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エスティマ日和

『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』2章まで収録の、エッセイ集です。独立しました。

11/12 行列のできる法律相談所

2006年10月14日 | CG
あー。めずらしくまじめ、しかもCGの話題です。

実はですね。11月12日の『行列のできる法律相談所』で、弊社のCGが採用になっておりまして。
「消えもの」ですけどね。
放送されることになってます。
CM以外ではひさしぶりです。番組中にパースが登場するっていうの。

まぁ、それはおいておいても面白い番組ですからね。みなさんごらんください。


ナカビゾン

2006年09月05日 | CG
ああ。弱音もはいたとこで、少し気を取り直しまして・・・。

ナカビゾンって知ってますか?

漢字で「中美存」、だと思うんですけど。よくはわかりません。

これ。かの「ドクター中松」の発明品です。

どういう発明品かと申しますと、簡単に言えば、ジャケットに入ったまんまのレコードです。

で。このまんまじゃレコードかけられませんから、針のふれる部分を穴あけよう、ってことにいたしました。

レコードの針ってのは、ご承知の通り、外から中へとずれてまいります。

したがって、穴は縦長です。ん?横長?まぁ、どっちだっていいんですが。

すると形を想像していただけるかと思うのですが、なにかに似ています。

そうです。フロッピーディスクです。しかも昔の、5インチとか8インチとかの。

実は、これがドクター中松が「フロッピーの発明者だ!」と、豪語する根拠となっているわけですが、事実はこうだったわけです。

ナカビゾン。

しかも、このジャケットに入れたまんまレコードをかけよう、って発想は、ナカビゾンが最初ではなく、ナカビゾンは、元の発明の改良版、つまり一部分でしか特許とれてません。

だいぶ勘違いされているかたも多いのですが、フロッピーの発明者はIBMです。

IBMが、ナカビゾンの特許を買ったとか勝手に言ってますが、これもちょっとちがいまして、IBMがフロッピーの特許を申請した時には、すでにナカビゾンの特許期限は切れておりました。
が、特許については、慎重なアメリカ人。なんぼか中松さんに払ったのだそうで

これが

「私がフロッピーを発明した」

の根拠となっているわけです。

ナカビゾンそのものは、レコードをご存知の世代ではおわかりかと思いますが、商品化されませんでした。

今でも「ドクター中松はフロッピーの発明者」という勘違いをされているメディアまでありますが、現実はこんなもん。

すごいヤツです。ドクター中松。

めずらしくまともなお話でございました。


マウス予言

2006年06月04日 | CG
マウス。
はい。みなさんのパソコンにも、今や必ず付いているマウス。

そもそもは1960年代にエンゲルバートという博士が考えたもので、これをXEROX社が採用。
誰ひとり目も向けていなかったものをベンチャー企業Appleがこれに注目。ちなみにマウスをボールで四方八方に動くようにしたのはAppleで、それまでは縦横のタイヤみたいのがついておりました。

これが現在のGUIの開発へと繋がるわけですが、動いたとたん、よせばいいものをさっそく友人(と思っていた)ビルゲイツ君にOSごと見せびらかしに行きます。
これを見せられた時、ビル・ゲイツ君は、驚きのあまり声も出なかったそうです。
ふだんなにげなく使っているものにも、それなりの歴史ってのがあるんですね、
その日のうちに、ゲイツは「あれをナイショで真似しろ」と命令したそうで、このあたりがビル・ゲイツさんが嫌われる原因のひとつでもあるわけです。

まぁ、そんな歴史は、もはやどうでもいいです。

それより問題はその語源です。

「マウス」と言う名は、言うまでもなくその形状から来ていました。

丸いのにシッポがあるからマウス。
いいえ、Appleが開発した当初は、四角いものでしたので、その大きさとシッポこそがマウスたる名前の根拠だったのです。

はて。


現在、当社で使っている「ねずみ」たちには、現在、シッポがありません。



そうです。いわゆるコードレスです。
便利ですね。便利ですけど・・・・

すでに語源となった根拠がなくなってる。

近い将来、その時、そもそもこの入力装置を使っているかどうかかなり怪しいもんですが、少なくともみんな「シッポ」はなくなってしまうでしょう。

じゃぁ、これ「マウス」って言うの、おかしいんじゃない?


するとですよ。

近未来の人は、もうこれを「マウス」と言いません。
じゃぁ、なんて言うか、っていうと、シッポがなくて丸いもんです。

まぁ、言ってみれば


巨大ゴキブリ?





んー、英語で言うと、ビッグローチといったとこですか?

平べったいし。

サワサワ動くし。

脂ぎってるし。

え?脂ぎってない?

ウチのだけ?

え?

脂ぎってるでしょ?


憂鬱なライオン

2006年04月12日 | CG
本ブログをご覧の皆々様。
まずは写真をご覧くださいませ。

これ、なにかわかりますか?

このコンピューターは私が使っているiMacで、いわゆる制作の監視塔です。

この周りについているピンク色のたてがみみたいなヤツ、

これ1枚ずつが、今週納期を迎えている仕事の数々です・・・・。
1枚1件。

混じっている黄色いたてがみが、来週の納期。

いかにとんでもない状態か、おわかりいただけましたでしょうか?

