エスティマ日和

『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』2章まで収録の、エッセイ集です。独立しました。

所持品その2

2006年03月30日 | 雑記
一昨日の所持品を受けまして、さっそく「第2回 所持品検査コンクール」を日記で探してみました。

で。

ありました。あったのですが・・・・。

とっても公開されているブログに全てを書ける内容ではございませんでした。

申し訳ございません。

思えば、「とりあげられない」ことを競った第1回と比較すれば、「とりあげられる」ことを狙ったわけですから、内容は当然エスカレートしておりまして、そこに「青雲」や「母子手帳」のさわやかさはカケラもございません。
今さら、他人事のように「よくこんなことまでやるものだ」と、思える内容でした・・・。
しかも第2回は、前回と異なり、学校の実行日がばれておりました。
このため、生き物オンパレード。死に物もたくさんありましたが・・・・。

念のためお断り申し上げますが、これから食事、というかたは読まないでください。


まず準優勝ですが、準優勝者は、クサヤの干物を刻み「マルボロの箱」に入れ、なおかつ、さらに弁当の包みにこれを隠しておりました。もちろん故意です。
めざとく、というか、狙い通りにマルボロの箱を見つけた生活指導の先生。
もとより、生活指導の先生などというものは、このシチュエーションにこそ人生最大の歓びを感じるようになってしまっておりますから、それはもう鬼の首でもとったかの騒ぎです。

「おい、なんだこれは?」
「おかずです」
「お前、タバコを食うのか?ああ?」

と、マルボロの箱をとりあげましたが、どうもその重さを不振に思ったらしく、蓋を開けてしまいました。
とたんに教室中に漂う強烈な香り。
彼は、クサヤを「わざわざこの日のために」1週間も卵につけておいたそうで、その腐敗臭と合わせて、まぁ、すさまじいわすさまじいわ。
先生は目をしょぼしょぼしながら無言になられてしまいましたが、没収決定。

しかしこれは序の口というやつでした。

優勝したのは、なんと「ミミズ」。それもたいへん活発な。
もう、ここからして、いかにすさまじい競技であったかお察しいただけるかと思います。

優勝者は、ミミズを奇麗な金属のクッキー箱にギッッッシリと詰めまして、机の上に上げておりました。
所持品検査ですから、当然、謎の箱ものは開けなくてはなりません。
当然、計算の上です。

生活指導の先生が言いました。

「開けろ」
「いやです」
「いいから開けろ!」
「絶対いやです」
「なんだとぉ!」

といったやりとりの後、先生が無理矢理蓋を開けましたからたいへんです。
中にはクッキー箱ギッッッシリのミミズの群れ。

なにがたいへんって、これ。言うまでもなく、絶対水平を保たなくてはなりません。
しかし、中身をご存知ない先生は、これをおもいっきりぶっちゃけてしまいましたからたいへん。

もう教室は大大パニック。阿鼻叫喚。
女子などはもう教室中右往左往です。

「きさまぁ、なんでミミズなんか持ってきてる?」

もう、声までひっくりかえって狼狽する生活指導の先生。

しかし、この質問は織り込み済みです。

「いや・・・帰りに晩ご飯のおかずをつらなきゃいけないんです・・・」。

そんなやつはおらんやろう。

当然、めでたく没収。
その前に、水滸伝のごとくちらばったミミズをかき集めなくてはなりませんでしたが。

もうひとりの、担任の先生は、女性でしたので、すでに泡でも吹きそうな状況でございまして、スーパーサイヤ人みたいになっちゃってるわけです。
当然と言えば当然ですが、ここで「持ち物検査」は、急遽中止されてしまいました。
このため、私にまわってくることなく、優勝者が決定してしまい、個人的には不本意な結論となったのです。

おろか、これ以降、所持品検査が行われることはありませんでした・・・。
今は大人となりましたので、学校側の気持ちもよぉーくわかります。

さて。私がこの日、なにを持って行ったかは、実は思い出せないのですが、当然、それなりの自信作であったことは言うまでもありません。
なにより証拠に、日記には
「僕の番までまわってこなくてまことに残念」と、記されています。

しかし、生きたミミズをも超える自信作って、いったいなんだったのでしょう?

わがことながら不思議でなりません。
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所持品

2006年03月28日 | 雑記

まさか、こんな歳にして、こんなことに役立とうとは夢にも思いませんでしたが、私の場合、ここのコラムネタの多くは、学生時代の日記からとっています。
たぶん、中高生などという「青春時代」は誰でもそうだろうと思いますが、この日記、なにしろ「人様に読まれることを意識した」仕上げとなっておりまして、気恥ずかしいったらありゃしないんですが、すでに脚色なども施してあるために、ネタ帳としてたいへんに役にたちます。

ということで、ネタさがしに、日記を広げましたところ、ノート1枚のメモ書きがハラリと落ちました。

読みますと

1.九九のほん
2.フマキラー
3.土鍋
4.青雲
・・・・・・・

なんじゃこりゃ?

