エスティマ日和

『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』2章まで収録の、エッセイ集です。独立しました。

「物理的に同じ事」EXT

2006年01月30日 | CG
えー、昨日の記事をひきずっての、「犬のウ○コ」話です。
これでは『犬のウ○コブログ』では?という話もありますが、それではとうてい人が集まりそうもない、ということで、タイトル変更騒はまたしても却下。

が、話題は犬のウ○コです。あー、○が変換しにくい・・・。

所変われば事情も異なるのは世の常。あの「オシャレな国」おフランスは、犬のウ○コは、ほぼ放置されます。
そんなことで驚いてはいけません。この国、昔は、窓から人間のウ○コまで、紙につつんで捨てていたってんですから、
まぁ、シャネルもへったくれもないですね。
フランスの使節団が、日本を訪れた時には、日本の「トイレ」がしっかりしていることに、驚いて帰ったそうですから。
香水の発展も、まんざらこれに無関係でもないらしい。
そもそもフランス人は、あまりお風呂にも入らないので(水が貴重)、イメージとはほど遠い、不衛生人種なわけです。

現在は、フランス人も、さすがに窓から投げたりしません。が、犬のウ○コについては、いまだに放置。
したがって、おしゃれなシャンゼリゼ通りも、よく見りゃ犬のウ○コがボロボロあります。

ところが、昨年のクリスマスに、突然、この風習に日本から一石が投じられました。

なにか?と言いますと、任天堂のゲーム『NintenDogs』=『ニンテンドッグス』というやつです。
宇多田ヒカルさんが宣伝しておりましたニンテンドーDS専用ゲーム。
これがフランスで大流行いたしまして、クリスマスだけで200万本近い売上になりましたそうな。

で。このNintenDogsですが、ゲーム機の中で犬を飼う、という、まぁ、昔のたまごっちの親玉みたいなシステムなんですが
このゲーム中、犬のフンを放置しますと、おもいっきりおばはんに怒られます。
これがまぁ、今までのフランス人の感覚に、かなりの衝撃を与えたらしい。
なにしろニュースにまでなったそうですから。

このゲーム。日本ではいい大人に流行っているらしいですが、フランスでは子供中心の流行。
したがって、フランスも将来は、犬のフンを拾う習慣が徹底されるかも?と、期待を集めているのだとか。

ゲームも社会的にバカにならんですね。
「悪い影響」ばかりでなく、こうした「良い影響」も、ちゃんと伝達されるべきだと思うのですが。

というわけで、昨日とはうってかわっての高尚な「犬のウ○コ」話でした。

『犬のウ○コブログ』・・・悪くないかも・・・。



「物理的に同じ事」

2006年01月29日 | 雑記
早朝、犬の散歩をしていました。

犬が歩道際、ウ○コをいたしましたので、飼い主として当然、それをひろいました。

コンビニの袋を裏返しに、それを手袋にしてつかみます。

感触はナマですので、あまり気分のいいものではないのですが、まぁ、犬を飼っていれば馴れます。

10mほども離れたところに、おばさんが立っておりまして、聴こえるように言いました。

「まぁ、えらいわねぇ。 飼い主がみんなそうだったらいいのにねぇ」

うーん。犬のウ○コで褒められたことがなかったので、まんざらでもありませんでしたが

「こっちにもあるからひろってって!」

「はい?」

いや・・・そういう趣向で歩いてたわけじゃないんですけど。

見ると、そこにはあきらかに大型犬がしたのであろう、ちょうど人間と同じような大きさの。

いや・・・。さすがにそれは・・・

と断ると

「え?どうして?  ”物理的に同じ事” でしょ?」

なにを難しそうに言ってんでしょうか?犬のウ○コで。

同じわけねーだろ!

しかし。こういう無茶を言うときの「オバサン」って、どうしてあんなに強いんでしょう?

結局、ハスキーだか、ラブラドールだか、とにかく大型犬がしたであろう巨大ウ○コをいっしょに拾うはめに。

さわやかな朝に・・・。

うちの犬はパピヨンなので、それはサラミみたいなもんなんですが、大型犬はさすがに違います。

それにしても、我が家の犬ならなんということもないのに、

どうして他人様の犬だと、あんなに汚く感じるんでしょう?

不思議です。

「物理的に同じ事」なのに・・・。

同じことか??

電車おやじEXT

2006年01月26日 | 雑記
え~。なんとあの『電車おやじ』が、長野県須坂市の公式ブログからトラックバックされました・・・。
リンクもはられておりまして・・・、ああ、こんなことなら、せめて「電車おやじ様」というタイトルにするんだった。

須坂市のみなさん(?)。ありがとうございます。
かならずやまた訪れますので、記事内容につきましてはひらにご容赦を・・・。

あと。ハッチによろしく・・・。

それにしても長野。全体的に、人々のホワ~ンとしたいいとこでした。

須坂市名所めぐりブログ

ノリのいいはなし

2006年01月25日 | 雑記
ノリのいいはなし、と言っても、ラップとかのハナシじゃないんだYO!
食べるノリ、そう、オニギリにまかれちゃってるあのノノノノノノノノノリ、ノリ、ノリのおはなしだYO!ちぇけら!

