エスティマ日和

『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』2章まで収録の、エッセイ集です。独立しました。

研究者たちの憂鬱

2009年02月11日 | 雑記
最近の携帯電話は、機能はもとより、その軽さには驚くべきものがあります。

きっと、一流大学工学部出身の研究者が

「これじゃS社より2グラムも重くなる!もっと軽くできないのか?」

「これ以上はもう限界です」

「バカものーーー!根本の設計から見直せ!基盤を2マイクロミリけずってみろ!」

「そんなことをしたら抵抗値が変わってしまいますよ!チーフ!」

「じゃぁ、液晶はどうなんだ?もう4マイクロミリグラムくらい軽くできるだろ!」

「無茶言わんでください!今の解像度じゃ無理です!」

「やかましい!そこをなんとかするのが研究者だろ!君には研究者のスピリットはないのか!」

「チーフ!そう言えば韓国のB社で、今までより0.03グラムも軽いチップを開発したそうです!」

「なんでそれを早く言わん!さっそく採用しよう!すぐ韓国へ飛べ!」

「はっ!」

彼らは知らない。

彼らが心血そそいで、軽量化した携帯に

女子高生が500グラムもあるストラップの束をつけることを。