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Chiakiの徒然日記

授業放棄

中学校に入って間もないころ、信じられない授業に出くわした。
いや、あれはもう「授業」じゃない。

歴史の時間。
先生による「予習」のチェックが行われた。
生徒の側も慣れてきた頃で、私も含めて大雑把な予習しかしていなかった。
途端に先生が不機嫌になった。
教壇に立つと、おもむろに板書を始めた。
そのスピードの速いこと。みんなしばらく何が起きたか分からずにいた。
先生、一言も話さず。黙々と板書。
あわててみんな板書をノートに書き写していく…。
板書の音とノートを取る音だけが響く教室。
黒板がいっぱいになると、今度は先生、何も言わずに最初に書いた部分を一気に消す!
そしてまた黙々と板書。
字がお世辞にも上手とは言えない先生だったので、読めない字もあり、
「あれ、なんて書いてある?」と小声で訊ねる声が聞こえる程度で、静まり返っている教室。
そして、その日にやるはずだった授業分の板書を終えた先生、
「今日はこれで終わります」とだけ告げて教室を去って行った。
その時間約30分。授業時間は50分。
異様な緊張状態から解き放たれた教室は騒然となった。
他のクラスの人へのリサーチで、予習の仕方がお気に召さなかったことだけは把握できた。

そこで成績優秀組の男子生徒が行動開始。
片っ端から先生方に「自分たちの予習が不十分だと、気分が悪いか?」と訊ねまくった。
多くの先生が「なんで?」という反応だった。
「予習してなくて困るのはお前たちだろ。先生は困らないもん。」

歴史の先生の考えは、
・予習は徹底的に。
・授業は予習の復習。
というものだった。お~い、中学1年生にそこまで求めるか~?

たとえば、聖徳太子についてだったら、
・推古天皇の摂政(摂政とは何かまで当然調べること)
・冠位十二階(当然何かということまで調べること)
・十七条憲法(条文まで調べて、意味も調べておくこと)
とまでやって初めて「予習した」と言えるらしい。
じゃあ、授業では何を教えてくれるわけ?

全然腑に落ちなかった私たちだったが、予習チェックがこの後行われなくなった。
おそらく、ほかの先生たちに聞きまくった男子生徒たちのことが校長先生あたりの耳に入ったのだろう。
ほんと、ハタ迷惑な授業放棄だったよ…。
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