ブレグジットでイギリスを後にするホンダ
米中協議の今後の行方はどうなる? 飯田泰之のOK! Cozy up!
02202019
https://youtu.be/k4Zihxyew2E
――ホンダ、イギリス工場の閉鎖方針を発表 自動車大手のホンダは2021年にイギリスにある工場での自動車の生産を終了する方針を正式に発表しました。世界的な自動車の生産体制の見直しの一環だとしています。(イギリスの南部、スウィンドンにある工場)
直接の原因はブレグジットによってもたらされたというのは大きなニュースなんですけれども、実はこれ、理由が3つあります。
1つ目はやっぱりブレグジットに依ってで、この侭ハードブレグジットとなると、今迄、イギリスからヨーロッパに輸出する時は無税だった。これが10%税率が掛かってくるようになる。それはたまらん。これが1つ。
二つ目はですね、日欧EPA、つまり日本とEUの間にEPAが結ばれますので、今迄日本からヨーロッパに輸出すると、10%掛かっていた税金が順次引き下げられ、いずれ、8年目には0になる。じゃあ、日本でイイじゃないかと。
――必ずしもイギリスに工場がある必要がなくなっていく。
そうなんですね。そして3つ目はですね、実はホンダ、あまりヨーロッパでは売れてないというのがあります。実はこれ、ホンダだけではなく、日本車はアメリカやその他の地域では、世界で言うと色んな地域で強いんですけれども、ヨーロッパでだけ、日本車は弱いんですよ。これ日本の3大メーカー、トヨタ、ホンダ、日産、いずれもですね、売上比率で見ると、欧州は極々小さい。これヨーロッパの町に行かれた方は分かると思うんですが、日本車を見るとしたら、マツダ車ですよね。
――あぁ、確かにそうかもしれませんねぇ。
そうなんです。ヨーロッパでだけ、日本の3大メーカーとマツダの地位がチョッと逆転しているんです。
――確かに私もイギリスに行っていた時期があるんですけど、ズッと車を見てたら、あぁマツダが多いなぁって眺めていた記憶はあります。
一方、アメリカに行って見る日本車は圧倒的なトヨタですよね。そういった地域性もあるワケなんですけれども、矢張りどうしても今後のイギリス経済を考える上で、こういった撤退、今回はホンダですけれども、トヨタも同様の撤退を検討している状態です。
日産は既に、イギリスで計策していた増産をやめて撤退したという状態ですね。これ日本メーカーだけではなくて、様々なメーカー、例えば、ミニ、これはBMWですけれども、元々ローバーミニはイギリスで作られていた事もあって、イギリスで生産されているものが多いんですけれども、これも、もしも10%の税率が掛かるとなるとすると…と言って、BMW本社の方が営業の転換をする可能性もある。
そうするとですね、製造業って、裾野が広いんですよ。周りに関連産業が出来たり、又はそこに、工場って結構人数も使いますから、住宅地が生まれて、スーパーや小売店、パブみたいなものが出来たり、という風に、それがまとめて無くなってしまう。
じゃぁ、それに対してイギリスはどういう対応措置をとっていくのかというのが、これから徐々に、課題になっていくと思います。
――EUの動きに伴って、益々加速していく事でもありますね。
――アメリカと中国がワシントンで2日間に渡る次官級の貿易協議を開始しました。 21日から予定される閣僚級協議を前に、主張の隔たりの大きい中国経済の改革について詰めの交渉を行い、論点を整理した覚書の作成をすすめる予定です。
又、アメリカに関しては、今朝のニュースでトランプ大統領と韓国の文在寅大統領が電話会談しまして、トランプ大統領が記者団に対し、北朝鮮の非核化を望むとしながらも、特別に急ぐ事はないと述べ、核放棄にはある程度の時間が掛かるのもやむを得ないという考えを示したとの事です。
ワシントンでの次官級貿易協議を期待してか、ここ数日間株式市場が非常に楽観ムードが漂っていますよね。これは非常に適当な経験則で申し訳ないながら、非常に一色楽観みたいになった時ってね、けっこうシッペ返しがくる事が多いんですけれども、何よりも、中国側としては、関税等ではいくらでも譲る準備があります。
で、かなり色んなタマを投げてきている。一方でアメリカが困っているのは、アメリカが公表したいのはそこじゃないと。むしろ知的財産権の侵害、そして技術移転の強要、それによって中国がアメリカ側、又、トランプ大統領的言い方をすると、アメリカの技術を盗んで経済成長してきたんだろうと。
これどうしてくれるんだという所については、中国は何とかして、問題の核心に触れないように、ある意味で言うと、それ以外は、特に経済限定ですが、それ以外は何でも譲るよという構えで、そういった中で最終的な決着をつけるというのは極めて難しい。
