千羽鶴のちょっと気になったこと

時事問題や法律・阪神について気になったことを書いていきます

民法→条件付権利

2009-10-04 02:55:21 | 法律
条件付権利

正誤問題
1) 農地法の許可を得ることを条件として農地の売買契約をしたが、
  故意に売主がその許可取得を妨害したとしても、
  買主はその条件が成就したものと見なすことはできない。

2) 条件の成就によって利益を受ける当事者が、故意に条件を成就させた場合には、
  相手方は条件が成就していないものと見なすことはできない。

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条件付権利の効力に関する問題です。
条件の成否未定の間はまだ法律効果は発生していないので、権利を主張することはできないわね。
でも、成就により利益を受ける当事者は成就を期待するわけだから、法律としてはこれを保護することにしているの。
130条がその典型的規定ですよ。
見てみましょうか。

130条
 条件が成就することによって不利益を受ける当事者が故意にその条件の成就を妨げたときは、
 相手方は、その条件が成就したものと見なすことができる。

2)の問題は逆の事例で、利益を受ける当事者が故意に条件を成就させた場合です。
明文規定はないけど、判例・通説共に相手方、つまり条件成就により不利益を受ける当事者が
条件不成就と見なすことができるとしています。
これは信義則や当事者の意思の推測ということから、130条を類推適用するということです。

1)の問題では130条が想定する条件とはなにかということです。
条件とは法律行為の付款とされ、法律行為の内容を構成するものです。
したがって、条件内容は当事者が任意に定めたものである必要があるとされます。
法律が効力発生要件として定める法定条件は、当事者が任意に定めたものではないために、
130条にいう条件ではないとされるのですよ。
問題の農地法の許可も農地売買に関する法定条件だから、
当事者間で勝手に許可がなされたものと見なすことはできないわけです。

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1)正解
2)間違い

非嫡出子の相続分

2009-10-04 02:53:05 | 法律
2裁判官「違憲」「疑い」 非嫡出子相続の民法規定で最高裁

非嫡出子の遺産相続分を嫡出子の半分とする民法の規定が、
法の下の平等を定めた憲法に反するかが争われた審判の特別抗告審決定で、
最高裁第2小法廷は3日までに、合憲と判断。
しかし、裁判官4人のうち1人が「違憲」と反対意見を述べ、
別の1人が「現時点では違憲の疑いが極めて強い」と補足意見を付けた。

 規定をめぐっては、平成7年の最高裁大法廷決定が合憲と判断。
その後の小法廷でも踏襲されてきたが、違憲の反対意見が相次ぎ、今回も小差の結論となった。
千葉景子法相は既に、非嫡出子差別撤廃を盛り込んだ民法改正の方針を表明している。

 今井裁判官は「婚外子かどうかは子供自身ではどうにもならないのに、
差別することは個人の尊厳と相いれない」と指摘。
8年に法制審議会(法相の諮問機関)が平等にするよう答申したのに、
法改正が実現しないことを踏まえ「立法を待つことは許されない」と述べた。

 竹内裁判官は、非嫡出子が増加するなど家族観も変化し、
国連の委員会から是正勧告されていることなどから、違憲の疑いとした。
ただ、違憲無効とすると法的安定性を害するとして「立法府の改正が強く望まれる」とした。


TITLE:2裁判官「違憲」「疑い」 非嫡出子相続の民法規定で最高裁 - msn産経ニュース
DATE:2009/10/03 22:42
URL:http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/091003/trl0910031200014-n1.htm

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これってずっと前から議論されていたことよね。
基本書で読んだときには、非嫡出子(婚外子)は嫡出子に比べて少ない相続分になるのは当然だと思ってました。
いまでもわたしはそう思ってますが。

非嫡出子が増加するというのはいいことなんでしょうか?
既婚者との間で生まれた婚外子について考えると、
貞操守秘義務違反で配偶者に対しては離婚原因になるし、相手方は不法行為者となるのよ。
確かに生まれてくる子供に罪はありません。
しかし、不法行為をした人との間に生まれた子供と通常の夫婦間に生まれた子供を同等に扱っていいものなんでしょうか?
それって法律婚を軽視することになるかもしれません。

半分相続することができるということでいいんじゃないかしら。