さらに解説いたしますと、向かって左に貼られているものは、すでに最終計算に入っているもの、
右がモデリング、つまり、設計データ待ち。
下が、色彩を入れている最中、といった具合にわかれています。

上ですか?上はですねぇ。すでに納期をオーバーしているやつなんです。

したがいまして、連載どころの騒ぎではないのでございました・・・・。

m(_ _)m

とは言え、ブログ更新の許可はおりましたので、また本日より、CG&建築パースブログは復帰いたします。

連載は・・・そうですねぇ・・・。もう少したてがみが抜けてからでしょうねぇ。




沈金師

2006年02月01日 | CG

世の中、どこを見回してもホリエモン騒動ですが、
どうなんでしょうねー。あんなに祭り上げる事もないと思うのですが。
特にマスコミは、彼には、ずいぶんと視聴率をかせいでもらったはず。
確かに「はしゃぎすぎ」でしたが、ああいう人物。必要だったと個人的には思います。
まぁ、好き嫌いは別として。

さて本日ですが。以前、欧州の芸術作品である『ロートアイアン』をとりあげましたが
ひさびさの和の芸術をとりあげたいと思います。
その名も「沈金」。
これもロートアイアン同様、どなたもさんざん目にしているのですが
やはり同様に、それが「沈金」というものである、ということが知られていません。

「沈金」とは、簡単に言いますと、漆器に、ミゾ(キズ)をつけ、そこに金箔やら銀箔を貼りまして
上からなでて金銀部分を残す、という、まぁ、絵画や彫刻の手法みたいなものです。
よく黒い漆器のお椀やらおぼんに、金色の奇麗な模様がほってありますが、あんなものです。

「あんなもの」と言うのには、理由がございまして、金色の模様の入っているものが必ずしも沈金とは限りません。
もうひとつに「蒔絵」という手法もあり、どちらもたいへんに美しいのですが、言われるまで素人はどちらかわかりません。
蒔絵のほうは、まぁ、砂絵みたいなもの、と考えていただければわかりやすいと思うのですが、
ノリで絵を書きまして、そこに金箔やら金粉を貼って、残りをはがす、という手法です。

ちなみに、水戸のご老公の印籠。あれは蒔絵でしょうね。
私、その都度、ひれふしておりましたのでよく見ませんでしたが。
あと由美かおるのキックにすっかり気をとられていた、というのもございます。

いずれも輪島あたりでさかんになりまして、現在もたくさん沈金作家=沈金師がおられます。
発祥は中国。明王朝の時代です。
日本には江戸時代に伝わりました。

沈金のすごいところは、はるか江戸時代から続いている「伝統工芸」であるにもかかわらず
日本画みたいに「進化」していることです。
「名工」とよばれる方々は、いずれも、いい「じーさん」なのですが、常に新しいことを試みていて、たんに「伝統」にしがみついていません。これってすごいことです。
新しい色や、新しいグラデーションの描き方など、実は、毎年新作や新手法が登場しています。
ほんとに地味な世界なので、あまり知られていませんが。

まずはごらんください。


こちらは金粉だけを使った「現代作品」の中でもオーソドックスなものです。
言われないと忘れてしまっていますが、これが「単色」で表現されているということのすごさ。

あたりまえですが、沈金は彫り物ですから、ほぼ一発勝負です。
このデッサンやグラデーションを頭に描けているだけでも、素晴らしいですよね。
我々、CGなどという「やりなおし」のきく、やわな世界(笑)におりますと、本当に尊敬してしまいます。

もうひとつ。



これを芸術と言わずしてなんと言いましょう?

これを70、80歳近いじーちゃんがやっていることにただただ驚くばかり。

もっとも、こちらに「無断転載」しました作品は、さすがに国も認めているもので、
作家の先生は、日展の審査員などもつとめられています。
ただのじーさんではありません。

それにしても「モナリザ」も「考える人」も、ピカソの「ゲルニカ」や、ゴッホの「ヒマワリ」も、日本人でもたいていの人が知っています。
比較対象はおかしいかも知れませんが、まだまだ脚光をあびてもおかしくない。
しかも、多くの後継者たちは、この道では食って行けない、というのがどうにも・・・
なにしろ、この芸術は、東洋にしかありません。
もったいないことです。

株の操作だけで食ってる若者は、いっぱいいるのに。

「勝ち組」とか「負け組」とかでは決められないもの、たくさんあるのに、なにかを忘れかけている日本が嫌いです。

「物理的に同じ事」EXT

2006年01月30日 | CG
えー、昨日の記事をひきずっての、「犬のウ○コ」話です。
これでは『犬のウ○コブログ』では?という話もありますが、それではとうてい人が集まりそうもない、ということで、タイトル変更騒はまたしても却下。

が、話題は犬のウ○コです。あー、○が変換しにくい・・・。

所変われば事情も異なるのは世の常。あの「オシャレな国」おフランスは、犬のウ○コは、ほぼ放置されます。
そんなことで驚いてはいけません。この国、昔は、窓から人間のウ○コまで、紙につつんで捨てていたってんですから、
まぁ、シャネルもへったくれもないですね。
フランスの使節団が、日本を訪れた時には、日本の「トイレ」がしっかりしていることに、驚いて帰ったそうですから。
香水の発展も、まんざらこれに無関係でもないらしい。
そもそもフランス人は、あまりお風呂にも入らないので(水が貴重)、イメージとはほど遠い、不衛生人種なわけです。

