武田邦彦先生がお話された「鹿踏切」です!
https://youtu.be/xtiOHBMGP5Q
インドでは野良牛が急増して危機的状況。
インドは中国と違って、外国の技術を盗むのではなく、自分達で部品から全部作っている、言わば自己完結鉄道。時速190kmで走るので、日本の新幹線と在来線の中間の速度だから準高速鉄道。
このインドの準高速鉄道が牛と頻繁に衝突する事から武田先生は同様に鹿との事故に悩んでいた近鉄の“鹿との取り組み”を紹介されました。
10年前は1年に電車が撥ねる鹿はおよそ5~600頭にも及んでいた。言ってみれば、1日に2頭程が撥ねられていた事になります。新聞のニュースにならないので、皆さんはご存知ないでしょうがと。そこで何とかしなければと近鉄の鹿との取り組みが始まったのです。
ナント、ビックリ。研究の結果、鹿に電車が来るのを知らせる事が出来る様になりました。「鹿踏切」を作ったのです。鹿は電車が来ると、「鹿踏切」の前で、チャンと電車が通過するのを待っています。可愛いですね。
実際の映像で、どうぞご覧下さい。又、この「鹿踏切」が産経新聞の2018年5月28日に紹介されていましたので、その記事も併せてご覧下さい。
【関西の議論】「シカ踏切」絶大な効果、逆転の発想が生んだ近鉄の接触事故対策
2018.5.28 06:30 産経WEST できごと
シカと電車の接触事故を減らそうと、近畿日本鉄道が導入した「シカ踏切」が絶大な効果を発揮している。運行時間帯はシカが嫌がる超音波で線路から遠ざけ、終電から始発までの夜間はそれを止め、自由に線路を横切れるようにするという画期的なシステム。奈良、三重両県の大阪線の一部に設置したところ事故件数が激減し、他の鉄道会社も試験導入を始めた。野生動物を排除するのではなく、人間との共存を目指す-。導入に至ったきっかけは、一人の鉄道マンがひらめいた「逆転の発想」だった。(藤木祥平)
超音波で侵入防止
シカ踏切の仕組みはシンプルだ。線路沿いにステンレス製の「獣害防止ネット」(高さ2メートル)を張り、その一部にシカが横断可能な数十メートルの隙間をつくる。シカは日没から早朝にかけて移動するため、夜間や明け方の運行時間帯だけシカが嫌がる超音波を隙間に発信して侵入を防ぎ、電車が運行しない深夜は装置を停止させ自由に線路を渡れるようにする。
電車が近付くとU-SONICから鹿にとって嫌な音が流れるので、その音がバリアとなり鹿は線路内に入らなくなる。
線路を道路に例えるならば、獣害防止ネットはいわばガードレールで、超音波を発する装置は横断歩道の信号だ。シカにとって、超音波は「ジェット機の爆音のように聞こえる」(近鉄の担当者)という。
野生動物との接触事故があれば、乗客の安全に気を配ることはもちろん、ダイヤの乱れや車両の損壊、死骸の処理、職員の負担などで鉄道会社は相当な痛手を被る。山間部などの路線が多い近鉄では、野生動物との接触事故は毎年200件以上にも上るというから深刻だ。
事故件数は平成27年が288件で、ここ10年で約7倍に増えているという。特にシカの場合、天敵のニホンオオカミが絶滅したことに加え、狩猟人口の減少で捕獲数が減り、生息数は年々増加しているとみられる。
あの手この手も効果なし
接触事故を防ぐため、これまでもさまざまな対策をとってきた。19~22年には発光ダイオード(LED)の光を照射し、野生動物に危険を知らせる装置を設置。24~26年には線路沿いに張り巡らせた柵の上部に獣害防止ロープを設けたが、いずれも効果はなかった。
担当者は「ロープはシカの角が引っかかって線路に侵入できないと考えたが、ロープとロープ、ロープと柵の間を飛び越えるようでほとんど効果がなかった。相手は動物で、対策には苦労した」(担当者)という。
28年5月に伊勢志摩サミットを控えていたこともあり、早急な対策が求められた。そんな中、板金加工を手がける「モハラテクニカ」(群馬県高崎市)という会社が開発した鳥獣害対策用の超音波発信装置「U-SONIC」の存在を知り、導入を検討。名古屋輸送統括部施設部電気課の匹田雄史さん(48)をリーダーとする対策チームが27年10月から、シカの接触事故が多発していた津市の東青山駅で現地調査を行い、監視カメラでシカの行動を観察し、移動経路や滞在時間など詳細なデータを記した「鹿カルテ」を作成した。