というわけで海苔のお話です。

ワタクシ、海苔。ちょっとくわしいんですが、これって実はたいへん奇妙な生産物なんです。

おおよそ、どんなものにも階級があります。
寿司なら松竹梅とか、人間でも良いホリエモン、普通のホリエモン、悪いホリエモンとか
会社でも悪いヒューザー、とても悪いヒューザーとか
特に食材は、知らないところでけっこう階級分けされています。

で、海苔です。海苔も食材ですので、階級分けされています。
しかもはてしなく細分化されておりまして、なんと400階級!もございます。
種類がある、とか、階級分けで育つわけではなく、同じものをつくっていながら
400階級に分けられるんです。おそらく、自然の食材ではトップではないでしょうか?
これほどに分かれると、当然、素人目にも、生産者でさえよくわかりませんから
これを見分ける「専門職」の方がいらっしゃいます。
まぁ、ノリのプロですYo!
国内で流通する海苔は、すべてこのかたたちによって区別され、出荷されていきます。

そうですね。我々が普通に口にしているのは、せいぜい上から6番~8番めくらい。
あるいは400番近かったりします。
1番とか2番とかは、まぁ、料亭やら宮内庁やらに行き、庶民はなかなか食べられません。

この階級にはそれぞれ名前があり
最上級はたしか「優A」だったかと思います。
以下、「優B」「黒優A」「黒優B」と続きまして、最低が「チ外」と言います。確信持ってませんけど。
この名前を覚えるだけでもたいしたもんですよね。この呪文みたいなのが400種類ですよ?

当然、この階級によってまるで値段は異なります。
したがって、生産者はなるべく「優A」になるように育てるわけですが、まぁ、子供と同じでございまして、思った通りには育ちません。
出荷すると、この「海苔オーディション」にかけられ、勝手に400階級それぞれに分けられます。
問答無用のこのオーディションで、海苔生産者の収入は決められます。

スーパーあたりで安売りされているのは、おそらく40番目くらいの海苔。
「高級海苔」と書かれているものでも、10番目かそのあたりです。
200番~300番くらいのやつが味海苔に、橋にも棒にもな400番目付近のものは、キザミ海苔などになります。

海苔は「黒い札束」とまで言われる食材ですが(あまり良い印象をうけないよびかたですね)
1~10番目くらいのものは確かに、そう呼ばれるだけある値段がします。
海苔は当然、海という畑で穫れるわけですが、その年の水温や、天候などに大きく左右されまして
最上級クラスは、まったく獲れない、という年もあるほど。
厳正なものなんですねぇ。

こんなことは、普通、漁業従事者でもあまり知らないことなのですが
弊社で、この階級を管理するプログラムを組んだことがありまして、いやいや詳しくなりました。
おかげさまで、「黒優A」と「チ外」くらいの見分けはつくようになりまして、
コンビニのおにぎりの海苔でさえ「こりゃ安物だぁ」とか、わかるようになりました。
現状の話ですが、「セブンイレブン」のノリがいいようです。
それでも10番目~20番目くらい?かな?

一番単純な見分け方は、どうやら黒く厚いほど良いらしい、ということ。
海苔を買う際は、色くらいは見てはいかがでしょう?
ひょっとすると、とんだものを「掴まされている」可能性おおアリです。
へいへい、海苔が悪いYo!

ちぇけら!


ダイヤモンドのはげ頭

2006年01月24日 | 雑記
今さらながらブルース・ウイルスの映画「ダイ・ハード」にはまってます。
正確に言えば、初めて観た時から、ずーっと定期的にはまっている、といっていいでしょう。
いきづまってくると、必ず見たくなる映画のひとつです。
1~3までありますが、どれもまぁ、スッキリします。

なにしろこの中のブルース・ウイルスは、生身の人間と思えぬ頑丈さ。
高さ数十メートルから甲板に落ちようが、鉄筋でぶったたかれようが、後ろでなにが爆発しようが
飛行機からふきとばされようが、マンホールから水ごと飛び出そうが

たいてい「こんちくしょう」でかたづいてしまいます。

と、ふと考えました。こんなキャラ、ほかにもいたぞ?


で、わかりました。

両津勘吉です。
そう。あの「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の両津勘吉。
シチュエーションから、その頑丈さから、ハメの外し方までそっくり。

そうか。ブルース・ウィルスは、両津だったんだ。

ちなみにタイトル「ダイヤモンドのはげ頭」は、森下裕美先生の「ここだけのふたり!」に登場する母が、
『ダイ・ハード』のビデオタイトルに書いていたものを、そのまま盗用いたしました。

まんがばっか・・・。


国民年金基金

2006年01月22日 | 雑記
最近のテレビコマーシャルで気になるものがあります。

賃貸情報の
「♪はやま~ったね~かーさん」
も時期的になかなかですが、それよりなにより

『国民年金基金』

ゴルフの宮里藍選手の宣伝する
「国民年金払ってます!国民年金基金にも入りました!」
という、あれです。

年金系のCMは、前回もそうですが、いろいろやってくれてますけれど
今回も、まぁ、なんと言いますか感情逆撫でしてくれてます。

「本当です」とかいうテロップまで出て来ますが
これはたぶん前回の年金CMの「実はうそでした」の反省だろうとは思います。でも。
懸賞ランキングトップ、総額○億円の宮里さんですから、そりゃ払うでしょう。そんな「はした金」。
年金基金は掛金が全額所得から控除される、という新手の破綻年金集金方法のひとつ(?)。
したがって、宮里さんにとっては、莫大な年収の「税金対策」にすぎないわけですが、一般庶民はちがいます。
だいたい年収○億円が数年も続けば、そもそも年金に入る必要もありません。
その上で、出演料、いくらか知りませんけど、出演相場の高い宮里さん。それだけで生涯分の国民年金基金分になるのでは?

そんなもん説得力あるか?

