カイロ・ウノ(chiro-uno)=^.^=宇之助室長の猫の手

http://chirouno.blog.fc2.com/
にページを引越しました。
どうぞよろしく。

カイロプラクティック機能神経学 4

2009年12月14日 | 神経学
 Dr.Carrick は「いかなる治療法も脳の機能に影響を及ぼす」としています。

 運動刺激、温熱刺激、音刺激など、外界からの刺激は全て脳に影響を及ぼします。

 機能神経学では、カイロプラクティック手技だけでなく、上記の刺激を全て治療として活用します。

 症例では、特定の方向に眼球を向けたり、内耳に温熱刺激をいれたり、周波数の異なる音で刺激するという動画を観ることができました。

 外からの刺激が適切でないと、いずれは身体のどこかに機能低下を起こしてしまいます。

 神経の生存に必要なものは「酸素・適切な刺激・栄養」の3つです。

----------

 「前頭葉に問題がある場合は、眼球を上に向けると効果がある」そうです。

 これは、デスクワークで前傾姿勢を取ることの多いオフィスワーカーにも有効と思われます。

----------

 大脳の機能低下を予防するには、眼からの適切な刺激が不可欠です。

 12対の脳神経の中でも、眼に関連する神経は、視神経・動眼神経・滑車神経・外転神経と大きな部分を占めます。

 強い症状がなければ、眼を全ての方向にバランスよく動かしてみましょう。

 上下左右はもちろん、斜め方向、右・左回転、寄り目(輻輳)、反り目(開散)などを意識的に行うとよいでしょう。

 輻輳と開散は相対する動きです。

 開散は普段使わない動きですから、意外に難しく、疲れます。

 右眼で右の人差し指、左眼で左の人差し指を注視した状態で、指を寄せたり離したりするとガイドになります。

 ちなみにヨガでは開散の動きは副交感神経を活性化する働きがあると言われています。

 セルフケアとして、ぜひお試しください。


 

カイロプラクティック機能神経学 3

2009年12月13日 | 神経学
 Dr.Carrick はセミナーの中で「(subluxationではなく)compensation(代償作用)を治療する」と言われました。

 これは従来のカイロプラクティックから外れているように思われます。

 しかし「結果ではなく、原因を治療する」と考えれば、納得できます。

 「何がこの症状を引き起こしているのか」を探る "detective work"(探偵作業)がカイロプラクティック機能神経学の醍醐味なのです。

----------

 Dr.Carrick のセミナー資料は、power pointで317枚。

 事前の資料として配布されたものを見つつ、「この挿絵(写真)は何だろう?」と思うものが多々ありました。

 ほぼ全てのスライドに挿絵があったのですが、説明を聴いていると「あ~、そういう意味だったのか。」と妙に納得。

 Dr.Carrick はユーモアのセンスも持ち合わせていました。

----------

 講義の中の参考文献は、数え切れないほど。

 こうした日々の努力が、あの素晴らしい臨床に直感として活かされているのだと思います。

-----------

 今回のセミナー、通訳の先生方や事務局の方々のご苦労は大変なものだったと思います。

 スライドも全て訳がつき、とても解りやすいものに…。

 本当にありがとうございました。

----------

 つづく…?


 

カイロプラクティック機能神経学 2

2009年12月12日 | 神経学
 Frederick Robert Carrick博士の「カイロプラクティック機能神経学」。

 Dr.Carrickはカイロプラクティック機能神経学の創始者。

 カイロプラクティック機能神経学では、「大脳半球の機能的偏り(Brain Hemisphericity)が、様々な機能障害を引き起こす」という考えを基本にしています。

 Hemisphericityは筋骨格系にアンバランスを引き起こす原因となります。

 逆に筋骨格系のアンバランスがHemisphericityを引き起こすことも。

----------

 Dr.Carrickは、神経系を「選択的に」活性化することで、以下の症状に効果をあげています。

 ・昏睡状態
 ・ジストニア(中枢神経系の不随意で持続的な筋収縮にかかわる運動障害)
 ・ジスキネジア(パーキンソン病などにみられる、痙性の強い、不随意運動)
 ・トゥレット症候群(音声チック)