現在は、フランス人も、さすがに窓から投げたりしません。が、犬のウ○コについては、いまだに放置。
したがって、おしゃれなシャンゼリゼ通りも、よく見りゃ犬のウ○コがボロボロあります。

ところが、昨年のクリスマスに、突然、この風習に日本から一石が投じられました。

なにか?と言いますと、任天堂のゲーム『NintenDogs』=『ニンテンドッグス』というやつです。
宇多田ヒカルさんが宣伝しておりましたニンテンドーDS専用ゲーム。
これがフランスで大流行いたしまして、クリスマスだけで200万本近い売上になりましたそうな。

で。このNintenDogsですが、ゲーム機の中で犬を飼う、という、まぁ、昔のたまごっちの親玉みたいなシステムなんですが
このゲーム中、犬のフンを放置しますと、おもいっきりおばはんに怒られます。
これがまぁ、今までのフランス人の感覚に、かなりの衝撃を与えたらしい。
なにしろニュースにまでなったそうですから。

このゲーム。日本ではいい大人に流行っているらしいですが、フランスでは子供中心の流行。
したがって、フランスも将来は、犬のフンを拾う習慣が徹底されるかも?と、期待を集めているのだとか。

ゲームも社会的にバカにならんですね。
「悪い影響」ばかりでなく、こうした「良い影響」も、ちゃんと伝達されるべきだと思うのですが。

というわけで、昨日とはうってかわっての高尚な「犬のウ○コ」話でした。

『犬のウ○コブログ』・・・悪くないかも・・・。



CG盗難事件

2006年01月15日 | CG
CGを始めて間もない頃、山手線で”おきびき”に合いました。
これといって居眠りしていたわけでもなく、なんと言いますか、いつの間に?なレベルだったのですが
盗まれたものが実に面白く、やっかいなものでした。「CG」です。

その日、私はお客様に納品するCGパースを持って、都内を移動していました。
当時、銀塩出力は、A4版が限界で、これに4×5ポジフィルムを付けての納品でした。
ですから、普通の鞄に入れて持ち歩くことができたのです。

事件は池袋から浜松町に向かっている電車内でおきました。
ちょうど品川の駅のところ。網棚に載せていたはずの鞄がありません。

「ありゃ」

これからお客様に納品するCGが鞄ごとなくなっているのです。
中身はともかく、鞄はピエールカルダンの5000円くらいのものでしたので、こんちくしょーです。
納品は会社から別便を出してもらい、さっそく届け出。

以下、調書をとられた時の話です。

「で、中身はなにが入っていたんですか?」
「えーっと、お客様に納品する”CG”です」
「CG?」
「なんと言いますか、写真みたいな、絵画みたいなもんです」
「へー、それはいくらくらいするんですか?」
「んー、そうですねぇ。8枚の納品でしたから、納品額で150万円くらいです」
「え!150万ですか?」
「はい、まぁ、そんなもんですねぇ」
「それはたいへんですねぇ」
「いやぁ、どうってことありません」
「?」
「それより鞄がたいへんです」
「高い鞄なんですか?」
「ええ。5000円もしたんですよー」
「?」

おまわりさんは、「被害額・・・約、150万・・・と」、まじめに調書を書かれておりました。
当時は、CGパースにおいては、なにしろ独占企業でしたから、現在のような2万円コースとか、5万円ぽっきりコースとかはなく、1枚15万円~20万円くらいしました。
したがって嘘は言っていないのですが、なにしろデジタル物ですから、ポジも印画紙も、何枚でも出力できます。
しかし、当時、ずぶの素人であるおまわりさんに、これを説明するのは大変。
まぁいいやってことで、被害額はCG150万と鞄5000円に決定。
たぶん、多額な盗難事件として扱われたに違いありません。

が、この多額盗難事件、翌日にあっけなく解決します。
なんと他の路線で見つかったのです。中身もそのまま。
おそらく犯人が、あまりにしょーもない中身に落胆して、網棚に上げたのでしょう。
150万もするものが入っていたのにもかかわらず。

受け取りは、調書をとられたかたとは別の担当のかたでした。
「絵画8枚150万と、5000円の鞄、間違いありませんか?」
「絵画?ああ・・・まぁ・・・間違いありません」

しかし、問題はこれで解決したわけではありませんでした。
「それで、盗難物であっても、届けた方には5%~20%の謝礼をしなくてはならないのですが・・・」

げげ。謝礼?そこまで頭がまわっていなかった。

「今回は150万なので、7万5千円から30万円ということになるのですが・・・」

えー!それならいっそ拾ってもらわないほうがよかったんですけど。
だってピエールカルダンは5千円・・・・。そんなただの印画紙に30万って・・・。
と、あせりまくっていましたら

「今回はJRのほうで見つけられたので、謝礼は必要ないとのことです」

あー。心臓が止まるかと思いました。
だったら言うなよ!