これが、四畳半くらいで子供をおぶったおばさんが、内職の手仕事しながら
「どうにか国民年金基金だけは払いつづけてます・・・老後・・・心配なんで・・・ゴフッ」
とか言うなら、
まぁ、あの人もがんばってるんだから、俺もかけてみようか、くらいになりますが。

たぶん宮里さんって、全国の20歳数百万人の中でも、ダントツに年収が多いはず。
長者番付間違いなし。
そんな人を、ほかの20歳といっしょには語れません。
というか、あなたの年収、60歳で仮定してもいいですけど、宮里さんを抜けますか?
自慢じゃありませんが、私は抜く自信ありません。

おまえら年金破綻させてるんだから、CMにそんな出演料高いやつ使うな、ぼけ!
と、思ってしまうのは私だけ?

たぶん、基金のおえらいさんかなにかが、一緒にコースをまわらせてもらう、とかいう条件でやってるんでしょうねぇ。
例によって。
懲りない人々。

「本当です」

野良ヤギ(完結編)

2006年01月21日 | 雑記
さぁ。野良ヤギ、完結編です。それほどはりきるほどのものでもありませんが。

繰り返しになりますが、この話は前編、および後編を読んでいらっしゃらない方には、まったく通じない話となってしまいますので、こちらから入られました方は、まずこちらの『野良ヤギ(前編)』、および『野良ヤギ(後編)』からお読みいただきますよう、ひらにお願い申し上げます。

「ほれ」

アウェイのコロシアムの中で、ヤギの所有格が確定してしまいまして、ひとり孤立し、全校児童550人を敵にまわす、というとんでもない事態に追い込まれた少年「私」。
そりゃもう「のぶたをプロデュース」なんてもんじゃありません。今時のしおらしい子供たちなら登校拒否はおろか、自殺も考えるような事態であろうかと思われますが、私、そんなにヤワなお子様じゃございませんでした。
もとより「野ブタ」ではなく「野ヤギ」です。関係ありませんけど。

思えば、体育教師がヤギを追いかけ回さなければ、これほどの被害にはならなかったものを
さんざん花壇を「荒らさせた」あげくに、すべての責任を紐1本で小学生の私にバトンタッチしようというのですから、ちょっと許しがたい。
半ベソ状態で、体育教師と担任に猛烈に抗議いたしますと、両教師とも「わかったわかった」と私をなだめ、体育教師がそのまま野良ヤギを現場にともどすことになりました。
うーん。我ながらグラディエーター?半ベソだけど。

その日の給食も終えた5時間目。家庭科がつぶれてホームルームに。
どうやら野良ヤギ関連のホームルームです。ここで担任が初めて事態の説明をいたしました。

「わかりましたね?だから野良のヤギに、むやみにエサをやってはいけませんよ」
「はーい」
と、みんなは答えましたが
先生。そんなこと習ってないし、今後の人生でもほとんど役にたちそうにないんですけど・・・。

「それで・・・」先生が続けました。
「6年生は、今から掃除までの時間、全学年の花壇直しを行います」
「えーーー」

言うまでもなく、とたんにみんながブーイング

「はい先生!そんなの○○くんと、体育の先生がやればいいと思いま~す」
挙手して言うほどのことか?
「いいとおもいま~す」ぱちぱち

・・・・わるいとおもいま~す

民主主義では解決しそうにない、と判断された先生は
「みなさん?みなさんは最上級生でしょう。最上級生には最上級生の責任があります」
いいこと言う!
「たとえクラスの1人が起こしたことでも、全員でカバーしあうのがクラスメイトというものです」
いいこと・・・言う?
いや。その1人、って私のことなんでしょうか?

「わかりますね?」
「はーい・・・・」

先生。さっぱりフォローになってません。ていうか立場悪くなってますけど。

いかにも納得していない返事の「クラスメイト」でしたが、全員体操着に着替えて中庭集合。
6年生はほかにもクラスがありましたが、そっちも強制出動です。
我がクラスはともかく、他のクラスの子の私に対する視線は、さらに厳しいものがありました。
むろん、中には、授業がつぶれたことで大よろこびしている男子児童がたくさんおりました。
彼らは奇妙な利害の一致で、私の味方となったのでした・・・。それほどうれしくありませんでしたが。
「おまえんのヤギのおかげだよ!^^」
「ちがうって!」
「謙遜すんなよ~ ^^」
日本語おかしい・・・。

野良ヤギと体育教師の荒らした花壇は、さんざんなものでした。
「ひで~」
「これってもうダメなんじゃないの?」
「先生、食べられちゃったヤツはどうしますか~」
「そうねぇ・・・」
その一問一答が作業をしている私の背中に、ミスリルの剣のようにザクザクとつきささります。

同じ中庭ですから、例によってコロシアム状態で、野次馬いっぱい。
窓から下級生たちが声をかけやがります。
「○○くん、僕の花もちゃんとなおしてよね」
いいから授業受けろよ!
だいたい後輩なんだからタメ口きくな!と、内心思いつつも、奇妙なうしろめたさから
「はいはい、ただいますぐに・・・」と、すっかり卑屈になってしまっている私でした。

人数がいたせいか、1時間程度で作業は完了!
まぁ、食べられたものはもどりませんが、それは先生が後から苗を買ってくる、ということで一件落着いたしました。
めでたい。
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翌日になり、少しはみんなの気持ちも記憶もうすれかけ、
私は「学校に来れない」という皆の期待をみごとに裏切り、なにごともなかったように登校いたしました。

そして教室に入ったとたん、女子たちがはげしく私をよんでいます。
「○○くん、はやくはやく!」
「なに?」と女子に呼ばれるままに窓際へといくと、中庭に白い野良ヤギが・・・。
そして窓際、私を見つけるなり

メェ?

