アメリカGAYライフ American Gay Life by an expat Japanese

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『凱旋』帰国

2006-03-29 11:13:45 | ゲイ事情
1年ぶりに帰国すると、なにもが新鮮。最初は、JRの窓口で成田エクスプレスの切符を買うことすら、少し緊張してしまった。飛行機の中では、思わず日本人のスチュワーデスさんに英語でドリンクを頼んでしまったりして、「あ、すいません。りんごジュースください」なんて日本語で言い直したり。でも、僕はやっぱり日本生まれで日本育ち。到着から24時間もすると徐々に東京生活の頃を思い出して、迷路のような地下道もヒョイヒョイと人を追い越して歩けるまでに。リハビリの成果。

仕事もとりあえず問題なくこなし、先週金曜には、学生時代からのゲイ友と新宿で再会。紀伊国屋書店で待ち合わせしたのに、なぜか新宿西口に出てしまった僕。「ゲッ!」と思ったときは既に時遅く、僕の切符は改札に吸い込まれ、会社帰りの人ごみでごった返す新宿西口に放り出された僕は、まさに迷子の子供。10年前は新宿近くに住んでたのに・・・。すっかり東京生活に慣れたと思って安心していたのに、まだリハビリ段階は終わっていなかったみたい。しょうがないので、巨大な新宿駅をぐるっと半周し、南口経由で東口へ到着した。約束の時間から遅れること約7分。

相変わらずの友人と再会し、居酒屋へ。日本ってやっぱりいいよねぇ~。居酒屋ですら内装がキレイ。室内なのに入り口あたりには石が敷かれた庭園風なデザインが施され、そこに水がうっすらと張られている。料理だって、量じゃなくて質。盛り付けも気が利いていて食欲をそそる。しかもこの晩、掘りごたつ風のカウンター席に座った僕らは、目の前で作業しているカッコいい板前さんをほぼ独占状態。板前さんなのに僕らに飲み物のオーダーを聞いてくれる親切ぶり。「もしかして?」「いやいや、単なる接客サービス」「でもここは新宿よ」などとおばちゃんのようになってしまう僕ら。

「もう少し頻繁に日本に帰ってきたいなぁ」なんて友達に漏らした僕。すると僕の友人は、

「たまに帰ってくるから、いつも『外専』帰国だよね」

凱旋帰国と、僕が外専だっていうのを掛け合わせた冗談。でも日本に戻って、こうしてカッコいい日本人の板前さんに目うつりしたり、僕って100%外専じゃないんだなぁって久々に発見。最初の恋人は日本人だったし(当然?)。

その後、二人で久々の二丁目に。それもこの晩は金曜。仲通りをとりあえず練り歩いてみたけど、夏の盛り上がりに比べると人は少なかったかな。だけど金曜夜だし、新装開店のお店があったみたいで、半裸状態の店子が交差点ではしゃいでたり、相変わらずの風景だった。だけど、ビックス・ビルの裏手の角にあったArty Fartyは移転し、今、更地になった場所を見て時の流れを微妙に感じたり。

新しい場所に移ったArty Fartyにも行ってみた。初めてじゃないけど、この2階に移転したのは僕がアメリカに移り住んでから。この晩はワイン飲み放題ってことだったけど、僕と友達は大人しくドリンク1杯を注文し、既に込み合っている店内で端っこに陣取って狭いダンスフロアを観察。

いやはや、あまりに若い子ばっかりで驚きました。スーツ着ている人もいたけど、顔は幼い20代前半。白人、黒人の人もいたけど、基本的に20代前半。彼らは日本にどういうステータスで来てるんでしょう?あの政府派遣の英語教師として学校で働くというJETプログラム?それにしても若すぎ。たまにフケ気味の白人男性もいたけど、90%近くが20代前半だった。しかも若い女性も何人か見かけた。だけどダンス・ミュージックがうるさくて、久々に再会した友達とも会話しにくい環境。なので僕らは次の懐かしの場所、GBへと移動した。

地下にあるGBは昔のまま。店員さんだって、数人、新しい人が入っているけど、少なくともそのうちの2人は昔のまま。客層は、昔より一層、高齢化が進んでいる印象でした。若い子はArtyやDragonに行って、年寄りがGBに集まる?みたいな住み分けが進んでいる模様。それに、GBって昔からそうだったけど、基本はハッテン・バー(ハッテン場)だからね。そういう雰囲気が店内に流れてる。もちろん若い子もいたけど、ちらほらってところ。しかもこの晩、僕が頼んだドリンクがミント味の緑のリキュールのソーダ割り。まずい。二口飲んでギブアップ。お店の雰囲気も十分満喫したので僕らはZipへ。

Zip。僕らが大学生の頃は開店したてのおしゃれな熱帯魚バーでした。だけどなぜかあまり人が集まらないみたいで、ArtyやGBみたいに週末、満員電車状態っていうのに遭遇したことがない。今もあるのかなぁ?と不安になりながら行ってみたら、ちゃんとあの鉄の扉は健在でした。中に入ると20人くらいはいたかなぁ。店員さんも一人、見覚えがある人だったし。熱帯魚はさすがに世代交代してクマノミはいなくなっていたけれど。カクテルの種類が多くて圧倒。しかもスパゲッティーまでおいているゲイバーっていうのが、とても二丁目的・・・。ここはArtyより客層が少し上かな。この晩は20代前半から30代前半の日本人ばかりが・・・あ、途中で60代風の白人おじさんも入店したけど。そう、僕もここで年寄りオヤジに声をかけられ閉口した思い出が・・・。

二丁目ってアメリカやヨーロッパとは違う日本のゲイ文化だなぁと観光客になって満喫。


久々の東京ではしゃぎ気味の僕は、アメリカに残してきたものをすっかり忘れてしまっていた。そう、Jimmyとこの出張中に互いに考えをまとめようっていうことになっていた。だけどそんなゆっくり考えられる時間も気分的余裕もない。とりあえずJimmyに東京に到着したことと東京の様子をEメールで伝えたけど、いまだにJimmyからメールが来ない。今日は電話メッセージも残したのに返事がない。「一方が連絡したらそれに返事を出すのが恋人間の礼儀」なんて説教していたJimmyなのに、言った先から自分で実践してない。ま、今の僕らが恋人かというとかなりグレーだけど・・・。元カレRobertが言ったように、worst scenarioを予期しておいたほうがよさそうな気配。