ということで150万5千円盗難事件、一件落着。

iPod財閥

2006年01月14日 | CG
まず写真をごらんください。なんだかわかりますか?

これ、ハードディスクです。
そうです。みなさんのパソコンにも必ず入っているハードディスク。iPodの上級機もこれと「原理的に同じもの」が入っています。

写真ではわかりにくいかも知れませんが、こいつ、サイズはディスクだけで横35cm。本体は横で60cmをゆうに超えます。
これは、1967年に大ヒット(?)した日立製「リムーバブルハードディスク」。
もっと驚くのは容量で、このでかさをもってして7.25MB(メガバイト)です。

ちょっとぴんとこないでしょうが、一世を風靡したiPod-miniのハードディスクは6GB(ギガバイト)でした。
ということは、iPod-miniを、このハードディスクをもって作るためには、800台以上集めなくてはなりません。
2台でようやく1曲を入れることができます。
これじゃバッテリーが持たない、とかいうレベルではありません。消費電力も莫大で、1台1000Wをゆうに超えるので、800台すべてを稼働するためには、小さな発電所が必要なレベル。
少なくとも、USBの接続では無理であろう、と思われます(あたりまえ・・・)。
電車にこんなものを持ち込まれたら迷惑この上ありません。

1967年の登場ではありますが、以後、20年間、つまり1980年代後半まで、この14インチディスクというのが、標準規格になっておりました。
価格は、というと、1台5000万くらい(もっと?)したと思われるので、iPod-miniは、400億円くらい・・・それもハードディスクという記憶装置だけの話ですから、まぁ、全体としては500億くらいするシロモノということです。
iPod-miniをお持ちのアナタ。実は大金持ちです。地主なんてもんじゃありません。もう財閥ですね。iPod財閥。
iPod-Videoを持っているワタクシ様に至っては、もう世界をぎゅうじっている、と言っても過言ではありませんから、ブランデーグラスを片手に、あくせく働く下界のブタどもを、笑って見ていることができます。わぁっはっはっは。


20年ほど前、つまり1980年代になると、ハードディスクもだいぶ小さく安くなりましたが、それでも1MB=1万円と言われておりましたので、40MBで40万円もしました。それでも画期的に小さく安くなったと言えます。
この当時のものでiPod-miniを作ったとしても、6000万円。
iPod-videoなら、3億?

iPod-nanoは、ハードディスクではありませんから、さらにこの比ではありません。
1980年代後半でも、128KB(キロバイト)のメモリーは、10万円くらい。すると4GBのiPod-nanoは、なんと400億!?
もうnano財閥(へんな単語・・金持ちなのかどうなのかわからん)と言っても過言ではありません。
これを100台もプレゼントに使った弊社様に至っては、もうロックフェラーもものともしないレベルですから、下界で働くみなさんを、ブランデーグラス片手にながめていることができます。

わぁっはっはっは。くるしゅうない。おもてを上げい。


マジレッドが赤いわけ

2005年12月26日 | CG
どのような商売につかれていても、その道のスペシャリストというものは
一般人とは、それを「見る目」が異なります。

たとえば左官屋さんは、壁があれば、その塗り方を見るでしょうし、
魚屋さんは、魚の活きがわかります。
花屋さんは、野に咲く花の見方が、やはり一般人とはちがうでしょうし
構造設計屋さんは、建てかけのマンションがあれば「もっと鉄筋が抜けるな」とか
葬儀屋さんは「あのおじいさんは来年死にそうだ」とか・・・。
いずれの商売でも、商売の対象物を見る目はちがいます。
それは一種の職業病みたいなものです。

では、CG屋がどうか、と言いますと、これがたいへん。
なにしろ光と色を商売にしていますから、身の回りすべてが「商売の対象物」なわけです。
はっっきり申し上げて、これは気が狂います。

たとえば、ここに白い玉と赤い玉があります。
これをくっつけると、どうなるかわかりますか?

そうです。白い玉には、赤い玉がうつり、白い部分は、ほんのりと赤くなります。
CGをリアルにしあげるためには、この「光のうつりこみ」を、理解していなくてはなりません。
現代の3Dソフトは、ほとんどこれを自動計算しますが、
その玉が木でできていた場合と、プラスチックの場合、金属の場合、スポンジの場合
すべて映り込みがちがいます。
このため、物体ごとの材質の設定は、ひとつずつ人間が行います。

当然、こういうものは、光の当たっている所、全てでおきているわけで
研究対象は腐るほどあるわけです。ああ。書いているそばからいやになりますが。

一般の方が、「光を気にして生きる」などということはありません。
左官屋さんは壁を
花屋さんは花を
構造設計屋さんはマンションを
葬儀屋さんはおじいさんを(?)
気にしていればいいことです。それは世にあふれていたりはしません。

が。光というやつは、本当にちまたに溢れておりまして(当然ですが)、
しかも、我々にとっては、電球の光も、車のヘッドライトも、もちろん太陽も、
みーんな商売の対象物なのです。
もっと言うなら、光を反射するもの、つまり、目に見えているものは
すべて光を発しています。