九九?土鍋? 青雲?って、あの線香か?

なんだかまったく思い出せないのですが、良からぬ香りがプンプンします。

さらにメモは続きます。

5.はにわ
6.掃除機のノズル
7.石けんの詰め合わせ
8. ◎ 納豆床

はにわ?
納豆床ってんなんだ? しかも◎ついてるし・・・。
キャンプの持ち物でなし(はにわ持って行かないし)、実に暗号めいていて、ますます魅かれました。

9.祭りのうちわ
10.恐怖新聞
11.印籠
12.ふんどう
13.稲
14. ○ 母子手帳

ここで終わりです。稲?印籠?

このなんの脈略もないものの数々。みなさんは、なんだかわかりましたでしょうか?

はっ

私。この「○ 母子手帳」で思い出しました。

こりゃ、おそらく、世界中のかたがわからないだろうと思います。

これ。



所持品検査です。

高校1年の頃、学校がやたら所持品検査をした時期がありました。
どこでもそうでしょうけれど、マンガ本やら、タバコやら、化粧品やら、
とにかく「良からぬ物」を持って来ているヤツを摘発する検査です。
この日には、本人のその日所持しているものを、机の上にすべてのせて、担任と生活指導の先生方がそれを順に検査する、という一大イベント。
もちろん、生徒には恐怖の一日でした。

校則では「勉強に関連するもの」以外は、持って来てはいけないことになっておりましたので、ちょっとでもそういう物が見つかると、根掘り葉掘り、ネチネチとやられるわけです。

当然、我々生徒はおもしろくありません。

そこで、この一大イベントを楽しもう、ということで発案されたのが「所持品検査コンクール」です。

やりかたは簡単。
ひとり100円の参加費用で、なるべく先生がおどろくような、かつ、校則にはひっかからないギリギリの物を、あらかじめ学校に持ち込んでおき、検査の日に机に並べます。
そして、その物品で、最もおもしろい物で、その上で、先生に取り上げられなかった物を並べた者が、優勝。
参加費用から1000円をゲットすることができます。
準優勝者がその残り。つまり、ここでは400円です。

当時、1000円はたいへんな価値がありましたから、みんな必死に、そういう物を探しました。

このメモは、その時の審査状況のものです。

優勝は「納豆床」になっておりますが、これがなにか?と言いますと、
なんとコイツは、学校にワラと大豆を持って来まして、ロッカーの中で大量の納豆を「発酵させた」ツワモノです。
当然優勝。

準優勝は「母子手帳」に決定でした。
いずれも「先生には取り上げられなかった」点が高く評価されました。
さすがに母子手帳、取り上げるわけにいきませんよね~。
それぞれ「持って来た理由」をたずねられるわけですが、「肌身離さず持っているんです」という言い訳が泣かせました。
大ウソですけど。
納豆は、それまで数週間もの間、教室に漂っていた悪臭の謎も解け、かつ、学校側に「弁当のおかず」として認めさせたことも、高評価につながりました。
「恐怖新聞」は、マンガ本ではありません。どこで入手したか、本物(っぽい)恐怖新聞そのものでした。が、これはつのだじろう先生のイラストがあますところなく入っていたため、残念ながら、没収されました。

この検査では、生活指導の先生が、だいぶうんざりしていたのを覚えています。

なにしろこのコンクール。2度しか開催できませんでした。
第二回は「没収されること」を目的に開いたのですが、あまりに「腐敗物」が多く、学校側がいやになってしまったのか、所持品検査そのものがなくなってしまったのです。
この腐敗物の数々は、これ以上にすさまじいので、また後日掲載しましょう。

現在、所持品検査で苦しまれている学生さんがいらっしゃったら、やってみてはいかがでしょう?
効果絶大です。

あ、私が持って行ったものですか?


大豆ですけど。なにか?
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よみがながな・・

2006年03月27日 | 雑記

エイ。

いいえ。魚のエイ。ご存知ですよね?

英語で「すてぃんぐれい」。かっこいい。

で、エイを漢字でどう書くかご存知でしょうか?



「海鷂魚」。



なんと3文字!

ヨミガナより長い。

こんなのアリ?