グッドデザイン賞も
では、装置はどこに設置すればいいか。近鉄の総営業距離は500キロを超え、私鉄で最長。山間部も多く、広範囲に設置するのは現実的でなかった。一方で、シカには線路を挟んだ両側にある生息域を行き来したり、鉄分補給のためにレールをなめたりする習性があることも分かった。
「だったら、シカの通り道をふさぐのではなく、安全な時間帯だけ渡れるようにできないか。そう考えたのがシカ踏切の始まりだった」。匹田さんはそう話す。
動態調査の過程では、衝撃的な映像も目にした。シカの親子が線路を横断中、3頭の子ジカのうち最後尾にいた1頭が渡りきれず、電車にはねられてしまったのだ。母ジカは約40分間その場を離れず、事故に遭ったわが子を悲しげに見つめ続けていた。「本当に悲しくなった。何とかしなくては…」。匹田さんは強く思ったという。
こうしてシカ踏切は28年5月、東青山駅構内に初めて設けられ、29年3月には奈良県宇陀市の榛原-室生口大野間にも設置された。
東青山駅構内では27年、シカとの接触事故が過去最高の17件を記録したが、設置後の3年間で被害はわずか3件。榛原-室生口大野間でも、同年に10件以上あった接触事故は設置後、1件にとどまり、効果が確認された。
シカ踏切は昨年度、日本デザイン振興会のグッドデザイン賞も受賞した。「人間が安全な踏切を必要とするように、シカにも安全な踏切が必要。犠牲となった多くのシカの存在により、シカの目線で問題を捉えることができた好例だ」(審査委員)と評価されたのだ。
シカ踏切は現在、近鉄が大阪線の青山町-伊賀上津駅間(三重県伊賀市)で設置準備を進めており、別のエリアでも導入を検討中。伊豆急行(静岡県)やJR西日本など別の鉄道会社も試験導入したという。
野生動物への「優しさ」から生まれたシカ踏切。匹田さんは「昔は鉄道もなく、動物社会があったところに人間が後から割り込んできた。シカと人間が互いに安心して暮らせる環境が整えば」と話している。
https://youtu.be/xtiOHBMGP5Q
インドでは野良牛が急増して危機的状況。
インドは中国と違って、外国の技術を盗むのではなく、自分達で部品から全部作っている、言わば自己完結鉄道。時速190kmで走るので、日本の新幹線と在来線の中間の速度だから準高速鉄道。
このインドの準高速鉄道が牛と頻繁に衝突する事から武田先生は同様に鹿との事故に悩んでいた近鉄の“鹿との取り組み”を紹介されました。
10年前は1年に電車が撥ねる鹿はおよそ5~600頭にも及んでいた。言ってみれば、1日に2頭程が撥ねられていた事になります。新聞のニュースにならないので、皆さんはご存知ないでしょうがと。そこで何とかしなければと近鉄の鹿との取り組みが始まったのです。
ナント、ビックリ。研究の結果、鹿に電車が来るのを知らせる事が出来る様になりました。「鹿踏切」を作ったのです。鹿は電車が来ると、「鹿踏切」の前で、チャンと電車が通過するのを待っています。可愛いですね。
実際の映像で、どうぞご覧下さい。又、この「鹿踏切」が産経新聞の2018年5月28日に紹介されていましたので、その記事も併せてご覧下さい。
【関西の議論】「シカ踏切」絶大な効果、逆転の発想が生んだ近鉄の接触事故対策
2018.5.28 06:30 産経WEST できごと
シカと電車の接触事故を減らそうと、近畿日本鉄道が導入した「シカ踏切」が絶大な効果を発揮している。運行時間帯はシカが嫌がる超音波で線路から遠ざけ、終電から始発までの夜間はそれを止め、自由に線路を横切れるようにするという画期的なシステム。奈良、三重両県の大阪線の一部に設置したところ事故件数が激減し、他の鉄道会社も試験導入を始めた。野生動物を排除するのではなく、人間との共存を目指す-。導入に至ったきっかけは、一人の鉄道マンがひらめいた「逆転の発想」だった。(藤木祥平)
超音波で侵入防止