これを専門用語で「グローバルイルミネーション」と言います。

アカレンジャーがどうして赤なのか?えっと、今はマジレンジャーのマジレッドでしたっけ?
となりにアオレンジャーが来たらどうなるか?えっと、今はマジブルーですけど。
マジレッドは、赤い反射をするので、赤く見えるわけで
見る者にとっては、「赤い光を放っている」ということにもなります。
マジレッドのとなりに、マジブルーが立つと、それぞれの反射部分は
マゼンダ、という中間色が生まれます。つまり、マジマゼンダですね。
また、光そのものの色も、物体には影響するために、
マジイエローに夕日があたると、マジオレンジになります。
これを仮想条件下において計算させるのが、CG屋さんの腕のみせどころなのですが、
普通の人はまぁ、考えませんよね。マジオレンジのことなんか・・。いないし。

したがって我々は、「ナナイロアチャガ、ナナイロニカワルノハ」なぜなのか、知っています。

今度、ペ に会ったら教えてあげようっと。


新世代ゲーム機と「リセットさん」

2005年12月11日 | CG
Microsoftから、Xbox360が発売され、いよいよゲーム機も次世代の争いとなりました。
ソニーからはPS3、任天堂からはレボリューションが、来年発売されます。

主な争点になっているのは、CG描画の性能ですが、どんなもんなんでしょう?
別にあそこまで・・・と、CGを扱う商売をしていながら思います。

100人の人間を同時に動かすことができる、というのは、我々から見ても驚異的な性能ですが
100人同時に動かせるから、100人を一度にけちらす(殺す)ゲーム、というのも、なんとも安易で情けない。

CG描画とゲーム内容については、PS2の「ファイナルファンタジー」でも、ずいぶんと議論をよびました。
個人的見解では、FFはファミコンの「II」が。ドラクエでは同じくファミコンの「III」が一番面白かったと思うのですが。
当時のゲームは、人間など8×16個の点でしかなかったのですが、じゅうぶんに楽しめました。
ただただCGの描画を争うのでは、ソフトメーカーとしていかがなものかと思うんですがねぇ。
心配なのは、ゲームソフトウェアをつくるのにコストや時間がかかりすぎて、
いいアイディアを持っている人や、すぐれたソフトメーカーが参入できなくなってしまうことです。
ゲームは、我々のCGとは異なるものですから、奇麗ならいい、というもんじゃありません。

ところで、近年ゲームでたいへん感銘をうけたものがあります。

任天堂のゲーム『どうぶつの森』というシリーズに出てくる「リセットさん」というキャラ。
なにやらモグラのようなオヤジなのですが
このオヤジ。ゲームの進行が気に入らずに思わずリセットすると
次の回に必ず現れ
「おまえ!さっきリセットしたろー?人生そんなあまいもんとちゃうぞ!」
と、延々と説教するんですね。
さらに、うざいなぁ、と思ってこれをリセットしようとすると
「あ。お前、さらにリセットしようとしてるな?」とか
さらに厳しい説教をたれていきます。
結局、どうやろうとこのリセットさんの説教は、すべて聴かなくてはなりません。

小さい時からゲームにふれてきた新世代のこどもたちは、「リセットボタン」でやり直しがきくことに馴れてしまいました。
でも、人生はリセットがききませんから、これを誰かが教える必要があります。
なぜなら、教科書なんかより、はるかに影響力が強いからです。
最近の少年犯罪なども、まんざらこれに無関係ではないかも知れません。
誰を殺そうと、なにを失敗しようと、リセットボタンは「やりなおし」をさせてくれますから。
少年犯罪者の手記に「リセットボタンがあればいいのに」という台詞があって、感心もしましたが、ぞっとするものもありました。同じように被害者にもリセットボタンはありませんからね・・・。

そこにきてこの「リセットさん」。
任天堂のゲームに対する信念と良心を感じます。
すばらしい。
ここが詳しいです

そう言えばWindowsにもリセットさんがいました。
どうにもこうにも動かなくなって、リセットをかけると
「不正な終了のしかたをしましたね?」みたいなヤツ。
勝手にフリーズしたあげくにこの台詞。
「お前のせーだろーが!!」
と、何度さけんだかわかりません。
Windowsには、やたらこういう台詞まわしが多くて、本当に腹がたちますねぇ。
98の頃と比較するとぐんと減りましたが、なにをおこしても「ユーザーが悪い」というあの態度。
Xbox360には入ってないといいのですが。


ナンジャモンジャってドンナモンジャ?

2005年12月07日 | CG
昨日、1日のアクセス数が150人に達しました。閲覧数は500pv。ぱちぱち。
ああ、思えば苦節1ヶ月半(苦節と言うほどに長くありませんが・・・)
雨の日も風の日も書き続けたかいがある(屋内で書いているので関係ありませんが・・・)というものです。

開設した日のアクセスが16人、閲覧も45pvだっとことを思うと快挙です。
うち、6人くらいは検索エンジンのロボットでしょうから、実質10人、というとほぼ内輪。
それが150ですよ。150(うち140件が検索エンジンだったら哀しい・・・)。
ちなみにここ、gooでは180人で1000位に入れるようです。さすがに40万も登録があるとたいへん。まぁ、もともとそういうところを狙うようなブログではないのですが。