どのへんが「エ」で、どのへんが「イ」なのか教えていただきたい。

最近のマンガの台詞には、やたら無理矢理なフリガナがついたりしますが、昔からあったんですねぇ。

奥が深いぞ。日本語。

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新生活

2006年03月25日 | 雑記


土曜日は少しだけ遅く起きる。

ブラインド越しに、やわらかい朝の光。

真新しいフローリングに素足をおろすと、それはまだひんやりとしていて。僕に季節を教えてくれる。

今日から始まるこの部屋での僕のくらし。

コーヒーをたてると、部屋じゅうに広がる僕の朝の香り。

朝はカプチーノがいい。

朝食にはクロワッサン。

少し奮発して、マーマレードとラズベリージャムも買っておいた。

BGMは、朝ならモーツァルトと決めた。

シルクのパジャマを脱いだら、ブラインドを少し開けて、街に挨拶を。

おはよう。MyTown。君は僕を気に入ってくれるだろうか。
たけや~ さおだけ~

今日は、美術館まで さおだけ~ ぇ、 ものほしざお~ ジョギングでもしてみよう

さおだけ~ 2本で1000えんです か。

遊歩道のプラタナ さびない~ ものほしざお~スの下を

1っぽん1000えんでっす っくりと走れば・・・・


とおくのかたも、お気軽に声をおかけください  っとこの街にも

僕 たけや~ ぁ さ、おだけ~ ことを



あ”~~~~



夢多き新社会人のみなさん。
みんなこうして、朝は「みそ汁」と「納豆」になっていくのです。
また春には来るんだ。これが。

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へらず口の天才(4) ~燃料計の謎

2006年03月24日 | へらず口の天才

A「あー、こんなところでガス欠じゃん。弱ったな、スタンドないし・・・」

B「出た時から燃料計、最低だったからなぁ」

A「え!気づいてたのかよ!なんで言ってくんないわけ?」

B「え。だって・・・・
  メーターに ”ふえる” って書いてあるから。大丈夫かと思って・・・」

確かに。FUEL 。
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へらず口の天才(3) ~モッタイナイ

2006年03月23日 | へらず口の天才

日本語の「モッタイナイ」の精神が世界へと波及しています。

資源をたいせつに、という世界的な運動。

良い事です。

先生「みなさんも日常、こんなことがモッタイナイと思ったことはありますか?」

生徒「えっと~。スライム相手に ”快心の一撃” が出た時」

ああ。そりゃもったいないわ。

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ホンダライフの雪だるま(完結編)

2006年03月22日 | 雑記
先日のイラスト。あれも一応、コンピュータで書いているので、CGと言うのかも知れませんが、とするとCG屋さんとしてはいかがなもんかなー、などという疑問がないでもありません。

『ホンダライフの雪だるま』、本日が完結編です。いきなり完結編から入られたかたは、おそれいりますが『ホンダライフの雪だるま』(前編)よりお読みください。

慣性の法則

先生は授業そっちのけで愛しい新車「ホンダライフ」の元へと走ってまいりました。廊下は走っていいのか?とか、小さな諸問題はあるものの、先生の気持ちは察するにあまりあるものがあります。
我々は、教室の窓から、全員でこの様子を見守るしかありませんでした。

「そうか。下半分は、金属と接合しているからはがれてしまったんだ」
などと、くだらん分析をしている仲間(犯人のひとり)もおりましたが、すでにそういう問題を通り越しています。

眼下にはホンダライフに駆け寄る先生。
と、思ったら、他の先生も飛び出して来ておりまして、3人ほどがホンダライフのまわりに集まられておりました。
うち、最も呆然としているのが担任の先生なので、我々はすぐに先生を見分けることができました。
他の先生方も、おそらく窓から、ホンダライフと雪玉(すでに雪だるまではない)が見えたのでしょう。彼らにすれば、先生の留守中に、とんでもないイタズラを見過ごしてしまっていたわけで、しかも、あろうことかその最中、製作中の我々とほほえましくあいさつなどかわしていたわけですから、責任を感じたのでしょう。

我々にしても、まさか屋根がひっこんでいるとは思わなかったので、今さら先生の元へ出て行くわけにもまいりません。ただただ、その様子を見守るしかなかったのです。

しかし、ガキとは言え、よってたかっても上げられなかった雪玉。大人3人でも簡単には落とせません。
先生方は、あれこれ努力をなさっておられましたが、なおかつ天井がひっこんでしまっておりますので、なかなか落とすことができませんでした。
なにか話し合われている先生方。そして彼らは、実に高学歴らしい、対処法を生み出したのです。

まず、先生方は、みんなで車の前の雪をどけられました。
この騒ぎに、さらに先生が2名ほど出て来られ、あっと言う間にライフ前の雪は除去されました。
そして担任が、雪玉が乗ったままのホンダライフに乗車。エンジンをかけられました。
なぁるほど。どうやら急発進して、雪玉を後ろに落とそう、という算段のようです。
いわゆる慣性の法則を利用しよう、というもの。あったまいい。

そして先生はホンダライフを急発進!