シカ踏切の仕組みはシンプルだ。線路沿いにステンレス製の「獣害防止ネット」(高さ2メートル)を張り、その一部にシカが横断可能な数十メートルの隙間をつくる。シカは日没から早朝にかけて移動するため、夜間や明け方の運行時間帯だけシカが嫌がる超音波を隙間に発信して侵入を防ぎ、電車が運行しない深夜は装置を停止させ自由に線路を渡れるようにする。
電車が近付くとU-SONICから鹿にとって嫌な音が流れるので、その音がバリアとなり鹿は線路内に入らなくなる。
線路を道路に例えるならば、獣害防止ネットはいわばガードレールで、超音波を発する装置は横断歩道の信号だ。シカにとって、超音波は「ジェット機の爆音のように聞こえる」(近鉄の担当者)という。
野生動物との接触事故があれば、乗客の安全に気を配ることはもちろん、ダイヤの乱れや車両の損壊、死骸の処理、職員の負担などで鉄道会社は相当な痛手を被る。山間部などの路線が多い近鉄では、野生動物との接触事故は毎年200件以上にも上るというから深刻だ。
事故件数は平成27年が288件で、ここ10年で約7倍に増えているという。特にシカの場合、天敵のニホンオオカミが絶滅したことに加え、狩猟人口の減少で捕獲数が減り、生息数は年々増加しているとみられる。
あの手この手も効果なし
接触事故を防ぐため、これまでもさまざまな対策をとってきた。19~22年には発光ダイオード(LED)の光を照射し、野生動物に危険を知らせる装置を設置。24~26年には線路沿いに張り巡らせた柵の上部に獣害防止ロープを設けたが、いずれも効果はなかった。
担当者は「ロープはシカの角が引っかかって線路に侵入できないと考えたが、ロープとロープ、ロープと柵の間を飛び越えるようでほとんど効果がなかった。相手は動物で、対策には苦労した」(担当者)という。
28年5月に伊勢志摩サミットを控えていたこともあり、早急な対策が求められた。そんな中、板金加工を手がける「モハラテクニカ」(群馬県高崎市)という会社が開発した鳥獣害対策用の超音波発信装置「U-SONIC」の存在を知り、導入を検討。名古屋輸送統括部施設部電気課の匹田雄史さん(48)をリーダーとする対策チームが27年10月から、シカの接触事故が多発していた津市の東青山駅で現地調査を行い、監視カメラでシカの行動を観察し、移動経路や滞在時間など詳細なデータを記した「鹿カルテ」を作成した。
グッドデザイン賞も
では、装置はどこに設置すればいいか。近鉄の総営業距離は500キロを超え、私鉄で最長。山間部も多く、広範囲に設置するのは現実的でなかった。一方で、シカには線路を挟んだ両側にある生息域を行き来したり、鉄分補給のためにレールをなめたりする習性があることも分かった。
「だったら、シカの通り道をふさぐのではなく、安全な時間帯だけ渡れるようにできないか。そう考えたのがシカ踏切の始まりだった」。匹田さんはそう話す。
動態調査の過程では、衝撃的な映像も目にした。シカの親子が線路を横断中、3頭の子ジカのうち最後尾にいた1頭が渡りきれず、電車にはねられてしまったのだ。母ジカは約40分間その場を離れず、事故に遭ったわが子を悲しげに見つめ続けていた。「本当に悲しくなった。何とかしなくては…」。匹田さんは強く思ったという。
こうしてシカ踏切は28年5月、東青山駅構内に初めて設けられ、29年3月には奈良県宇陀市の榛原-室生口大野間にも設置された。
東青山駅構内では27年、シカとの接触事故が過去最高の17件を記録したが、設置後の3年間で被害はわずか3件。榛原-室生口大野間でも、同年に10件以上あった接触事故は設置後、1件にとどまり、効果が確認された。
シカ踏切は昨年度、日本デザイン振興会のグッドデザイン賞も受賞した。「人間が安全な踏切を必要とするように、シカにも安全な踏切が必要。犠牲となった多くのシカの存在により、シカの目線で問題を捉えることができた好例だ」(審査委員)と評価されたのだ。
シカ踏切は現在、近鉄が大阪線の青山町-伊賀上津駅間(三重県伊賀市)で設置準備を進めており、別のエリアでも導入を検討中。伊豆急行(静岡県)やJR西日本など別の鉄道会社も試験導入したという。
野生動物への「優しさ」から生まれたシカ踏切。匹田さんは「昔は鉄道もなく、動物社会があったところに人間が後から割り込んできた。シカと人間が互いに安心して暮らせる環境が整えば」と話している。