山形県肘折温泉の大雪だるま。この写真を掲載いたしましたのは、我々のつくったホンダライフだるま、によく似ていたからです。
そもそもホンダライフという軽自動車。現在の同名の車種とは異なりまして、もっとちっこくてまるっこい車でした。そうですねぇ。今のトヨタの「ナディア」という車をおもいっきり凝縮したみたいな。
したがいまして、雪だるまのボディは球体と言うよりは半球状です。
この話におもいあたるふしのない方は、『ホンダライフのゆきだるま(前編)』より、お読みください。
翌日、天候は晴れ。
学校前につくられた巨大雪だるまは、生徒はむろんのこと、先生方もその正体に気づかず、みんなが微笑ましく眺めておりました。
唯一、我がクラスの女子の一部がその正体を知っておりました。
特に、クラス委員でありました児玉さん(仮名14歳)は、我らの「蛮行」には、ほとほとあきれておりましたので、毅然と苦言を申し立てました。
が、女子の言うことをヘコヘコ聞くのは、せいぜい小6までです。
「あんたたち!先生が午後にいらっしゃるまでには、ちゃんと元にもどしなさいよ!!」
「・・・・・」
「わかった!?」
「・・・はい」
一応「表面上」はヘコヘコ言うことを聞いていた我々でした・・・・。表面上です。表面上・・・。
ところが先生。ホンダライフの持ち主である先生ですが、我々が聞いていたより早く、4時限目には、登校されてしまいました。
4時限目は、先生の英語の授業。
これにはちょっと泡をくいましたが、なんと先生は、自分の車が雪だるまになっていることに気づかれていないようでした。
「先生。だいじょうぶですか?」
「なにが?」
「いえ。なんでもありません」
が。
思わぬ気温の上昇が、我々の想定外の事態を生み出していました。
となりの窓際の席のヤツが、私をつっつき、窓の外をさしました。
「なんだよ・・・」。
面倒そうに窓の外を見ますと
雪だるまは、あろうことか、胴体部分、つまりホンダライフが入っているボディですが、この一部が崩壊し出しまして、誰がどう見ても、ホンダライフの上に巨大な雪玉が乗っかっている、という状況になってしまっていたのです。
しかも
天井が雪玉状にへこんでる・・・・・
そうか・・・昨日の「ガコ」は、これかぁ・・・・・
「やべー」。
私は、状態を絵と文章でまとめ「窓際に先生をよこすな」と追記して、連絡網として後ろの席にまわしました。
「まわせ!」
ちゃくちゃくと連絡網はまわり、各自がそのメモを確認した頃は、もう、クラス中が下痢でもしているような青ざめよう。
無関係の女子までも、そのメモには青ざめてしまいました。
特に、この状態では廊下側の席のヤツらが重要な立場にありあす。
窓際にはヒーターがあるので、先生は折があると窓際に来ようとします。
するとすぐさま廊下側の生徒が手を上げます。
「先生先生!ちょっといいですか?」
また少しして先生が窓側に歩き出すと
「先生、これちょっと見てください!」
このスリルとサスペンス!
しかし、廊下側の生徒だけがやたら質問をする、という異常な授業に、先生は気づかれてしまいました。
「お前たち、なんかたくらんでるな?」
いえいえ。とんでもありません。たくらんだのは昨日です・・・・。
この時点では、まだ先生も微笑まれていて、我々のたくらみを察知しようとされていましたが
その視線が、ふと窓の外にながれた時
「う・・・・・・」。
発覚。
人間。本当に驚くと声が出ないもんです。
そこには言うまでもなく、愛しの新車の雪玉を乗せた姿。
それも屋根へっこみの鳥瞰アングルです。
先生は、授業そっちのけで教室を飛び出されました。
完結編へ続く・・・
最近一話が長くてすいません。
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そもそもホンダライフという軽自動車。現在の同名の車種とは異なりまして、もっとちっこくてまるっこい車でした。そうですねぇ。今のトヨタの「ナディア」という車をおもいっきり凝縮したみたいな。
したがいまして、雪だるまのボディは球体と言うよりは半球状です。
この話におもいあたるふしのない方は、『ホンダライフのゆきだるま(前編)』より、お読みください。
翌日、天候は晴れ。
学校前につくられた巨大雪だるまは、生徒はむろんのこと、先生方もその正体に気づかず、みんなが微笑ましく眺めておりました。
唯一、我がクラスの女子の一部がその正体を知っておりました。
特に、クラス委員でありました児玉さん(仮名14歳)は、我らの「蛮行」には、ほとほとあきれておりましたので、毅然と苦言を申し立てました。
が、女子の言うことをヘコヘコ聞くのは、せいぜい小6までです。
「あんたたち!先生が午後にいらっしゃるまでには、ちゃんと元にもどしなさいよ!!」
「・・・・・」
「わかった!?」
「・・・はい」
一応「表面上」はヘコヘコ言うことを聞いていた我々でした・・・・。表面上です。表面上・・・。
ところが先生。ホンダライフの持ち主である先生ですが、我々が聞いていたより早く、4時限目には、登校されてしまいました。
4時限目は、先生の英語の授業。
これにはちょっと泡をくいましたが、なんと先生は、自分の車が雪だるまになっていることに気づかれていないようでした。
「先生。だいじょうぶですか?」
「なにが?」
「いえ。なんでもありません」
が。
思わぬ気温の上昇が、我々の想定外の事態を生み出していました。
となりの窓際の席のヤツが、私をつっつき、窓の外をさしました。
「なんだよ・・・」。
面倒そうに窓の外を見ますと
雪だるまは、あろうことか、胴体部分、つまりホンダライフが入っているボディですが、この一部が崩壊し出しまして、誰がどう見ても、ホンダライフの上に巨大な雪玉が乗っかっている、という状況になってしまっていたのです。
しかも
天井が雪玉状にへこんでる・・・・・
そうか・・・昨日の「ガコ」は、これかぁ・・・・・
「やべー」。
私は、状態を絵と文章でまとめ「窓際に先生をよこすな」と追記して、連絡網として後ろの席にまわしました。
「まわせ!」
ちゃくちゃくと連絡網はまわり、各自がそのメモを確認した頃は、もう、クラス中が下痢でもしているような青ざめよう。
無関係の女子までも、そのメモには青ざめてしまいました。
特に、この状態では廊下側の席のヤツらが重要な立場にありあす。
窓際にはヒーターがあるので、先生は折があると窓際に来ようとします。
するとすぐさま廊下側の生徒が手を上げます。
「先生先生!ちょっといいですか?」
また少しして先生が窓側に歩き出すと
「先生、これちょっと見てください!」
このスリルとサスペンス!
しかし、廊下側の生徒だけがやたら質問をする、という異常な授業に、先生は気づかれてしまいました。
「お前たち、なんかたくらんでるな?」
いえいえ。とんでもありません。たくらんだのは昨日です・・・・。
この時点では、まだ先生も微笑まれていて、我々のたくらみを察知しようとされていましたが
その視線が、ふと窓の外にながれた時
「う・・・・・・」。
発覚。
人間。本当に驚くと声が出ないもんです。
そこには言うまでもなく、愛しの新車の雪玉を乗せた姿。
それも屋根へっこみの鳥瞰アングルです。
先生は、授業そっちのけで教室を飛び出されました。
完結編へ続く・・・
最近一話が長くてすいません。
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