初めてnon様やBlacky様にコメントをいただいた日から、内容が少しずつ変わりまして
50人くらい訪れるようになった時から、さらに「一般向け」にしてきました。
ひょっとすると、当初ここを発見された方々には、つまらない内容になっているのかも知れません。
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ということで初心に帰りましてヒペリカムカリシナムと福山雅治以来の植栽ネタです。
初心と言っても1ヶ月前のことですけど・・・(笑)。

「なんじゃもんじゃの木」という、ふざけた名前の木があります。
実は「なんじゃもんじゃ」というのは、東京地方での呼び名で、正式名称はモクセイ科の「ヒトツバタゴ」と言われており、東京弁が共通語と異なるめずらしい例です。
都内では、神宮外苑に植えられたものが有名で、特にこれだけをさして「なんじゃもんじゃの木」と呼ぶ、という説まであるほどです。
"「ヒトツバタゴ」と言われている"、と書きましたのは、実は、なんじゃもんじゃの木の「設定が極めてあやふや」だからなのですが、千葉県では楠を、地方に行きますと、わけのわからん大木は、み~んな「なんじゃもんじゃの木」と呼ぶ所まであるほど。したがってこの地方にさえ行けば、あなたも植物博士!「あー、あれはね。なんじゃもんじゃの木って言うんだよ」。
これほどあやふやなものでありながら、広辞苑にも植物図鑑にも掲載されているんだからたいしたもんじゃ。
どうやら「もんじゃ焼き」の語源も、このあたりにあるらしいのですが
「なんじゃもんじゃゴケ」とか言う植物もあるところを見ると、まんざら嘘でもないのかも知れません。

なんとも言えないセンスのこの名前ですが、当然、このセンスのないヤツは誰だったのだろう?と考えます。
で。東京弁の「なんじゃもんじゃの木」は、どうやら、かの「水戸黄門」の命名らしい、という説があります。

ヒトツバタゴは、生息域も狭く、当時はさらに珍しい木だったらしいのですが、江戸城下のものは九州あたりから移植されたものらしいんですね。
ある日、将軍様(金日正ではありません。この場合は綱吉?)に、
「これこれ光国。あの木はなんと言う木じゃ?」
と尋ねられた我らが黄門様。見ると、当人も見た事も聞いた事もない木だったわけです。
おそらく、ここで(話題の)格さんや助さん、うっかり八兵衛あたりとひそひそ相談したのだと思いますが
らちがあきません。
とは言え、「わかりません」というのは、よほどプライドが許さなかったのか
黄門様。
「はは。あれは なんじゃもんじゃの木 でございます」
と答えたとか・・・・・・答えなかったとか。
ふだんからよっぽど知ったかぶりしてたんでしょうねぇ。黄門様。
それにしても・・・「なんじゃもんじゃ」って・・・・。

今にそのまま伝わっている、ということはどうやら「将軍様はそのまま信じてしまった」と推察されます。
さらに、将軍様が黙っていれば、現在使われているわけがありませんから、
あちこちで「これこれ吉保(よしやす)、あの木を知っておるか?あれはな・・」
とか、そのまま自慢しまくったのではないでしょうか?
これが延々と伝わり、今や広辞苑に載るほどの「テキトーな名前の木」となったわけです。
そう考えますと、歴史というのは本当に奥が深いというか、浅いというか。


<なんじゃもんじゃ=ヒトツバタゴの花>

ほかに江戸時代の木草学者水谷豊文が命名した、という説もあり、
「学者」を出されると、俄然信憑性が出てきますが、私は断然前者を支持します。おもしろいから。

ちなみに「なんじゃもんじゃの木」最有力候補「ヒトツバタゴ」は、それ自体が珍木で、
雪のような美しい花を咲かせることから、現在でも珍重されておりまして愛好会も全国にあり
『全国ひとつばたごサミット』なるものが開かれるほど!

どんなもんじゃ?


縮尺がギクシャク

2005年11月26日 | CG
車のミニカーやプラモデルには縮尺が書いてありますが
実は、そのままの縮尺ではありません。

たとえば1/100縮尺のモデルは、横は1/100ですが縦は違います。
縦は、横よりもわずかに小さくなります。
縮尺度が大きいほど(つまりモデルが小さいほど)その差も大きくなります。
つまり、現物よりは平べったくなっているわけですね。

なぜ、縦横の縮尺率が異なるのか、と言いますと、
実寸のまま縮小すると、「ずんぐりむっくり」に見えてしまうからなんですが、
実はこの現象、CGの中でもおこります。
このため、CGパースに車を入れるときは、わずかに車をつぶします。

彼女が、写真うつりを気にして
「私、こんなに太ってるかなぁ?」と聞かれたときに、
この理論を話してあげると、とても安堵してくれます。
ぜひお試しください。
パノラマ写真なら、この理論はさらに説得力があります。

ん?縦よりも横?