が。

ホンダライフという車。そもそも馬力が30ps程度しかありません。そこにおもたい雪玉をのっけているわけですから、たいした加速はしませんでした。

問題の事態はこの後におきました。

走り出したホンダライフは、雪玉を乗せたまま。
そして先生方が空けた助走路をあっと言う間に走りきってしまい、そこでライフが急停車。

ごろ~ん。

落ちました。雪玉。

前に。

慣性の法則ってやつです・・・。

メキメキ。

こんなでかいもんが落ちてくれば、ボンネットはひとたまりもありません。
あろうことか、ホンダライフは天井のほか、ボンネットもへこんでしまいました・・・・・。

大慌てで車から飛び出した先生。
もちろん、この方法を考案された先生も真っ青です。

こりゃまずい。

我々はろくな話し合いもなく、先生にあやまりにいくことにいたしました。
なにしろ購入1週間の新車。こりゃあんまりです。
「先生・・・・すみませんでした~」。

が、ラッキーなことに、悪事をした仲間のひとりに、小口くん(仮名14歳)という整備工場の息子がいて、こいつが全責任をとることを申し出ました。
うーん。持つべきものは友人です。おもいっきり主犯格のひとりですが。そもそも「ピラミッド作戦」を言い出したのもコイツです。

連絡を受けたこいつのオヤジが、その日のうちに車をひきとりにまいりました。

「ありゃー、先生。なにしたんですか?コレ?」
「・・・・・」

いや。あんたの息子たちがやったんですって。

「だいじょぶですよ。先生。すぐに直ります。あの、料金は・・・・」。
「・・・・・・」。
「あ。はいはい」。

無言ですごい剣幕の先生と、必死に目配せする息子たち。オヤジはうすうす事態を把握したようでした。

しかし、さすがプロのオヤジ。なんと翌朝には、ホンダライフはもとどおりの元気な姿になってもどってきました。

これに痛く感動された担任の先生は、小口くんに、平身低頭、深く深くお礼を言うのでした。
「本当にありがとう。たすかったよ」。
涙も流さんばかりに生徒に頭を下げる先生。

すると小口。主犯格のくせに
「いやいや。また困ったらいつでも言ってください。先生」。

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ホンダライフの雪だるま(後編)

2006年03月21日 | 雑記
山形県肘折温泉の大雪だるま。この写真を掲載いたしましたのは、我々のつくったホンダライフだるま、によく似ていたからです。
そもそもホンダライフという軽自動車。現在の同名の車種とは異なりまして、もっとちっこくてまるっこい車でした。そうですねぇ。今のトヨタの「ナディア」という車をおもいっきり凝縮したみたいな。
したがいまして、雪だるまのボディは球体と言うよりは半球状です。

この話におもいあたるふしのない方は、『ホンダライフのゆきだるま(前編)』より、お読みください。

翌日、天候は晴れ。
学校前につくられた巨大雪だるまは、生徒はむろんのこと、先生方もその正体に気づかず、みんなが微笑ましく眺めておりました。
唯一、我がクラスの女子の一部がその正体を知っておりました。
特に、クラス委員でありました児玉さん(仮名14歳)は、我らの「蛮行」には、ほとほとあきれておりましたので、毅然と苦言を申し立てました。
が、女子の言うことをヘコヘコ聞くのは、せいぜい小6までです。

「あんたたち!先生が午後にいらっしゃるまでには、ちゃんと元にもどしなさいよ!!」
「・・・・・」
「わかった!?」
「・・・はい」

一応「表面上」はヘコヘコ言うことを聞いていた我々でした・・・・。表面上です。表面上・・・。

ところが先生。ホンダライフの持ち主である先生ですが、我々が聞いていたより早く、4時限目には、登校されてしまいました。
4時限目は、先生の英語の授業。
これにはちょっと泡をくいましたが、なんと先生は、自分の車が雪だるまになっていることに気づかれていないようでした。

「先生。だいじょうぶですか?」

「なにが?」

「いえ。なんでもありません」

が。

思わぬ気温の上昇が、我々の想定外の事態を生み出していました。

となりの窓際の席のヤツが、私をつっつき、窓の外をさしました。
「なんだよ・・・」。
面倒そうに窓の外を見ますと

雪だるまは、あろうことか、胴体部分、つまりホンダライフが入っているボディですが、この一部が崩壊し出しまして、誰がどう見ても、ホンダライフの上に巨大な雪玉が乗っかっている、という状況になってしまっていたのです。
しかも

天井が雪玉状にへこんでる・・・・・

そうか・・・昨日の「ガコ」は、これかぁ・・・・・

「やべー」。



私は、状態を絵と文章でまとめ「窓際に先生をよこすな」と追記して、連絡網として後ろの席にまわしました。
「まわせ!」
ちゃくちゃくと連絡網はまわり、各自がそのメモを確認した頃は、もう、クラス中が下痢でもしているような青ざめよう。
無関係の女子までも、そのメモには青ざめてしまいました。

特に、この状態では廊下側の席のヤツらが重要な立場にありあす。
窓際にはヒーターがあるので、先生は折があると窓際に来ようとします。
するとすぐさま廊下側の生徒が手を上げます。

「先生先生!ちょっといいですか?」

また少しして先生が窓側に歩き出すと

「先生、これちょっと見てください!」

このスリルとサスペンス!