 等々…。

 セミナーでは、実際の臨床風景を動画で観ることができました。

 驚いたのは、「気管切開した部分に対しても治療を行う」ことがあるそうです。

 自発呼吸回復のため、頚部の関連筋を刺激します。

 眼で確認してピンポイントで治療ができるため、非常に効果的なのだそうで…。

 … 神様です。

-----------

 Dr. Carrick は、聴覚・前庭(重力・加速度)・視覚・体性感覚を司る感覚器官を、検査・アセスメント(評価)と治療に活用します。
 
 例えば、方向と速度を指定した眼球運動を治療として利用することで、ジストニアを改善させることも可能です。

 それも短時間で、劇的な効果。

 もちろん、全てのケースにおいて有効とは限らないでしょう。

 しかし今まではアプローチの方法が無いに等しかったのですから、本当に画期的といえます。

----------

 つづく…

 

カイロプラクティック機能神経学 1

2009年12月10日 | 神経学
 12月1日(火)Frederick Robert Carrick博士の来日講演でした。

 内容は「カイロプラクティック機能神経学」。

----------

 日本では増田裕先生が唯一、Carrick Instituteの公認インストラクターとして、カイロプラクティック神経学卒後セミナーを担当していました。

 カイロプラクティック神経学の利点は、臨床的への応用が可能な点。

 増田先生の口癖は「明日から即、自分のオフィスで実践するように」。

 月1回の講義を心待ちにしていた先生方は、本当に多かったと思います。

----------

 その増田先生が、2006年6月に脳梁部に脳梗塞を起こされました。

 臨床は難しかったものの、リハビリ等で驚くべき回復を遂げられました。

 しかしながら2008年6月に心臓バイパス手術を受け、術後に2度目の脳梗塞を発症。

 現在、右半身麻痺と運動性失語症が残っている状態です。

----------

 日々の臨床・NAET JAPANの主催・神経学のセミナー講師。

 脳や神経系の分野は日々進化していますから、神経学の講義前は下準備で大変だったのだろうと思います。

 発生学・解剖学などの基礎~臨床適用まで、本来ならば複数の講師で分担するところを1人でこなしていたのです。

 その負担が身体にかかったとしても不思議ではありません。

----------

 今回の来日講演で多くの先生方と再開し、そして増田先生の講義を思い出しました。

 私はあの場で学べたことに、本当に感謝しています。

 反面、とても複雑な気持ちも…。

 

 久々の更新。

 思い入れがあって、なかなか書き出すことができませんでした。

 でも自分の気持ちを文章にすることは、時に必要のようです。

 

 


頭痛とヘルペスウイルス

2009年12月07日 | 治療法
 先日、テレビで片頭痛と帯状疱疹ウイルス(ヘルペスウイルス)の関係について放送されていました。

 ストレスなどで免疫力が低下すると、帯状疱疹ウイルスが活性化。

 これが三叉神経を刺激し、炎症物質が分泌される。

 頭の血管に炎症が起こり、血管が拡張した結果が片頭痛…。

 という仮説。

----------

 帯状疱疹ウイルスは、水痘(水ぼうそう)ウイルス。

 日本人の9割以上が、10歳以下でかかります。

 私も小学校の低学年でかかった記憶が…。

 「水ぼうそうは一度かかれば二度とかからない」とされていますが、治癒しても水痘ウイルスは神経節の中に潜伏するそうです。

 とすれば、免疫が落ちたときに症状がでるのも納得できる気がします。

-----------

 頭痛について有名なサイトに、頭痛大学 University of Headache があります。

 清水俊彦医師の研究グループによれば、目の奥や周囲、頭皮に違和感・痛みを覚える「前額部アロディニア(知覚過敏)」の場合、抗ウイルス薬が効果的のようです。

----------

 ん?

