってるの?」

「いや、ジムのトレッドミルで少し走っているくらい」と僕。

「外で走るのはこの景色が違うよね」とおじ様。

この人、Donという名前らしく、この後最後まで僕の伴走をしてくれました。途中、「あんまり走ってないっていうけど、ペースが全然落ちないね」とか、「あともう少しだ」とか、なんか一生懸命、伴走してくれていい人ではありましたが、、、。ま、おじ様です。

だけど、このコース、最初と最後が急な坂になっている。まさに心臓破りとはこのこと。腕、足の筋肉はあんまり疲れなかった僕だけど、呼吸器系が、最後についてこなくなった。坂の中盤では、いくら呼吸を早めても十分な酸素を吸引できなくて死にそうーって心の叫び。だけど隣には一生懸命、励ましてくれるおじ様。歩きたくても歩けない・・・。坂を上りきったところでも、「さあ、あとはあの橋を渡るだけだ」とおじ様。いやーもう走れない。残り100メートルが永遠に思えた。だけど、どうにか完走。

常連さんたちがすごいなーと思ったのが、心臓破りのあの坂でも、息を乱すことなくおしゃべりしてたんだよねぇ。僕が死にそーって唸っている後ろで、息を全然乱すことなくおしゃべりを続ける人たちがいて尊敬でした。

練習後、公園で思い思いに朝食をとり始めるジョガーたち。僕もアイスティーを近くのコンビニで買ってきた。そこに戻ってきたKeiと、その知人のMark(Michaelだったかも)が参加。日光浴をしながらたわいもない会話を数分楽しんだ。(そのときの会話によると、KeiにはJeffreyというパートナーがいるらしく、ちょうどこの日は仕事で韓国に出張で行っているとのことだった。またいずれ、このジョギング・チームで会うことになるでしょう。)

ジョギング・チームを運営している一人がWarrenで、60代近いおじ様。でもとても親切で、第二次世界大戦後の1948年に、駐留兵の父親について日本にいたとか、日本語や韓国語、中国語も少し知っているみたいで、いかにもアジア人好きな感じ。そのWarrenが、「君が誰とflirtしていたか知ってるもんねー」と言ってきた。(flirtは「人の気を引く行為」の意味。)初回の参加で、そんな大胆なことはしてないつもりだったんだけど。Warrenが僕をじらして言っているだけなのかもしれない。

僕は平静に、「えー、僕って誰かとflirtしてた?そんなつもりはなかったんだけど。で、誰とflirtしてた?」と聞き返してみた。だけどWarrenは、「flirtしてたよ」と言うだけで、誰ととは言わなかった。やっぱりじらしていただけなんだろう。

ジョギング後、改めてメンバーを見回してみて、みんないい足しているのに気がついた。やっぱりジョギング・グループなだけはある。それに髪がグレーな人以外にも、35歳くらいでカッコいいジョガーも2、3人みかけたし。それに、この日はちょうど退役軍人の日(Veteran's Day)。練習開始前に、チーム・リーダーのJimから、「今日は退役軍人の日です。この中で僕以外に退役軍人の人はいますか?」というアナウンスがあった。すると、3、4人、手を上げる人たちがいた。結構、マッチョな人たちもいるみたい。

だけど、水球チームの二の舞にならないように、声をえかけてきた人とすぐくっついちゃうんじゃなくて、じっくり時間をかけてメンバーとして溶け込んでいくつもり。(あ~、でもよく発達した太ももで顔もイケテル人に声かけられたらどうしよう、、、なんて無用の心配でした。はい。)

+++
Judsonにも、早速、Keiに出会ったことをメールで伝えた。ちょうどマサチューセッツ州の知人を訪問しているところというJudsonから返事があり、「Keiっていいやつでしょう」とのこと。Judsonって本当に「知人」が多い。

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