しかし、廊下側の生徒だけがやたら質問をする、という異常な授業に、先生は気づかれてしまいました。

「お前たち、なんかたくらんでるな?」

いえいえ。とんでもありません。たくらんだのは昨日です・・・・。

この時点では、まだ先生も微笑まれていて、我々のたくらみを察知しようとされていましたが
その視線が、ふと窓の外にながれた時

「う・・・・・・」。

発覚。

人間。本当に驚くと声が出ないもんです。

そこには言うまでもなく、愛しの新車の雪玉を乗せた姿。
それも屋根へっこみの鳥瞰アングルです。

先生は、授業そっちのけで教室を飛び出されました。

              完結編へ続く・・・
              最近一話が長くてすいません。
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ホンダライフの雪だるま(前編)

2006年03月19日 | 雑記
山形県の大蔵村、肘折温泉というところでは、毎年、大雪だるまをつくる「お祭り」をやっていて、ギネスブックにも載ってます。
写真ではちょっとわかりづらいですが、どれくらいでかいか、と言いますと、ビル9階分くらい。
すごい。

ところで、私。雪だるまを見るたびに、ちょっと心が痛みます。

私が、いわゆる「良からぬたくらみをするガキ」になりましたのは、『靴の墓場』『俺たちは風』の高校時代からではございません。
中学校時代には、そうした「芽」がすでに発芽しておりまして、すくすくと育ち始めておりました。
これがやがてケヤキのような大木になろうとは、当時、本人も思っておりませんでしたが・・・。

中学2年の冬、担任の男性教諭が、10年以上も乗っていた超オンボロの「キャロル360」から、ついに新車を購入されまして、さっそうと乗ってこられました。
忘れもしない「ホンダライフ」。
550ccの軽自動車でしたが、当時は、まだ公務員の給与は安く、先生にすれば、たいへんな決心で買い替えられたものと思われます。
なにしろ10年ぶりのピカピカの新車。それはそれは大切に乗っておられました。

この新車購入から1週間もしない時、先生は研修とやらで学校を空けられました。
この日は、今年のような大雪でした。
放課後、我々が3階の教室の窓からのぞきますと、雪に埋もれた「ホンダライフ」が、ポツンと学校前に停まっておりました。

それはさながら雪だるまのようでした。

雪だるま・・・・?

我々は、青春映画のようにわらわらと学校を飛び出しますと、よってたかって先生の車に雪を集めました。
そうです。先生の車をそのまま「雪だるま」にしてしまおう、という魂胆です。
誰が言い出したか、は、この際問題ではありません。中学生がいわゆる「雪の芸術」に挑戦しただけのことなんです。

当時の軽自動車は、全長がわずか3mしかありませんでしたから、あっと言う間に雪に埋もれました。
その証拠に、我々がこの雪像をつくっている間、たくさんの先生方が帰宅されましたが、誰ひとり、その下に「車」があることには気づかず、むしろ微笑ましく我々の行為を見ておられたのです。

「先生、さようなら」
「あらあら、中学生にもなって雪だるま?」
「はーい」

この挨拶を、校長先生を含む数人の先生と交わしながら、我々はちゃくちゃくと「雪だるま」を完成させてまいりました。

さて。雪だるまの胴体は、基礎となる「ホンダライフ」がございましたので、実に簡単にできあがりました。
問題は頭です。
我々は1m50cmほどもある雪玉をつくりましたが、その重さに四苦八苦しておりました。

と、ひとりが
「おい。ピラミッドはどうやってつくるか知っているか?」

そんなに高尚なものではないと思うのですが、彼のアイディアはさっそく採用。
ホンダライフ胴体まで、一旦、スロープをこしらえ、ここを転がして雪玉、つまり頭を乗せる、という作戦です。

これが思いのほか大変でしたが、苦労の末、雪玉はちゃくちゃくと上に運ばれました。

が。

雪をかぶっているとは言え、下地は車。
中学生と雪玉が乗っかって絶えるほど、強度があるわけがありません。

「ガコ」という、聞き覚えのない金属音がしました。

雪だるまづくりに熱中していた我々は、その音を、たいした気にもとめず、ついに巨大雪だるまは完成してしまったのでした。

ああ・・・今でも胸が痛むのに、笑いがこみ上げて来るのはなぜだろう?

  意外な急展開は後編へ!

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「桜塚やっくん」の兄弟愛

2006年03月18日 | 雑記
たいへん唐突ですが「桜塚やっくん」という、ピンの芸人さん。
『エンタの神様』に「スケバン恐子」として、彗星のごとくに現れまして大人気となっておりますが
個人的にたいへん気に入っておりまして、登場(前?)から、「タカ&トシ」とならぶお気に入りとして、応援しておりました。

彼は「あばれヌンチャク」というコンビにいて、NHKの『お笑いオンエアバトル』に出たり出なかったりの
非常に微妙な「売れ方」をしていたのですが、ひとりになって大成功。
客席を巻き込む、というニッチな芸風を見つけ出しまして、その美形な容姿も手伝って、特に女性に大人気、みたいです。
そのベンチャーなところと、ひたむきさが好感度高。