疑問形で鳴くな!

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実は番外編、追加してます。お読みになりたいかたはどうぞ。


野良ヤギ(後編)

2006年01月20日 | 雑記
えー。初めて会社のメールにまで、続きを掲載しろ!というリクエストがございまして、思わぬ督促を受けながらの掲載でございます。めずらしい。

と、いうわけで野良ヤギ、後編です。

この話は前編を読んでいらっしゃらない方には、まったく通じない話となってしまいますので、こちらから入られました方は、まずこちらの『野良ヤギ(前編)』からお読みいただきますよう、お願い申し上げます。

心優しい少年「私」は、わずか2枚のパンから、すっかり犯人にでっちあげられてしまいました。
私は消極的なほうではありませんでしたから、むろん猛烈に反論いたしましたが
もうクラス全員37人対1人に、敵には地方公務員まで加わっての戦いですので、勝ち目がございません。
論戦は、わずか30秒ほどで
「おまえがつれてきた」の一言で決着してしまいました・・・。

地方公務員命令で
「なんとかしなさい」
と言うことは、ひいては地方自治体がなんとかしろ、と言っているわけですから、行かないわけにはまいりません。

中庭では、すでに体育の先生が、なにやら紐を手にもって、ヤギと追いかけっこをしており、ショーの面白さに拍車をかけておりました。
ヤギの逃げ道は、花壇なので、その都度踏み荒らし、事態は悪化する一方です。
しかし、大人の男性が捕まえられないのに、幼少の私になにかできるでしょう?

担任につれられ、とぼとぼと中庭に出ますと、まわりの窓という窓から少年少女が顔を出しておりまして、さながらコロシアム状態。
そこにヒーロー登場!なのですが、もう花壇が踏みまくられておりまして、さんざんな状態ですので、激しいブーイングの中でのアウェイです。

体育の先生は、少々、お年を召しておられましたので、すばやいヤギ相手にすでに息が上がっておられました。
先生、こちらを向くなり
「はぁ・・・はぁ・・・・おまえかぁ?」
だから、ちがう、っちゅうに・・・。

ところが野良ヤギ。
私を見るなり
「メェ?」
と鳴きました。
おい、誤解をよぶから疑問形で鳴くなよ。
普通ヤギは、尻下がりで鳴くものだろう?

しかし野良ヤギは「メェェ?」と疑問形で鳴き続けながら、こちらに寄ってきます。
ええ、ええ。普通なら可愛くてしかたない光景ですよ。
ペーターならきっと大よろこびで、片手で逆立ちしますよ。
でもここはアウェイのコロシアム。そういう状態ではありません。
「ペーター。ここはアルプスじゃないのよ?」

ヤギは一般的に「高い所が好きなバカな動物」が通り相場です。
なのにこのヤギ。朝のわずかな2枚のパンと、それを「持っているであろう人物」を記憶していたのです。
すげぇ。
すげぇけど、こっちくるな!
疑問形で鳴くな!

願いは空しく、私にかけよってきたヤギは、私の目前で、体育教師に逮捕されたのでした。
私の目前で・・・。

体育教師。そのつかまえた紐の先を
「ほれ!」
と、私に渡しました。

「はい?」

「つれて帰れ」

これが決定打になりました。

もうコロシアムのあちこちで
「やっぱり○○くんのヤギなんだね」
「○○くんのヤギが、花壇めちゃくちゃにしたね」
「あーあ。3年生のヘチマももうだめだね。○○くんのヤギのせいで。授業で使うのにね
「1年生のクロッカスもぼろぼろだね。○○くんのヤギのせいで。1年生泣いてる子がいるね
「6年生の卒業記念の苗も○○くんのヤギが踏んでっちゃったね」
「○○くん、明日から学校来れないね

なんとでもお言い!

 完結編につづく・・・。

※プライバシー保護のため○○の部分は控えさせていただきました。また音声も変えてございますので、そういう声でお読みください。


野良ヤギ(前編)

2006年01月19日 | 雑記
『メリーさんの羊』は、どなたもご存知のことと思います。
少女におこった羊による悲劇を唄ったものですが、田舎で生まれ育ちました私は、これを地で経験したことがあります。

小学校の通学中、友人が「つながれていないヤギ」を発見しました。
この年頃は、誰だってそうだと思いますが、もうみんなでよってたかって、いじります。
なかなかに人なつこいヤギで、それをいやがる雰囲気もありません。
たぶん、どこかにつながれていたのが逃げて来たのでしょう。
私も初めて見ました。野良ヤギ。

ノラ犬などと違いまして、草食動物であるヤギは、食い物に困りません。
ですから、ガキどもが、どんなにそのへんの草をちぎって食べさせようとしても
そいつを食う理由はヤギにはまったくありません。
でも子供ですから、エサをあげてみたい。
私。ふと背中の鞄に「昨日の給食で残したパン」があることを思い出し、これをあげてみることにしました。
すると。
食うわ食うわ。まるでTOKIOの太一みたいにおいしそうに食べます。
あっと言う間に1枚完食。で、2枚目をあげますと、これもまたたく間に完食。

さぁ。エサもやりおわったし、学校へ。
と、思いましたところ、よほどパンがうまかったのか、野良ヤギ。トボトボと後ろをついてまいりまして
とうとう学校に到着してしまいました。
この思わぬ珍客に、登校してきた児童たちは大騒ぎ。
あっと言う間に黒だかりになりました。特に女子は大よろこびで、つれてきた私も、一瞬ウソみたいにモテまくりです。

「ねぇねぇ、どこのヤギ?」
知らない。
「名前なんていうの?」
知りません。
「いくつくらい?」
知るか!
「どうしてついてきたの?」
それは知ってます・・・。

しかし小学生の朝はつかの間。我々もヤギさんとはお別れして教室へ。
メリーさんみたいに、教室までついてくることはありませんでした。
ひと安心。

が、授業も2時間目くらいになった時
「きゃあー!」
窓際の女子が、奇声を発しました。

「先生!ヤギが・・・
      ヤギが私たちの花壇たべてますぅっ!!!!

