港町のカフェテリア 『Sentimiento-Cinema』


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『4月15日』

2019-04-14 12:19:56 | 明日は誰の日

【誕生日】


☆クラウディア・カルディナーレ Claudia Cardinale (1938.4.15~ )



野性的で薄幸な田舎娘という強烈なイメージと良質な作品に恵まれて開花したイタリアを代表する女優です。
シチリア移民の子としてチュニジアで生まれ、カルタゴの学校で教員免許を取るために教育を受けていましたが、1955年に
フランスのルネ・ヴォーティエ監督の短編映画に出演し、これがベルリン映画祭で上映されたことで地元で有名人になり、
女優になることを夢見ました。
1957年にチュニスで開かれたイタリア映画週間で在住イタリア人美人コンテストで優勝し、その副賞としてヴェネチア
映画祭に招待されたのが映画界入りのきっかけとなり、その足でローマの国立映画実験センターに入って演技の基礎を学び、
1958年のマリオ・モリチェリ監督の『いつもの見知らぬ男たち』で映画デビューを果たしました。
ところが、この時期に未婚の身で妊娠という重大事が発生し、その上自殺念慮に苦しみ鬱状態に陥ってしまいました。
当時のイタリアは厳格なカトリックの国で未婚の母は絶対に許されない風土があり、このままでは俳優人生に終止符を
打ちかねない事態となるため妊娠の件は厳重な秘密にされ、それをカムフラージュするために英語の語学研修を名目として
ロンドンに渡って極秘裏に男児を出産し、その子は年の離れた弟として育てられることになりました。
そしてこの一連の出来事が女優カルディナーレに大いなる成果をもたらすことになります。
そんな隠れた経歴に影響されたのでしょうか、彼女は野性的魅力を有する一方で陰鬱で薄幸な田舎娘というイメージが
つきまとい、逆にそれがの女優としての最大の商品価値となってイタリア映画界の巨匠たちに重宝されることになります。
1959年にはピエトロ・ジェルミ監督の『刑事』で、泥臭い田舎娘のお手伝いさん役で一気にスターの仲間入りを果たし、
以後も『若者のすべて』『ビアンカ』など陰のある役どころで強い印象を与え、まるでカルディナーレ自身を描いたかの
ようなヴァレリオ・ズルリーニ監督の『鞄を持った女』で一気にブレイクしました。妊娠・出産が公表できず、そのことで
鬱病を患い自殺まで思いつめた彼女が皮肉にも男に翻弄される陰鬱な女を演じて好評を得ることになったのです。
そして作品にも恵まれてついにイタリアを代表する大女優へと開花しました。
しかし、1963年にハリウッドに招かれて『ピンクの豹』でお姫様役を演じたのが間違いで、カルディナーレ取扱説明書を
全く理解しなかったハリウッドのB級作品に出続けたことで女優としての商品価値は一気に低下してしました。
イタリアに残っておりさえすれば…と思うと残念でなりません。

【主要出演作品】
1959年『暗殺指令』Vento del Sud

1959年『刑事』Un Maledetto imbroglio

1959年『上と下』Upstairs and Downstairs
1960年『汚れなき抱擁』Il bell'Antonio

1960年『女は選ぶ権利がある』Il Magistrato
1960年『若者のすべて』Rocco e i suoi fratelli

1960年『太陽の誘惑』I delfini

1961年『鞄を持った女』La ragazza con la valigia

1961年『ビアンカ』La viaccia

1961年『大盗賊』Cartouche

1963年『8 1/2』Otto e mezzo

1963年『山猫』Il Gattopardo

1963年『ピンクの豹』The Pink Panther
1963年『ブーベの恋人』La Ragazza di Bube

1964年『サーカスの世界』Circus World
1964年『気ままな情事』Il Magnifico cornuto

1965年『熊座の淡き星影』Vaghe stelle dell'Orsa…

1965年『めかくし』Blindfold
1966年『名誉と栄光のためでなく』Lost Command
1966年『プロフェッショナル』The Professionals
1967年『サンタモニカの週末』Don't Make Waves
1968年『ウエスタン』C'era una volta il West
1970年『赤いテント』 La tenda rossa


【ご命日】

★グレタ・ガルボ Greta Garbo (1905.9.18~1990.4.15)



スエーデン出身でサイレント期並びにトーキー初期に人気を博した伝説的なハリウッド女優。
主な出演作品に『イエスタベルリングの伝説』『アンナ・カレニナ』『マタ・ハリ』『征服』『ニノチカ』などがある。


★シャルル・ヴァネル Charles Vanel (1892.8.21~1989.4.15)



舞台経験を持ち、映画では準主役級ながら大きな存在感のあるフランスの性格俳優。
主な出演作品に『背信』『恐怖の報酬』『埋れた青春』『悪魔のような女』などがある。