まぁまぁ。深く考えないで。

そもそも、彼女の隣に写っている「ミッキー」や「プルート」がまともに縮尺されていることに
普通は気づきそうなものですが、すでに「CG」というハイテクな単語が彼女を混乱させておりますので
そこまで思考が至りません。
たいてい「ああ。そうなのね」と、納得してくださいます。
女性はもともと、こうしたことに「ひいきめ」に捉える傾向がございますから
自ら墓穴をほるようなことは本能的に避けて通ります。

もし、彼女がこの理論の「おかしさ」に気づかれたなら、
写真を横にして見せて「ほおら」と言ってあげればいいのです。
もし、この段階で「なあるほど!」と、彼女が納得したなら、彼女はそれなりの「アホ女」ですから
別れるかどうかの基準としても使えます(笑)。

なお、当ブログの内容に関して、個人的にいっさいの責任は負いませんので念のため。

ヒペリカムカリシナムと福山雅治

2005年11月21日 | CG
建築CGで、影の立役者として、どうしてもはずせないものがあります。
そうです。グリーン=「植栽」です。
タイトルのヒペリカムカリシナムは、なにやら「エコエコアザラク』(知らないでしょうけど)の親戚の呪文みたいですが
ちがいます。日本におけるそこそこ代表的植栽の名前です。(写真は開花したヒペリカムカリシナム)

ひとくちに植栽などと総称しますが、こいつが実に面倒で複雑。
それを一口で表現するため「ひぺりかむかりしなむ」にご登場いただいた、というわけです。
ヒペリカムカリシナム=ヒペリカムカリキヌム=オトギリ草科

日本にはおおよそ5600種類もの高等植物があり、しかも固有種(日本オリジナル)は2000種類にものぼります。
なにしろ南北にビロ~ンと長い島国ですから、固有種が多い多い。
ガーデニングで有名な「島国」イギリスと比較しても、圧倒的な数字です。
もっとも、絶滅危惧種もダントツに多いのですが(環境庁調査で希少種まで含めると約600種)。

弊社のように(たぶん他社もそうだと思いますが)、北海道から沖縄まで、全国にパースを納めておりますと
この南北の長さが植栽の面倒さに拍車をかけます。

CGパースに植栽を入れる方法は、おおよそ2種類ありまして、
ひとつはつくりもの、つまり植物もCGで作ってしまう方法と、写真をはめ込む方法があります。
動画の場合は、写真というわけにはいきませんから、植物も3Dでつくりますが、弊社の場合、パースでははめ込み写真です。

なぜなら、緑を入れれば植栽、なわけではなく「その地方にはありえない植栽」というのが存在するからです。
3Dの植物データは、そこまでカバーしていない、ということと、
なにより、いまいちリアルさにかける、という欠点があります。
最近は、フラクタル係数を用いて「植物をつくっちゃいましょう」という3Dソフトもありますが
まだまだ、です。

もう読んでいるそばから面倒そうな話かと思われるでしょうが、実際、とっても面倒です。
造園業のかたは、その地域地域で育生するものを植えていけばいいことなのでこのような悩みは持ちません。
まさしくパース屋のみ(それもCG)が持つ悩みです。
ここまでくると、造園業というよりは植物学者の領域で、たとえば美しい庭園を見ていても、まったく別の観点で見てしまいます。
「おお!ここにはフィリフェラオーレアが植樹されてる!あ、こっちはアジュガレプタンスだぁ。すげー」などという台詞をデート中の恋人が突如言い出したら、たいていの相手は、その瞬間に「別離」が頭をよぎります。

ことわっておきますが、フィリフェラオーレアもアジュガレプタンスも、
パースに登場する「ごく一般的」植栽です。
ヒペリカムカリシナムに至っては、木草本類においてはなんとベスト3の生産量がありまして
まぁ、歌手で言えば福山雅治?くらいの地位はあるわけです。
もっとも福山雅治を「君はシンガー界におけるヒペリカムカリシナムだ!」と、例える人はまずいませんが。

北海道と沖縄は、独自の島ですから、特に植栽の制約が多く、相応の知識がないと、植栽を入れることができません(パースの話です)。
ちなみにそれぞれの都道府県の植物は、北海道がエゾマツ。沖縄はリュウキュウマツで、南北先端がたがいにマツというのもおもしろいですね。
東京は言うまでもなくイチョウ。大阪は例によって東京にライバル心がありますから「イチョウ」です。
こんなとこまで張り合ってたのか。大阪。
「東京がイチョウいうなら、こっちもいったろか?」みたいなことが府議会で話し合われたかと思うと笑えます。
広島は県の花も県の植物も「もみじ」。
両方が一致している県は広島だけで、まんざらではなかったんですね。モミジマンジュウ。

さて。ここで問題です。日本で最も植栽に使用されている植物はなんでしょう?

これはたいていの方がわかります。そうです。「サツキ」です。
造園業会は、実に正確にその生産量をおさえておりまして、なんと「1本」の単位まで集計しています。
それによりますと、サツキは30,935,019本でダントツ1位。2位のヒラドツツジの800万本に圧倒的な差をつけています。

自慢じゃありませんが、この職業(CGパース)をやるまで、ツツジとサツキの違いさえ知りませんでした。
それが今や数百種の植栽を扱います・・頭痛い。

植物に詳しい男性は、それなりにモテるらしいのですが
記憶にないですねぇ。ヒペリカムカリシナムを知っていてモテたことは。
福山雅治なのに。

モアレ対策

2005年11月15日 | CG
「モアレ」は、画像にたずさわっていれば必ずかかわる、実にありがたくない現象です。
もっともそれは我々にとっての話で、一方では芸術になっていたり、
あるところでは、科学や医学にも役にたっていたりもするのですが、
とりあえず、弊社においてはメーワクな存在です。