げ。

こうなると、みんなガキですから一斉に窓際へ。

「まぁ、ほんとう」
「あーあ、せっかく育ってたのにぃ」
この雑踏に、他の教室の子供たちも、一斉に窓から顔を出しました。

先生が言いました。
「どこのヤギかしら?」
みんなが言いました。
「○○君のヤギでーす」

あまりにたくさんの人たちが一斉にさけんだので、○○の部分が聞き取れませんでしたが
なにか、私の名前にも聴こえないでもない・・・・?

え?

当然、この一斉唱和は、ほかの教室にも聴こえまくり

「○○くんのヤギだってさ」
「なんで学校につれてきたの? ○○くん」

「あーあ、どうしてくれるんだろうねぇ ○○くん」
「なにかんがえてんだろうね。○○くん」

なにも考えてません。

「本人にも聴こえるヒソヒソ話」の輪は、伝染しながら教室の窓沿いにどんどん広がっていきます。

観ると、ヤギは、花壇の育ちかけの花がよほど気に入ったのか、次から次に食い荒らしていました。

先生が私に向かってヒステリックに言いました。

「○○くん、なんとかしなさい!」

なんで?

 後編へつづく・・・。

※プライバシー保護のため○○の部分は控えさせていただきました。また音声も変えてございますので、そういう声でお読みください。

靴の墓場

2006年01月18日 | 雑記
みなさんもきっとそうだと確信いたしておりますが、ガキの頃というのは、どういうわけか悪いことには頭がまわるもので、今や社会人の鏡とまで言われるワタクシも、それはそれは悪いことばかりうかんだものでした。

『第一発見者』で、ちょっとだけ触れましたが、悪事のいくつかは、不本意ながら警察ざたになりまして、いろいろと世間様にもご迷惑をおかけした次第です。みなさんもきっとそうだと思いますが。
この話は、そんな「誰にでもある」小さな事件のひとつです。

高校2年のある日、友人が、修学旅行用の靴を購入する、というので、靴屋さんにつきあいました。
帰り足、友人は新しい靴を履いてみたくなったらしく、路側に自転車を止めて、さっそく新しい靴を試着。
もう、そのまま履いて帰ろう、と言い出しまして、古い靴をその場に掃き捨てていこうとしました。

「きみ、きみ。それは良くないよ」

当時より、正義感にあふれた私は、友人をいさめ、その履き古した靴を取り上げました。
取り上げたとたんに、ある画期的アイディアがうかびまして、私たちは、速攻で自転車を走らせました。
目的地は、町で一番高い橋。
はるか眼下に、大きな川が流れています。

私たちは、この橋を靴の墓場に決定いたしました。
もちろん、礼儀をきびしくしつけられておりました私は、橋のはじっこに、2つ、きれいに揃えておきました。
そのままでは、翌日、とんだ騒ぎになることも、じゅうにぶんに考えられるので、
書き置きをしよう、という結論に至りまして
「主に捨てられたかわいそうな靴です。どなたか拾ってやってください」と便せんに書きまして
ご丁寧にも封筒に入れて、靴の間にはさんでおきました。

そのさまを、遠巻きに確認いたしまして、我々は意気揚々と帰宅したのでございます。

いやぁ、我ながら傑作、などと笑っておりましたところ、自宅にその友人から電話がかかってきまして、
「たいへんだ!」
と、まるで八丁堀のハチベェ(誰だ?)のようなあわてよう。
なにをあせっているのかよくわからず、落ち着くように諭しますと
「警察から電話があった」
と言うのです。

まさか。だって今日の靴の墓場は、誰の仕業かはわからないはず。
と、たかをくくっておりますと

「中敷に、かぁちゃんが名前書いてた」

ばかか??

事態は、私が想像していたより、はるかに悪くなっているようで
「まさか、名前出してないだろうな?」
という、政治家のような確認をいたしますと、友人は黙りこんでしまいまして、すでに無言の返事をしているわけです。

案の定、当日のうちに、私にもお呼出しがかかりまして、駐在所にて親ともども土下座。
特に母は平謝りで、
「すみません。今度はちゃんとゴミ箱に捨てさせます」
んーと。母ちゃん、問題はそこじゃないと思うけどな。
駐在さんの怒りに油そそがないでくれる?

この画期的アイディアは、おもいきり学校にも知れるところとなり、翌日も先生によびつけられる始末。
先生は怒りまくっておりまして「もう、お前は靴を履くな!」とか、わけのわからん説教をたれておりましたが
たぶん、頭に血がのぼって、もうなにを言っているのか、ご本人もわからなかったのだと思います。

なぜ、こんなに怒っているか?と申しますと、実は、これが1度めではないからなのでございます(笑)。
では、記念すべき1度めはなにか?と、いうのは、また次の機会にでも。

まぁ、みなさんもきっとそんなものだと思いますが。
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アレルゲン

2006年01月17日 | 雑記
ある夜のこと。突如呼吸困難に陥りました。
いや。正確には、息を吸おう、と心がけると、呼吸はできるのですが、ほうっておくと呼吸しない。
つまり、自然呼吸ができない。こりゃただごとじゃありません。
誰でも「そんなばかな?」と思います。