美形なのもごもっともで、彼はなんと「ジャニーズJr」に所属していたらしい(!)のですが
泣かせるのは「あばれヌンチャク」後の彼です。

「あばれヌンチャク」は、石井事務所かなにかに、ちゃんと所属していた芸人さんでしたが
解散後、やっくんは、お兄さんの旋盤工場で働いておられました。
このお兄さんが、旋盤工場のブログを立ち上げておられましたので、旋盤の話題に混じって、「スケバン恐子」の話題がとりあげられているわけです。
その名も「旋盤加工.comのブログ」。
しかも。桜塚やっくんは、なんとこのお兄さんの旋盤工場がつい先日まで「出演受付」をしておりました!
ブログなので、今でもそれを見ることができます。

その兄弟愛。

旋盤加工工場ですから、芸能事務所みたいなことは「ついで」でやるわけで
「桜塚やっくんの出演依頼は、なるべくFAXにてお願いします」
といったくだりがあり、まぁ、泣けるやら感動するやら。
お兄さんはお兄さんで「芸人の弟」を持ちながら、けして浮き足立つこともなく、ヤックンの人気にはまるで関係なく、ブログ中では、ひたすら「旋盤」のことに向かい合います。
なんかすごい。

この旋盤工場のテレホンカードが「やっくん」の図柄でございまして、実に微笑ましい。
彼がこのまま流行続ければ、こりゃプレミアもんになるでしょうね。

が。どうやら先週あたりに、ようやくやっくんの「所属事務所」が決まってしまいましたので、
この兄弟愛も、あまり読むことができなくなってしまうかも知れません。
今までは、このブログの記事ごとのギャップがおもしろくて(なにしろ旋盤と芸人)、定期的にチェック。いつかはここでご紹介しよう、と決心していたので、ちょっと残念です。
でも、応援していた者といたしまして、彼が売れるに超したことはございませんので、
とりあえずは、メデタシメデタシ。

「エンタの神様」という番組は、素人目にも「芸人使い捨て」の風潮があるので、桜塚さんにおかれましても、今のうちに、さっさと次の「芸風」を開発されて「生き残り」を目指していただきたいものです。
また「旋盤加工.com」にもどられませんよう・・・。

でも、今年の女子大の学園祭は、ひっぱりだこでしょうねぇ。


とある偉い経済学者さんが
「この日本で、若者がのしあがれるものは”お笑い”の世界くらいしかない」。
と、おっしゃっておられました。

確かに。

この文化レベルの低さには「がっかりだよ!」

若者には、もっと、いろんなチャンスがあっていいと思うのですが。

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SOMEDAY

2006年03月16日 | 雑記
私が、へらず口では「師と仰ぐ」おばあちゃんがおります。

おばあちゃんは、90歳も近いのですが、とっても気丈な人で、

少し献血でもしてよその老人に血の気を分けてはどうか?と思えるほど

とにかく、みのもんたさんもビックリの元気な老人なんですが。 


ちょっと前のこと。

このおばあちゃんが置き引きに合う、というたいへんなできごとがありました。

よほど大切な物が盗まれたのか、あるいは年のせいか、多少のことではビクともしないおばあちゃんも

このときばかりは違いました。

すっかり落ち込んでしまっているおばあちゃん。

普段、元気すぎる人がうちひしがれると、さすがに同情をひくものがあります。


「ああ・・・せちがらいねぇ。あたしゃ生きてんのがやんなっちゃったよ・・・」。

「まぁ、おばあちゃん。人生いろいろあるよ。生きてれば、いつかきっといいこともあるよ」。

「・・・・・」。



「いつかって・・・・いつだい?

「え・・・・・!」


「現世で?」

「あ・・・・、えーと」

「はっきりしな!」

「あ・・・現世・・・じゃないかも・・・・ 90だし・・・

「お前、生きてりゃって言ったろ!?」

「はい・・・・」

「ひとごとと思ってテキトーこいてんじゃないよ!」


せっかくなぐさめてると言うのに。腹立つーっ!

このババァには、あの世でも絶対いいことがありませんよーに、と祈る私でした。

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春雷バチ8本

2006年03月15日 | 建築
つい昨日のこと。

昼うたたねをしておりますと、なにやら意識の向こうで

ゴロゴロゴロ・・・・・

雷が鳴っておりました。

「ああ・・・春雷だ・・・・もう、冬も終わりだなぁ・・・」

と、うとうとしていると
だんだん雷が大きくなりまして

ゴロゴロゴロゴロ・・・・・

時折、激しく

ガラガラガラ


「ん・・・だいぶ近いな・・・・今のは左から右に・・・」

左から右?

え?雷って方向まで判ったっけ?

と、うすれる意識の中、思案しておりましたところで

ゴロゴロゴロゴロ グワッシャーン

 え? 落ちた?
 どこ?
 なんかウチみたいだったけど?

すると、やはり意識の彼方で娘の声。

「こらー!」

ああ・・・娘が雷に怒ってる。これで安心して眠れる・・・・・・ヨカッタ、ヨカッ・・・・・

タ?

娘。雷とそんなに親しいか?

