一過性全健忘

　突然、「ここはどこ？」「私は何をしてたの？」と繰り返し聞かれたら…。
　あなたならどうしますか？

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　記憶障害のなかに「一過性全健忘（Transient Global Amnesia : TGA）」があります。

　「健忘」は、ある程度まとまった期間のことが思い出せないことをいいます。

　健忘は２つに分けられます。

　ある期間のことを全く思い出せない場合を「全健忘」、部分的にしか思い出せない場合を「部分健忘」と言います。

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　TGAは一時的に記憶のみが障害される病気で、通常24時間以内に治ってしまうそうです。

　発作は突然に生じ、発作中新たな記憶の形成がまったくできないのが特徴です。

　症状としては、自分がなぜここにいるのか、あるいは何をしているのかがわからなくなります。

　このため日常の行動をとることができなくなります。

　「ここはどこ？」などの質問を繰り返し、状況を教えても、その記憶を保持できないために再び同じ質問をします。

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　書字や計算などの高次脳機能は保たれていますが、発作中の記憶はほぼ全てが欠落したままとなり、回復しません。

　原因は解明されていませんが、脳の記憶に関係する「海馬」を中心として、一時的に血流が悪くなったりして障害が起き、発症すると考えられています。

　経過は良好です。

　再発率は25%以下で、3回以上の発作の頻度は3%以下です。

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　診断にはてんかん発作や頭蓋内の器質的な疾患を除外するために、脳波や画像検査が必要です。

　まずは神経内科等を受診しましょう。