自慢じゃありませんが、我々は驚異的に不規則な生活を送っておりますので、不健康には自信があります。まぁ、どこがどうおかしくなってもさほどに不思議ではないのですが、さすがに呼吸できないのは困ります。

これが1週間以上も続き、ああ、とうとう死期が来たのだなぁ、と、その都度、なぜかかたわらにパトラッシュを頭に描きながら「ぼく、もうつかれたよ・・・」などとつぶやいておりましたが、日ごと深刻になる事態に、とうとうそんな馬鹿も言っていられず、呼吸器科の病院へ。
そして、そこで思わぬ「告知」を医者から受けました。

「こりゃアレルギー性の喘息ですねぇ」
いままでなったことはありませんでしたが、そうかそうか、アレルギーだったのか、と納得し、
とりあえずアレルギーのもととなっているもの、アレルゲンを調査することになりました。
「なにか生活で変わったことは?」
医者の問いに、ルーズこの上ない生活を振り返り、ひとつ思いつきました。

ハムスター。

ハムスターは飼い始めて5、6年も経っておりましたが、もともと寿命が3年くらいの動物ですので、入れ替わり立ち代わり、代替わりして、もう20匹目くらいになっていましたが、
数週間前に、娘が買って来たのが「ジャンガリアンハムスター」という、それまでとは違う種類のハムスターでした。
それまではゴールデンハムスターという、まぁ、和製ハムスターだったのですが、こいつはエジプト産。その頃に突然ハムスターブームがおきまして、特にこの「ジャンガリアン」という種類が流行り出していたのです。
こいつが来てから、私は強烈な匂いに悩まされていたのですが、家族はまったく臭わない、と言うのです。
私は玄関先にいてさえ、臭うと言うのになぜ?と不思議に思っておりましたので
「ハムスターを飼いました」
と、このことを包み隠さず白状いたしますと、お医者さんは、ハムスターのアレルゲン検査を行い

「あなたはハムスターアレルギーです」
と、私の病気を高らかに宣言したのでした。

うれしくない。
なんと言っても病名がかっこ悪い。
せめて「パンサーアレルギーv10.3」とかなら自慢もできるのに。


(アレルゲン)

帰宅して、ネットで調べますと、ハムスターアレルギーという病気は確かに存在していて、子供はまずかからないのだそうで、大人ばかりが多くかかるという不思議なアレルギーでした。
そこにはとんでもないことが書いてありました。「2人に1人は呼吸困難をおこし、最悪死に至る場合もある」
げ。とんでもない重病!こんな重病に「ハムスターアレルギー」などという可愛い名前をつけていいのでしょうか?
しかも、その状態でハムスターに噛まれるとアナフィラキシーショックを起こす可能性が極めて高く、その場合「最悪突然死」してしまうってんだから、しゃれになりません。

さっそくハムスターを2階トイレに隔離。ハムスターには罪がありませんが、どうやら私との共存は不可能。
それだけ隔離しても、私にはまだ「匂い」がします。
他の家族、ほか、客人にも、まったくその匂いは感じられない、と言うんですからアレルギーってのは不思議ですね。
なにか、ひとりだけ霊が見える、という、シックスセンスな気分です。五感に入ってますけど。

それにしても、この「ハムスターアレルギー」という、深刻みのない病名には困りました。
本人は、なにしろ「死に至るかも知れない」病気なんですから、深刻この上ないわけなんですが
誰に話しても、病名を白状したとたん
「へー」と、なかば笑みを浮かべて聞き流されてしまいます。
当然、仕事を休む理由にもなりません。呼吸ができないのに・・・。
ちょうどテレビで「とっとこハム太郎」なるアニメが流行り出した頃で、そのイメージは「ハム太朗」に染まっていました。
♪だ~いすきなのは~ ひ~まわりのたね~
その真剣味のかけらもないテーマソング。
3年で死ぬ哺乳類のマンガ書くな!
その後、ハム太郎は、ミニモニとコラボいたしまして、ますます「ハムスターアレルギー」は、深刻な病気から遠ざかっていくようでした。

隔離から半年ほどして、ジャンガリアンは寿命を迎えまして、私の病気も嘘のようにケロリと治りました。
私が治ったとたん、ニュースで「ハムスターに噛まれて男性死亡」のニュースが流れ、まぁ、ぞっとしたやら、お気の毒やら・・・。

ちなみにお医者さんの話ですと、一般的ハムスターアレルギーの検査は「ゴールデンハムスター」でやるのだそうで、したがって、私のようにジャンガリアンで発症するような人には、検査結果が陰性になり、意味がないのだそうです。
この先生。自分もかかったので、たまたまわかったらしいのですが、ハムスターを飼っている方。検査で陰性だからといって安心しないように。

最後に先生がたずねました。
「で、なんていう名前なんです?ハムスター」
「スモモですが・・・なにか病状に関係あるんでしょうか?」
「イヤ・・・。うちのはチップって言うんですよ」

言いたいだけかい。

CG盗難事件

2006年01月15日 | CG
CGを始めて間もない頃、山手線で”おきびき”に合いました。
これといって居眠りしていたわけでもなく、なんと言いますか、いつの間に?なレベルだったのですが
盗まれたものが実に面白く、やっかいなものでした。「CG」です。

その日、私はお客様に納品するCGパースを持って、都内を移動していました。
当時、銀塩出力は、A4版が限界で、これに4×5ポジフィルムを付けての納品でした。
ですから、普通の鞄に入れて持ち歩くことができたのです。