 ヘルペスウイルスといえば…と思い、ネット検索をしてみると、ありました。

 豊岡憲治医師が2004年4月30日の記事で、頭痛とヘルペスウイルスの関連を取り上げていらっしゃいました。
 
 医師・豊岡憲治さんの嘘のようなホントウの話

 豊岡先生は、画像診断や血液診断ではなく、O-Ringテストでチェックし、漢方薬で治療されるようです。

----------

 多少の頭痛だと、我慢してしまう場合もあります。

 HIT-6(HIT:Headache Impact Test 頭痛インパクトテスト) でセルフチェックしてみましょう。

 頭痛ダイアリー に記録して、頭痛の傾向を探っておくのもよいでしょう。

 頭痛の原因は不明とされていますが、「免疫が落ちているサイン」と受け取ることができるようです。

 身体からのサインを見逃さないようにしましょう。

 
 


JACシンポジウム その5

2009年12月04日 | カイロプラクティック
 「アプライド・キネシオロジー(AK)」の講師は、中塚祐文先生。

 一般社団法人日本カイロプラクターズ協会(JAC)会長
 ナショナルカレッジオブカイロプラクティック卒。
 国際アプライドキネシオロジスト認定。
 国際カイロプラクティックスポーツサイエンス資格取得
 中塚カイロプラクティック研究所 院長

--------------------

 AKはジョージ・グッドハート D.C.によって開発されました。

 身体の機能障害を「筋肉テスト」を使って評価、治療します。

 健康は構造・栄養・精神が基本的要素であるとし、適切な量やバランスが保つことが重要となります。

--------------------

 グッドハートは晩年になっても、とても勉強家だったそうです。

 "Why is that ? "

 いくつになっても「何故そうなるのか?」と、原因を追究。

 この探求心が、AKの検査・治療に驚くまでの拡がりを持たせているのだと思います。

--------------------

 後半は、中塚先生がクリニックで行っている臨床のデモンストレーション。

 テクニックはもちろんですが、インフォームド・コンセントの流れも「なるほど!」と納得のできるものでした。

--------------------

 患者様が「昨日、枕が変わって寝違えを起こした」といえば、症状は急性です。

 ただし、バイタルサインや問診・検査の結果等を総合して考えると、枕が変わったことは「引き金」の場合も多いのです。

 隠れた原因を探り、栄養やストレス・姿勢・食習慣に対するアドバイスを行うことも重要です。

 東洋医学の中に「急ならばその標を治す、緩ならばその本と治す」という言葉があります。

 急性の場合は症状に対しての治療が必要になります。

 その後、原因を取り除くことで、再発を防ぐことができるわけです。

 初診時にしっかりとしたインフォームドコンセントを行うことで、必ず患者様のQOLは高くなると思います。

 もちろん、人によっては体質や生活習慣の改善が必要になりますから、患者様の努力も不可欠ですが…。

 特別な器材がなくても、エネルギー・インデックスを算出することで自律神経のバランスを知ることができることも、始めて知りました。

 う~ん、凄いっ!

 感動です。 

--------------------

 個人的に、中塚先生のお話と声のトーンはとてもおだやかで、心が和みます。

 このあたりも、先生の魅力なのでしょう。

 ついつい「今日のお話の〆は何だろう?」と、推測をしてしまいます。

 いつも、良い意味で裏切られるんですけどね。


 

JACシンポジウム その4

2009年12月01日 | カイロプラクティック
 「スポーツ障害のマネジメント」の講師は、宮川俊平先生。

 現筑波大学人間総合科学研究科教授。

 スポーツ障害の予防と対策を中心にバイオメカニクスや身体特殊性(関節柔軟性、アライメント、不安定性など)の影響を研究されています。

--------------------

 講義内容で興味深かったのが、整形外科的メディカル表と経絡テスト(M-Test)を対比して取り上げていた点。

 M-Testは、向野義人先生によって考案された診断法の1つ。

 動きに伴う痛みや愁訴を軽減させるには、伸展される部位に分布する経絡を治療対象とする事が最も効果的だそうです。

 M-Testは全身31種類、左右合計58動作を自動運動でチェックすることで、関連する経絡を特定することができます。

 臓器に関連づけたり、経穴を刺激したり、ストレッチするなど、治療にも応用が期待できるでしょう。

 M-Test(経絡テスト) 

--------------------

 個人的には、巨人の星の動画がツボにはまりました。

 スポ魂の代表格の漫画に(当時の)最新のスポーツ理論が取り入れられていたとは…。

 知りませんでした。

 見る人が見ると、アニメも切り口が変わります。

 いろいろな視点から見ることで、世界も拡がるものですね。