画像処理におけるモアレは、大きく2種類あって、
ひとつは、スキャンの時に印刷物の凹凸によって生まれるもの。
もうひとつは、定期的な模様(タイル等)によって幾何学模様が起こすものです。
いずれも面倒ですが、今回はプロもビックリ、スキャナーのモアレ対策についてお話します。

紙のものをスキャナーで読み込むと、必ずこの「モアレ」に出会うことができます。
こんなやつです。


これは、実際には実に美しい写真で、ざらざらした模様はありません。
このザラザラがモアレで、どんな人が、どんな高価な機械でスキャンしても起きます。
紙やインクの凹凸による乱反射ですから、紙のざらつきが大きいと、当然モアレも派手になります。

あまりに画像が荒れるために、弊社でも「模荒れ」という「肌荒れ」の類似語みたいに思っていた人間がたくさんおりましたが
moire という、れっきとした外来語です。語源はフランス語。
言われてみれば「マドモアゼル」とかと似ていないこともありません。
したがって鼻から空気を抜きながら発音します。
はい。「もアれ~ン」。
よくできました。

しかし、紙のものから取り込むのがスキャナーのメインたる役割ですから
なんとかしたい、と、誰でも思います。
このため、スキャナのソフトウェアには「モアレ除去」機能がついているものも多くあります。
でも、それで満足できない場合。あるいは、歯がたたないほどのモアレが起きるときは?

本当のプロ中のプロたちは、これにゼルという薬品を用いて来ました。
スキャン時のモアレは紙の凹凸による乱反射から生まれるため、この凹凸を薬品で埋める手段です。
ところが。このゼル。信じがたいほど高価な薬物で、末端価格(?)は50gで5000円くらいします。
すでに闇で取引されている一部薬剤のような価格ですから、カタギ(?)の手を出すレベルではありません。

では簡単なモアレ対策は?

あります。
まず第一にスキャンする角度を変えます。つまり紙を置く角度を変えてみます。
するとどうでしょう?
まるで教育テレビの小学校理科のようなジングルとともに(ちゃりらりらり~ん)
モアレの大きさが変わります。
この中から最も現れにくい角度を選びます。
角度の変え方には、一定の法則がありますが、残念ながら、とてもここいらで説明できる量ではありません。
仕方ないので、あてずっぽうでやってください(笑)。

次に画像処理ソフトで画面を超拡大します。
すると見覚えのない、写真とは関係のない色の点がいっぱい見つかります。
こいつらがモアレの正体です。
量にもよりますが、PhotoShopの場合、この色をスポイトで拾って、「色の置き換え」、または「色相彩度」で、
色別に変えてしまいます。
するとモアレは、みるみるうちに消えていきます(ように見える)。

そんなことやってられない、という素人衆は、
仕方がないので、ガウスぼかし、というやつで、画像ごとぼかしてしまいます。
その後、輪郭だけをシャープでもどせば、それなりの画像ができあがります。
最後のものが最も一般的手段で、スキャナソフトのモアレ除去もこれを利用していることが多いのですが
なにしろ、画像がぼける、のと、モアレの色が入り込んでしまうという欠点があるため、
我々は「最後の手段」にしています。



以上、まぁ、だまされたと思ってやってみてください。
もしダメだったら、本当に「だまされた」だけのことです。

はい。「もアれ~ン」。

フェラーリが標準装備

2005年11月04日 | CG
10年ひとむかし。とは昔から言われている言葉ですが、
コンピューターの世界でのこの10年は、そんななまやさしいものではありませんでした。
弊社もこの6日で12周年を迎えますが、国内初のCGパースを生み出してから14年(法人化前からなので)。
本当に変わりました。

最も変わったと思われるのは、言うまでもなくハードウェアの進化で、その中でも極めつきがメモリー。
この変化には、泣きたくなるような大進化がありました。「価格」です。
これはもうデフレとか、そういうなまやさしいものではありません。

弊社がCGを研究し出した頃、32MBのメモリーがなんと1枚15万円以上もしました。
今なら1500円くらい??というか、もう32MBなんて売ってないし。
この15万円もするメモリーを4枚ずつ各マシンに乗せて、10台。つまり、15万×4枚×10台=?
はい。正解です。600万円。
当時は、これをマシンごとリースで購入しました。

ところが数年もしないうちに、なんと月々のリース代金より、メモリーの価格のほうが下がってしまいました。
いや。最初から覚悟はしてましたけど。
覚悟してても、腹はたちます。
だって、ベンツ買えちゃいますもん。

おまけにこの頃、Macintoshは、刻々と使用メモリーの仕様が変わって、ベンツなみのメモリーはただのゴミに・・。
まぁ・・・・それくらいは稼いでくれたと言えば稼いでくれたのですが。

もっとも、CGパースの原理を思いついた頃は、フルカラーのグラフィックカードは、1500万円くらいしたような・・・?
うーん。ここまでくると、すでにフェラーリ。
今は、1万円以下・・・・くらいかな? というか、標準で付いてます。フェラーリが・・・