事件は池袋から浜松町に向かっている電車内でおきました。
ちょうど品川の駅のところ。網棚に載せていたはずの鞄がありません。

「ありゃ」

これからお客様に納品するCGが鞄ごとなくなっているのです。
中身はともかく、鞄はピエールカルダンの5000円くらいのものでしたので、こんちくしょーです。
納品は会社から別便を出してもらい、さっそく届け出。

以下、調書をとられた時の話です。

「で、中身はなにが入っていたんですか?」
「えーっと、お客様に納品する”CG”です」
「CG?」
「なんと言いますか、写真みたいな、絵画みたいなもんです」
「へー、それはいくらくらいするんですか?」
「んー、そうですねぇ。8枚の納品でしたから、納品額で150万円くらいです」
「え!150万ですか?」
「はい、まぁ、そんなもんですねぇ」
「それはたいへんですねぇ」
「いやぁ、どうってことありません」
「?」
「それより鞄がたいへんです」
「高い鞄なんですか?」
「ええ。5000円もしたんですよー」
「?」

おまわりさんは、「被害額・・・約、150万・・・と」、まじめに調書を書かれておりました。
当時は、CGパースにおいては、なにしろ独占企業でしたから、現在のような2万円コースとか、5万円ぽっきりコースとかはなく、1枚15万円~20万円くらいしました。
したがって嘘は言っていないのですが、なにしろデジタル物ですから、ポジも印画紙も、何枚でも出力できます。
しかし、当時、ずぶの素人であるおまわりさんに、これを説明するのは大変。
まぁいいやってことで、被害額はCG150万と鞄5000円に決定。
たぶん、多額な盗難事件として扱われたに違いありません。

が、この多額盗難事件、翌日にあっけなく解決します。
なんと他の路線で見つかったのです。中身もそのまま。
おそらく犯人が、あまりにしょーもない中身に落胆して、網棚に上げたのでしょう。
150万もするものが入っていたのにもかかわらず。

受け取りは、調書をとられたかたとは別の担当のかたでした。
「絵画8枚150万と、5000円の鞄、間違いありませんか?」
「絵画?ああ・・・まぁ・・・間違いありません」

しかし、問題はこれで解決したわけではありませんでした。
「それで、盗難物であっても、届けた方には5%~20%の謝礼をしなくてはならないのですが・・・」

げげ。謝礼?そこまで頭がまわっていなかった。

「今回は150万なので、7万5千円から30万円ということになるのですが・・・」

えー!それならいっそ拾ってもらわないほうがよかったんですけど。
だってピエールカルダンは5千円・・・・。そんなただの印画紙に30万って・・・。
と、あせりまくっていましたら

「今回はJRのほうで見つけられたので、謝礼は必要ないとのことです」

あー。心臓が止まるかと思いました。
だったら言うなよ!

ということで150万5千円盗難事件、一件落着。

iPod財閥

2006年01月14日 | CG
まず写真をごらんください。なんだかわかりますか?

これ、ハードディスクです。
そうです。みなさんのパソコンにも必ず入っているハードディスク。iPodの上級機もこれと「原理的に同じもの」が入っています。

写真ではわかりにくいかも知れませんが、こいつ、サイズはディスクだけで横35cm。本体は横で60cmをゆうに超えます。
これは、1967年に大ヒット(?)した日立製「リムーバブルハードディスク」。
もっと驚くのは容量で、このでかさをもってして7.25MB(メガバイト)です。

ちょっとぴんとこないでしょうが、一世を風靡したiPod-miniのハードディスクは6GB(ギガバイト)でした。
ということは、iPod-miniを、このハードディスクをもって作るためには、800台以上集めなくてはなりません。
2台でようやく1曲を入れることができます。
これじゃバッテリーが持たない、とかいうレベルではありません。消費電力も莫大で、1台1000Wをゆうに超えるので、800台すべてを稼働するためには、小さな発電所が必要なレベル。
少なくとも、USBの接続では無理であろう、と思われます(あたりまえ・・・)。
電車にこんなものを持ち込まれたら迷惑この上ありません。

1967年の登場ではありますが、以後、20年間、つまり1980年代後半まで、この14インチディスクというのが、標準規格になっておりました。
価格は、というと、1台5000万くらい(もっと?)したと思われるので、iPod-miniは、400億円くらい・・・それもハードディスクという記憶装置だけの話ですから、まぁ、全体としては500億くらいするシロモノということです。
iPod-miniをお持ちのアナタ。実は大金持ちです。地主なんてもんじゃありません。もう財閥ですね。iPod財閥。
iPod-Videoを持っているワタクシ様に至っては、もう世界をぎゅうじっている、と言っても過言ではありませんから、ブランデーグラスを片手に、あくせく働く下界のブタどもを、笑って見ていることができます。わぁっはっはっは。


20年ほど前、つまり1980年代になると、ハードディスクもだいぶ小さく安くなりましたが、それでも1MB=1万円と言われておりましたので、40MBで40万円もしました。それでも画期的に小さく安くなったと言えます。
この当時のものでiPod-miniを作ったとしても、6000万円。
iPod-videoなら、3億?

iPod-nanoは、ハードディスクではありませんから、さらにこの比ではありません。
1980年代後半でも、128KB(キロバイト)のメモリーは、10万円くらい。すると4GBのiPod-nanoは、なんと400億!?
もうnano財閥(へんな単語・・金持ちなのかどうなのかわからん)と言っても過言ではありません。
これを100台もプレゼントに使った弊社様に至っては、もうロックフェラーもものともしないレベルですから、下界で働くみなさんを、ブランデーグラス片手にながめていることができます。

