もうすぐクリスマスですねー。
なにか形骸化されてきてしまっていますが、子供さんがいらっしゃる所では、クリスマスは一大行事。
特にその夜だけサンタさんにならなくてはならないお父さんには、たいへんな行事です。
大多数の子供さんがそうであろうと思いますが、小さな子供にとってサンタクロースは憧れであり
夢でもあるわけで、まぁ、相当にひねくれていなければ、サンタさんの存在を信じています。
この「子供の夢」を壊さぬために、夜中に忍び足で部屋をたずねたり、と、それなりの苦労をするわけですが
子供も序々に大きくなりますと、相応の疑いを持ち始めるのでやっかいです。
実に個人的な話ですが、我が家の子供は、それぞれ小学校6年生になるまでサンタの存在を信じていて
学校でも激論をくりひろげておりました。
それは「サンタクロースのアリバイ」を、工作していたからです。
これからサンタさんになりえる人は参考にされてください。たぶん「参考」にはならないと思いますけど(笑)。
サンタのアリバイ、その1/サンタさんはデジタルものは知らない
たいていの家庭でそうであろうと思いますが、子供はサンタさんにプレゼントのお願いを書きます。
おそらく、最近は「ゲーム」やら「ニンテンドーDS」やらが主流になっていると思いますが
本人には、こうした「要望書」を書かせておきます。
が、朝あけるプレゼントは「木琴」やら「積み木」やらの旧態然とした玩具。
当然、もらった本人は不満たらたらですが
「サンタさんは、デジタルな最近の玩具はわからないんだよ」と、教え
そういうものはパパが別途買ってあげることにします。
こうすることによって、せっかく買ってやっても「感謝されるのはサンタさん」という
お父様の不満も解消できます。
意外なことに、子供はアナログな玩具でもしっかり遊ぶものです。
サンタのアリバイ その2/サンタは泥棒ではない
日本のたいていの家庭には、暖炉がありません。したがって煙突もありません。
これを給湯器のあの15cm程度の煙突から入るのには、ちょっと無理があります。
したがって、子供には「煙突がなければ窓から入ってくる」と教えておきます。
だから鍵は開けておくことを、しっかり子供につたえます。
これを2、3度(つまり2、3年ですが)繰り返した後、うっかり鍵をしめてしまう年をつくります。
朝、プレゼントはなく、鍵を閉めていたことを子供はおもいっきり怒ります。
たいてい泣き出すので、この段階で初めて「窓の外は見たか?」と、教えます。
そうです。この年だけは、ベランダかどこか外にプレゼントを置いておくのですが
この残酷な儀式はききめ抜群。
「ああ。入ってこれなかったから、外においておいたんだね」
と言うと、その喜びもあって、サンタさんに感謝しまくってくれます。
私は、これを雪の降ったクリスマスを狙って行い「ソリの跡」までつけておきました(笑)。
サンタのアリバイ その3/日本語はわかるが書けない
もともとのセント・ニコルスはオランダ、サンタクロースの本場はフィンランドあたりですから、
一応、その見た目からも日本語を書けそうにありません。
ですから、プレゼントに「クリスマスおめでとう」などと年賀状みたいな台詞を書いてはいけません。
「A happy merry christmas! for ○○」と、なぶり書きします。
サンタさんは、世界中の子供にプレゼントを送らなくてはなりませんから、とにかく忙しい。
したがって読みにくければ読みにくいほどGoodです。
うちの子供(高校生)は、今でもこのサンタさん直筆の包み紙を持っています。
サンタのアリバイ その4/包み紙
前項に関連しますが、サンタさんがトイザらスあたりで買い物してくるわけがないのであって
販売店のマークのある包み紙は御法度です。
包み紙は質素であればあるほどいい。うちは、文具店で、なんの模様もない荒紙を買ってきて
それで包み直しました。
なにしろ、世界中の子供ですから、サンタさんもそんなに経費はかけられないはずなのです。
割れ物は、当然「英字新聞」で包みます。
サンタのアリバイ その5/鈴の音
子供もテキトーに物心がついた頃に、サンタの鈴の音を聴かせます。
これは録音して準備しておくのですが、10分くらいのものを作り、当然フェードアウトさせます。
フェードアウトしないと、子供は探し続けるので、とんだ失敗になりかねません。
外にラジカセをおき、ちょうど鈴の音がフェードアウトしそうなところで、子供をたたきおこします。
「サンタの鈴の音がきこえるよ」と言っておこし、寝ぼけた子供に「鈴の音」を確認させます。
後から子供は、それが夢だったかさえ区別できなくなっていますが、それでかまいません。
もともとサンタさんは「子供の夢」なのですから。
私はこれをマンションに住んでいた時にやったものですから、翌朝には、マンション中が大騒ぎになっていました(笑)。
サンタのアリバイ その6/サンタの忘れ物
ある年に、一度だけプレゼントと別に、サンタの忘れ物を置いておきます。
うちは「銀の鈴」でしたが、そんなものでなくても、「他所の子の書いたお願いの紙」でもかまいません。
当然、子供の見つけやすい場所におき、「ああ、サンタが忘れていったんだね」と教えます。
その上で「住所がわからないから、来年返そう」ということにします。
翌年、この「忘れ物」がなくなっていると、子供は驚喜してくれます。
なんと2年ごしのアリバイ工作ですが、それくらいの価値はあります。
サンタのアリバイ その7/年齢制限
サンタクロースにとっての「子供」という概念にも、当然、年齢制限があるはずですから、
これをあらかじめ子供には伝えておきます。
うちは「12歳」でしたが、まぁ、10歳でも、11歳でも、とにかく疑い出す年齢がいいでしょう。
その上で、その年齢を超えた時に、「もう、今年からサンタは来ない」ことを伝えます。
もちろん、パパがそのかわりにプレゼントをあげることも伝えます。
そうした上で、その年も「サンタからのプレゼント」を置いておきます。
「ああ。きっとサンタさんが間違えたんだね」と言っておくと
予想外の出来事に、子供は大喜びします。
サンタのアリバイ その8/
ノーラッド
近年になって、たいへん有名になりましたが、アメリカ国防省では、サンタクロースを人工衛星や
ジェット機で追跡する「ノーラッド」という事業(?)をやっていて、この実況中継をホームページでやっています。
今年は一段とパワーアップしているので、ぜひごらんください。
サンタのアリバイ その9/多数決
さて。子供もいいかげんいい年齢になってくると
「サンタはお父さんだったのか?」という疑いを持ち、当然、たずねてまいります。
この時に狼狽してはいけません。
まず子供に逆にたずねることにします。
「サンタがいるのといないのとではどっちがいい?」
まぁ、ここで「いなくてもいい」と言うようでは、育て方そのものを誤っていますから
教育についてもう一度考え直さなくてはなりません。
たいていは「いたほうがいい」と答えます。
「ああ。そうだね。世界中の子供もそう思っているだろうね。
誰も信じなければサンタさんはとっくの昔にいなくなっていただろうから
今もずっと信じられているということは、きっといるんだろう」
ここで初めて、自分に贈られたプレゼントのことを聴いてきますが
これには「パパは知らない」でかまいません。
そうして
「君の子供にも、そうやって伝えなさい」
と、教えます。
こうして雲散霧消しながら(笑)サンタさんは、伝説として残っていくのです。
ああ。めずらしくええ話でした。自画自賛。