で…21日からの閣僚会議ですと、勿論ライトハイザー通商代表なんですが、同時にムニューシン、ロス、そしてナバロ、このナバロ大統領補佐官というのが、トランプ大統領の貿易政策については非常に強い影響力を持っている。影響力を持っているって言うのは、別に実力を持っているっていうのではなくて、ナバロ氏の論理、ロジックというのにトランプ大統領が、影響を受けているんじゃないかと言われている人でもあると。
彼らがどういった形で中国と交渉を進めていくのか、マーケットの様相は程々の所で、つまり、実際に問題の根本解決に向かうんじゃなくて、お互い、大怪我しない様に、灰色で決着をつけてくれるんじゃないかなぁ~っていうのを、正直、マーケットは皆望んでいます。私も望んでいます。投資家は皆望んでいます。
なんですけれども、ここはなかなか厳しい所と思います。例えばですねぇ、今回、トランプ大統領が、北朝鮮の核廃棄を急がないと言った様に、言った背景としては、ここの所、トランプ大統領は、自らの外交成果として、「北朝鮮、こんなに状況が改善したじゃないか。俺の大勝利だ。」って言ってるワケなので、ここで北朝鮮の核廃棄に向けてのステップが上手く進んでないって言えないんですよね。
で…対中貿易交渉もそうで、何か此処で、トランプ大統領が、「俺のお陰で、こうなったんだよ」っていう風に、言いたい局面なんだ。
中国はそこで、何とか関税とか、正直根本ではないけれども、花を持たせられるタマをボンボン上げて…で…核心に触れて欲しくないと。
一方で、ナバロ大統領補佐官等は、この米中間の知的財産権侵害や、技術移転の強要に関する問題は、今後の世界の覇権に関する最重要テーマであると。
此処で譲ってしまったら、正直、トランプ政権が政権党である意味が無いという事になりますから、何処まで…、まぁ、何とか灰色で終って欲しいと経済界は思うのですけれども、その一方で、此処で譲る事というのが、十年、二十年、百年でみたアメリカにとって、米国にとって、どういう意味を持つのか、これが今後、まぁ、1年や2年では済まないと思います。
十年に渡る大きな米中間対立の読み方だと思うんですね。それにしても、トランプ大統領、完全に選挙シフトですね。ですから、それが日本が対米交渉する時にも気になるんじゃないでしょうか。
米中協議の今後の行方はどうなる? 飯田泰之のOK! Cozy up!
02202019
https://youtu.be/k4Zihxyew2E
――ホンダ、イギリス工場の閉鎖方針を発表 自動車大手のホンダは2021年にイギリスにある工場での自動車の生産を終了する方針を正式に発表しました。世界的な自動車の生産体制の見直しの一環だとしています。(イギリスの南部、スウィンドンにある工場)
直接の原因はブレグジットによってもたらされたというのは大きなニュースなんですけれども、実はこれ、理由が3つあります。
1つ目はやっぱりブレグジットに依ってで、この侭ハードブレグジットとなると、今迄、イギリスからヨーロッパに輸出する時は無税だった。これが10%税率が掛かってくるようになる。それはたまらん。これが1つ。
二つ目はですね、日欧EPA、つまり日本とEUの間にEPAが結ばれますので、今迄日本からヨーロッパに輸出すると、10%掛かっていた税金が順次引き下げられ、いずれ、8年目には0になる。じゃあ、日本でイイじゃないかと。
――必ずしもイギリスに工場がある必要がなくなっていく。
そうなんですね。そして3つ目はですね、実はホンダ、あまりヨーロッパでは売れてないというのがあります。実はこれ、ホンダだけではなく、日本車はアメリカやその他の地域では、世界で言うと色んな地域で強いんですけれども、ヨーロッパでだけ、日本車は弱いんですよ。これ日本の3大メーカー、トヨタ、ホンダ、日産、いずれもですね、売上比率で見ると、欧州は極々小さい。これヨーロッパの町に行かれた方は分かると思うんですが、日本車を見るとしたら、マツダ車ですよね。
――あぁ、確かにそうかもしれませんねぇ。
そうなんです。ヨーロッパでだけ、日本の3大メーカーとマツダの地位がチョッと逆転しているんです。
――確かに私もイギリスに行っていた時期があるんですけど、ズッと車を見てたら、あぁマツダが多いなぁって眺めていた記憶はあります。
一方、アメリカに行って見る日本車は圧倒的なトヨタですよね。そういった地域性もあるワケなんですけれども、矢張りどうしても今後のイギリス経済を考える上で、こういった撤退、今回はホンダですけれども、トヨタも同様の撤退を検討している状態です。