さすがに目がさめました。

グワッシャン?

・・・猫・・・・だ。

以前、本ブログ『BREACHな猫』でご紹介いたしましたように、我が家は今年猫が1匹増えました。
こいつらが上階で追いかけっこをしていたのです。

建築関係の方はおわかりかと思いますが、家の建て方には「在来工法」「2×4工法」少しダブって「パネル工法」などなどがございまして、このうち2×4工法は、板で6面を構成していく方法で、根本的には各部屋の構造は「箱」そのもの。
当然、気密性も防音性能も高いのですが、箱であるため「太鼓現象」というものがおきます。
これは2階を人が歩くと、その足音が「太鼓」のように響く、というもの。

我が家は古い2×4住宅。さすがにバチが8本(猫×2)もあると、その音はさながらドラムロール。
これが雷の正体です。
経験がなかったのは、昨年まで猫が1匹だったから。

と。ややこしい説明はともかく、問題は最後の雷が落ちた音「グワッシャーン」です。

大慌てで2階へ。

娘が無言で指さしてました。

ああ・・・・・・・iMacが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

絶句・・・・・・。

サージ電源(雷対策電源)にしておいたのに・・・・・。

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喜劇的ビフォーアフター

2006年03月14日 | 建築

『劇的ビフォアフター』、終わっちゃうんですね。
以前にも本ブログ『リフォームの定義』で取り上げましたが、なんともファンキーな番組でした。

で。終わる前に、どうしても会いたい人がおりました。

それは

「人は彼を ”空間演出のマエストロ”と呼ぶ」

という、「呼んだ人」。

誰なんでしょう? そんなややこしい呼び方をする人。

そうですね。他にもたくさん会ってみたい方がいるのですが

「人は彼を ”光と風のコンシェルジュ” と呼ぶ」

という 「呼んだ人」。

「人は彼を ”潤いの空間アテンダント” と呼ぶ」
「人は彼を ”空間連鎖の錬金術師” と呼ぶ」
という 「呼んだ人」にも、ぜひ会ってみたいです。

どういう根拠で、普段そんな呼び方をしているのか、うかがいたい。
アテンダント・・・今まで生きてきて、まだ一度も使ったことありません・・・意味わかんねーし。
空間連鎖ってなんだろう・・・・?

街中で、「よう!潤い空間のアテンダントじゃん!ひっさしぶりー」とかいう挨拶も、一度見てみたかった・・。

また、当人はそんな呼び方をされて、こっぱずかしくなかったのか?ぜひうかがってみたかったです。

弊社のお客様にも、著名な建築士の先生がいらっしゃるのですが
「先生は、そういう呼び名ないんですか?うちでつけてあげましょうか?」
と申しましたところ
「あるか!そんなもん!」
と、激怒されてしまいました・・・。

私なら、彼らを総称して
「魔法の家電製品チェンジャー」と呼びますね。あるいは「ヨドバシカメラのコンシェルジェ」
テレビ、みんな液晶になっちゃってるし。先日の番組では、息子の部屋にノートパソコン導入してました。
いつから始めた?パソコン?

では、公開いたしましょう。弊社が知る限りでの「匠」のあだ名。一覧です。
「なんと言うことでしょう!」

季節の匠
自然素材の伝道師
光の魔術師
日本建築に魅せられた天才
多機能の奇才
癒し空間のアーティスト
空間の仕事人
コントラストの開拓者
機能空間の親子
空間演出のマエストロ
モダニズムの継承者
狭小空間の開拓者
ゆとりの空間請負人
温もりのセラピスト
安住空間の探求者
三次元の冒険者
節約リフォームの説法師
住空間のアーティスト
時空間のコンダクター
住空間の栄養士
色彩住宅のソムリエ
境界線のリベラリスト
寒冷住宅の開拓者
コンクリート住宅の伝道師
雅の若き志士
住空間の層造者
懐古住宅の伝道師
住空間のプランナー
居住空間のストーリーテラー
空間構造の戦略家
機能美の探求者
空間構造の改革者
風と空間の仕事人
感動住宅の演出家
心と空間の改革者
人と空間の交渉人
空間構造の自由主義者
和みの空間仕立て人
立体空間の探検家
居住空間の印象派
住構造の救命士
住機能の発明家
ゆとりの空間整備士
個性派住宅の空間アナリスト
住風景の探訪者
元気住宅の栄養士
住環境の時代考証人
空と家の渡し人
心と空間のエンターテナー
安らぎの生活仕立て人
ゆとりの空間トレーナー
体感面積の野心家
空間方程式の芸術家
潤いの空間アテンダント
水と明かりの調合師
空間連鎖の錬金術師
ゆとりと安心の保証人
和の空間伝道師
暮らしの遊び仕掛人
光の導線仕立て人
優しい機能の仕立て人
光と風のコンシェルジュ
ゆとりの空間プログラマー
安らぎの調光師
廃材のスタイリスト
健康庭園の療法士
森と木の代弁者