わぁっはっはっは。くるしゅうない。おもてを上げい。


『紅天女』

2006年01月11日 | 雑記
ビッグニュースです。ぜんぜん脈略ありませんけど。

なんと、なんとあの『紅天女』が。そうです。あの『ガラスの仮面』の『紅天女』が能楽となって公開されることになりました。
驚き!
『ガラスの仮面』と言えば、その初回は、もう何年前だったかわからないほど昔から続いている驚異的なロングセラー少女漫画。なにしろ読んでた人たちが、すでに「少女」じゃないってとこからしてすごい。
ごく近年になってテレビドラマ化もされたりして名前くらいはご存知のかたも多いはずですが。
初回は、昭和・・・何年でしたかねぇ。いや、大正時代?明治・・・・
まぁ、とにかく大昔ですね。一説では、作者の美内すずえさんは、実は13代目とかいうウワサまであるほど大昔です(ウソ)。

初めは「はなとゆめ」かなにかに連載されていたのですが、いつしかそのあまりにカメなペースに編集者がついていけなくなってしまい、現在は、コミックのみの発刊となり、それも次がいつ発売されるかまったくわからない、という信じがたい状態。
特に、クライマックスとなっている『紅天女』の話になってからは、さらにその遅さに磨きがかかって、数年に一度しか新刊が出ないという、もう、オリンピックなみになった本です。
にもかかわらず、実にファンが多い漫画で、最新巻(と言っても42巻くらい)が数年に一度出るたびに、ベストセラーになるんですから、まぁ、たいしたもんです。
あまりに長いスパンなものですから、時代のうつりかわりが奇妙さに拍車をかけておりまして、突如「桜小路クン」(当年、おそらく50歳くらいではないでしょうか?)が携帯電話を持っていたりと、すでに歴史書の域に達しております。
当初、この漫画の北島マヤに刺激されて女優をめざされたかたも、すでに40歳は超えているはず。夢がかなったかどうかわかりませんけど。

で、『紅天女』です。
前述しましたように、『紅天女』は、『ガラスの仮面』中のクライマックスともいうべき話で、現在もまだ完結しておりません。
Googleで検索いたしますと、なんと10万件もヒット!驚くべき人気。
ストーリーとしては、仏師(仏像を彫る人)が桃の里だかどこだかで、桃の木の精に出会いまして、互いの立場をわきまえずに恋をする、という、実に単純明快な芝居の話なのですが、なんとこれを「能」でやりましょう、というんだから画期的。
『紅天女』に限らず、新作能というだけでもすごいのに、ネタ元が漫画。
しかも「国立能楽堂」でやるっていうんだから、さらにビックリ。どっかの学園祭で同好会がやろう、って話じゃありません。
あっちゃん、スゴイよ~。スゴすぎるよ~。

詳しくは
日本芸術文化振興会のホームページで。

紫のバラの人は観にくるんでしょうか?

ロートアイアンという芸術

2006年01月10日 | 建築
ロートアイアンというものをご存知でしょうか?

と言いますか、普通に生活していれば、しょっちゅう見かけることができるのですが(あるいはあなた様の家にもあるかも)、それが「ロートアイアン」というものだ、ということが、あまり知られていません。
簡単に言えば「鉄細工」のことで、正式な日本語としては「鍛鉄」と言います。
よくセレブな家(でなくても)の柵に使われている槍みたいなやつが、代表格です。

ロートアイアンは、中世ヨーロッパでさかんに用いられた技術で、英語ではWrought Ironと表記します。
Wroughtは、「働く」の形容詞らしいので、「働きい」?とでも言いましょうか。
Ironはご承知の通り鉄です。
小さなものは、衣紋掛、鳥かごから、大きなものは、大寺院の門扉、階段手すりと、とにかく、あらゆる所で利用されてきました。
風見鶏の多くがロートアイアン、と言えば、わかりやすいかも知れません。


言うまでもなく、制作するのは鍛冶屋さんです。
フェンスメーカーなどは、これを鋳物として型枠で大量生産していますが、基本的にはひとつひとつ手作りであるため、同じ物は存在しません。

このため、特に発祥の地である欧州では、ひとつの「芸術品」として認められており、ロートアイアンデザイナーとして名を馳せている方もたくさんたくさん存在します。
なにしろ、曲げ方から打ち方まで、あらゆる形状が考えられますから、そこは3次元の世界で、デザインするのも簡単ではありません。つまり、平面の設計図では、デザインできないものもたくさんあります。
しかも粘土などのヤワ物とは違いますから、形状をつくるのも、実に大変です。
鉄だけで、表現されるロートアイアンは、ある意味、ひとつの彫刻作品でもあるわけですが、
特に日本では、なぜか芸術として評価されません。

今でも、池袋なんかの路上で、名前の針金細工なんかを売っているにいちゃんを見かけますが
彼らは、どうやら「アーティスト」のはしくれとして見てもらえるのに、
それよりはるかに高度なロートアイアンが、芸術として認められないのは、おかしな風潮です。
なにしろ、針金細工のように、ぐねぐね曲がってくれません。

実は、国内にも、多くのロートアイアンメーカーがあり、そこにはまた多くのロートアイアンデザイナーが存在します。
そのほとんどが受注生産であるために、その工房ごとの趣きがあります。
たいていの街の繁華街や、公園で、必ず目にすることができますが、
たまにその造形を観察してみてください。
驚くような凝った形状になっていて、やはりそれが「芸術」であることに気づくことができるはずです。

参考として
ナルディック
オンダ
アイアンワークス

このあたりをご覧ください。それがいかに素晴らしい技術かわかります。