日産は既に、イギリスで計策していた増産をやめて撤退したという状態ですね。これ日本メーカーだけではなくて、様々なメーカー、例えば、ミニ、これはBMWですけれども、元々ローバーミニはイギリスで作られていた事もあって、イギリスで生産されているものが多いんですけれども、これも、もしも10%の税率が掛かるとなるとすると…と言って、BMW本社の方が営業の転換をする可能性もある。
そうするとですね、製造業って、裾野が広いんですよ。周りに関連産業が出来たり、又はそこに、工場って結構人数も使いますから、住宅地が生まれて、スーパーや小売店、パブみたいなものが出来たり、という風に、それがまとめて無くなってしまう。
じゃぁ、それに対してイギリスはどういう対応措置をとっていくのかというのが、これから徐々に、課題になっていくと思います。
――EUの動きに伴って、益々加速していく事でもありますね。
――アメリカと中国がワシントンで2日間に渡る次官級の貿易協議を開始しました。 21日から予定される閣僚級協議を前に、主張の隔たりの大きい中国経済の改革について詰めの交渉を行い、論点を整理した覚書の作成をすすめる予定です。
又、アメリカに関しては、今朝のニュースでトランプ大統領と韓国の文在寅大統領が電話会談しまして、トランプ大統領が記者団に対し、北朝鮮の非核化を望むとしながらも、特別に急ぐ事はないと述べ、核放棄にはある程度の時間が掛かるのもやむを得ないという考えを示したとの事です。
ワシントンでの次官級貿易協議を期待してか、ここ数日間株式市場が非常に楽観ムードが漂っていますよね。これは非常に適当な経験則で申し訳ないながら、非常に一色楽観みたいになった時ってね、けっこうシッペ返しがくる事が多いんですけれども、何よりも、中国側としては、関税等ではいくらでも譲る準備があります。
で、かなり色んなタマを投げてきている。一方でアメリカが困っているのは、アメリカが公表したいのはそこじゃないと。むしろ知的財産権の侵害、そして技術移転の強要、それによって中国がアメリカ側、又、トランプ大統領的言い方をすると、アメリカの技術を盗んで経済成長してきたんだろうと。
これどうしてくれるんだという所については、中国は何とかして、問題の核心に触れないように、ある意味で言うと、それ以外は、特に経済限定ですが、それ以外は何でも譲るよという構えで、そういった中で最終的な決着をつけるというのは極めて難しい。
で…21日からの閣僚会議ですと、勿論ライトハイザー通商代表なんですが、同時にムニューシン、ロス、そしてナバロ、このナバロ大統領補佐官というのが、トランプ大統領の貿易政策については非常に強い影響力を持っている。影響力を持っているって言うのは、別に実力を持っているっていうのではなくて、ナバロ氏の論理、ロジックというのにトランプ大統領が、影響を受けているんじゃないかと言われている人でもあると。
彼らがどういった形で中国と交渉を進めていくのか、マーケットの様相は程々の所で、つまり、実際に問題の根本解決に向かうんじゃなくて、お互い、大怪我しない様に、灰色で決着をつけてくれるんじゃないかなぁ~っていうのを、正直、マーケットは皆望んでいます。私も望んでいます。投資家は皆望んでいます。
なんですけれども、ここはなかなか厳しい所と思います。例えばですねぇ、今回、トランプ大統領が、北朝鮮の核廃棄を急がないと言った様に、言った背景としては、ここの所、トランプ大統領は、自らの外交成果として、「北朝鮮、こんなに状況が改善したじゃないか。俺の大勝利だ。」って言ってるワケなので、ここで北朝鮮の核廃棄に向けてのステップが上手く進んでないって言えないんですよね。
で…対中貿易交渉もそうで、何か此処で、トランプ大統領が、「俺のお陰で、こうなったんだよ」っていう風に、言いたい局面なんだ。
中国はそこで、何とか関税とか、正直根本ではないけれども、花を持たせられるタマをボンボン上げて…で…核心に触れて欲しくないと。
一方で、ナバロ大統領補佐官等は、この米中間の知的財産権侵害や、技術移転の強要に関する問題は、今後の世界の覇権に関する最重要テーマであると。
此処で譲ってしまったら、正直、トランプ政権が政権党である意味が無いという事になりますから、何処まで…、まぁ、何とか灰色で終って欲しいと経済界は思うのですけれども、その一方で、此処で譲る事というのが、十年、二十年、百年でみたアメリカにとって、米国にとって、どういう意味を持つのか、これが今後、まぁ、1年や2年では済まないと思います。
十年に渡る大きな米中間対立の読み方だと思うんですね。それにしても、トランプ大統領、完全に選挙シフトですね。ですから、それが日本が対米交渉する時にも気になるんじゃないでしょうか。