この中で”節約リフォームの説法師”だけが、妙に庶民的。

以上、「虚像空間のパティシエ」がお送りいたしました。

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容態

2006年03月13日 | 雑記

知人のおじいちゃんが入院された、というので、気になって電話してみました。

「わざわざありがと。どうってことはないんだよ」

「ふうん。じゃぁ元気なんだ?」

「うん。元気元気。死ぬほど元気

う~ん。元気なのか死にそうなのかはっきりしてもらいたい。


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俺たちは風(完結編)

2006年03月12日 | 連載

い、いざかやク~ポン・・・

CM終了。

えんえんと4日にも渡って続きました『俺たちは風』。ようやくの完結編です。
たいへん意味も無く長らくお待たせいたしました。本日「自転車は速度違反をとられるか?」の結論を明かします。

とりあえず、この時点で、おまわりさんにとっつかまりましたのは、私を含めまして5名。
誰でも、特に若者はそういう傾向が強いのですが、ひとりと5人は大違い。
「警察に捕まっている」という極端なシチュエーションでありながら、我々は笑顔を絶やさぬさわやかな若者、言い換えれば態度でけーでけー。

こちらも5人もおりますので、お相手のおまわりさんも2名。うちひとりがわが町の駐在さんです。
先方の切り込み隊長は、若い駐在さんでした。
「おまえらなぁ・・・。なにをやってる?」
「だから、自転車で競争してただけですが」

今度は少しお年をめされたおまわりさん。
「自転車はなぁ。軽車両なんだよ。わかるか?」
このおまわりさんの説明が、まず、今回の答えのひとつなのですが
軽車両である自転車は、速度制限の標識のある場所ではそれには従わなくてはならない。
まずこれが第一です。
したがって罰則は軽車両に準ずる。速度標識のない道路での自転車には制限速度はない(これ知りませんでした)。

といったものですが、これはもはや、実はおまわりさんにとって、どうでもいいことなのでした。
つまり。事態は「道路交通法」の範囲ではなかった、ということです。

しかし「自転車にはスピードメーターも免許もない」という、圧倒的な自信にささえられておりました我々は、あいもかわらずヘラヘラとこの話を聞き流しており、どこでどういう小手先のへりくつを言うか考えておりました。

「おまえら、○○高校の生徒だよなぁ?」

「いえ。僕たち早稲田大学のボート部のもんです!ただいま春の合宿中っす!」

 おいおい・・・空気読めよ・・・。だいたいどっから出て来たんだ?早稲田大学・・・

ぶちっ

おまわりさんのぶち切れる音が聴こえるようでした。

「逮捕」

へ?

そうです。我々、このくっだらねーギャグで逮捕されちゃいました。

????

確かにくだらんギャグでしたが、ギャグがくだらないと逮捕されるのか?日本って国はギャグの自由が保証されているのではないのか?

「おまえらの行為はなぁ。故意で警察の公務を妨害してんだよ」
「したがって○時○○分、公務執行妨害で逮捕。」

え?ギャグが?

なわけありません。そうです。
警察の取締執行行為を妨害していた、というのが言い分。
確かに、我々のおかげで数台の車が捕まりませんでした。

この急展開には、ヘラヘラしていた我々も、さすがに青ざめました。

「今、おまえらの学校に連絡してるから」。
「ほかにも仲間いたなぁ?同じボート部か?あん?」
すっかり意気が上がっている駐在さん。

「いえ・・・彼らは駒沢のホッケー部・・・・・」

ぶちぶちっ

この期におよんで、まだ懲りない友人の返答に、さらにぶち切れる駐在さん。

実は、この友人。兄がなんと警察官。したがって、警察に対する免疫が我々より強いのです。
我々一般人は、あの制服だけでもけっこう威圧されるものがありますが、彼は毎日見慣れているわけです。
当然、同じ所轄の駐在さんは、彼の兄をご存知でした。

「おまえの兄ちゃんも呼ぶからな!」

事態はすでにドツボ。ひとこと話すごとに事態は悪化してまいりました。

1時間後。駐在所に「移送」された我々は、学校の先生4名と、父兄まで呼びつけられ、夕刻までたっぷりと説教をくらい、しまいには「停学」というオマケまでいただいてしまいました。
「自転車で停学」は、学校創立以来初めてだそうです・・・当たり前だけど。
そのかわり、刑事罰としての「公務執行妨害罪」はちゃら、ということになりましたが。

最後に巡査さんが私に声をかけました。

「おいママチャリのお前」
「はい?」
「お前な。30km出てなかったから」。

測定できるんだ~。って違反してないじゃん!

----完----

予告-------------------------------------------------------
このお話はこれで終わりですが、この事件をきっかけに
歴史に残る(?)「僕たちと駐在さんの700日戦争」というのが勃発します。
『靴の墓場』
『キューピー騒動』は、
そのひとつですが、まだまだまだまだございますので
いずれ機会がございましたら、ご紹介いたします。
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